第百話 娯楽3
「魔女様本気ですか?」
従者ロートは驚いていた。それもそのはずだろう。久々に自ら運営に向かおうとしているのだから。
「本当、事実、リアル」
「わかりました。お供します」
快く受け入れ、これからの案を考えた。これで一見落着かと思ったのだが、本来の目的を忘れてはいない。魔女の会議室にて、俺は事象のことについて聞いた。
「ベルル話したいことがある」
「事象問題か……」
「ああ……」
「ロート、お前もいてくれ。四人で話そう」
議題は事象問題に切り替わる。俺は軽くでしかそのことがわかっていない。何が起こるのか見当もつかない。だが、今は俺はではなく確実にわかるものが一人いた。
「三人がわからないと思いますし、話しますね」
フローラだ。彼女は強欲の魔女の戦いにより、すべてを取り戻した。結果として事象問題に関してのことも知っているはずだ。詳細がどこまで語られるかはわからない。
しかし、これが本当の始まりといっても過言ではないのかもしれない。つばを飲み込み聞く。
事象問題。現在では様々な天変地異が各地で起きている。それはどんなに文明が発達している。この地でも例外ではない。異常気象が各地で起こっているその背景は、事象問題が密接にかかわっているとされている。
魔女が大きな力を得たきっかけでもあるのが事象でもあるとされ、それが原因で戦争に発展もした。しかし、ルーシィがそれを食い止めた。だが、現実はそうはうまくいかず、三人の反逆的者たちを誕生させてしまった。それが強欲、嫉妬、暴食だ。
その中心を強欲が担っており、裏での操作をしていた。しかし、フローラは現状それらすべてが暴食によるものだと、途中から切り替わったのだと推測した。
表は嫉妬、裏は強欲、それをさらに操っていたのが暴食。何より恐ろしいのが、嫉妬は強欲の思惑を知っていたかもしれないが、暴食は一切だったという点。
表にあまり出てこなかった。それは怠惰の魔女ベルルとは違ったスタイルだった。
完全防御というスタンスを貫き、思い通りの自国を最初に気づいたのが暴食だ。ルーシィはそんな暴食の敏腕さを買っていた。だからこそ、やられた。
七魔女の力は、全員が何かに特出している。嫉妬は人に対して束縛を与えるのに長けている。フローラ色欲の魔女は、高威力の魔法を得意とする。
強欲の魔女は相手の思考を奪い上書きをする魔法を催眠を得意とする。
暴食の魔女は、強欲と似ているものとされた。しかし、それは表であり、真実はとても似ているものとは違う別種であるとフローラは語る。
「暴食が得意とする魔法は、精神汚染です」