プロローグ
突如世界は七人の魔女によって分断された。平穏な街、戦争が起こる大地、化学の発展した地帯、それらすべてを七人の魔女によって分けられることになった。
彼らは元は人であり、少女である。しかし、突然魔法という力を手に入れ暴れだしたのだ。
とあるものは今までの復讐による殺戮的行動、別のあるものは遊びを含めた独裁活動、七人の少女を見るや否やすぐさま民は魔女と言う名で呼ぶようになった。
七人の魔女は、全員が特別な光によって力を授かった。その経緯は不明であり、それぞれ誕生の日もことなっている。少女は力を手に入れてからは年を取らず、見た目も変わらず魔女となって君臨し続ける。この醜く歪んだ世界を一つにしようとし、少女たちは立ち上がり七国を築いた。
しかし、元は人であり少女である。年端もいかないものたちに国を動かすのは到底不可能な話であった。
そんな悩みに悩んでいるときに魔女を補佐するものたちが現れた。彼らも同じように魔法による力を持っているが、魔女ほどの強大さはなく、ただ身を守れるほどのもの。それも七人。
運が良いのか悪いのか、それぞれにつき従うことになる。それからというもの、魔女が作る国の悲惨さはなくなっていく。
それも長くは続かなかった・・・
力による決定的差を求めようとしたものが現れた。それに対抗するものも現れ、挙句に戦争に発展した。その悲惨なる光景や無意味な行動に対し異議を唱え、魔女条約を制定したものが現れた。
『傲慢の魔女 ―― ルーシィ ――』
彼女は、魔女による戦争をなくそうと考え、今まで築いていた平和な世界を作ろうと志願した。同時に他の魔女に対し力を行使する。それは、絶対的なものとされ、それ以来魔女たちの戦争の大きさは小さきものとなっていった。
争いがなくなれば、平和になるかと思われたが、そんなことはなく貧困で飢え、死に絶えるものも現れた。そんなとき上空に一つの光の玉のようなものが落とされた。それは、魔女たちがうけたものと似たようなものとされており、興味を抱くものも現れた。
しかし、魔女の誰もがその光に向かうことはしなかったのだ。
様々な感情が渦巻き行くことができなかったというのが妥当なのかもしれない。それは彼女たちだけが知ること。
流れる光は森に向かって落ちていく、魔獣たちが住まう暗い場所へと落ちていく。
ある少女はそれが人だと確信し向かって行く、一人で何も持たずして流れるように光の方へと進んでいった。なぜそのような衝動に駆られたのか? それは本人にもわかってはいない。ただ希望の光と感じて思うままに光が落ちる場所へと進んでいったのだった。