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7.初めての朝?

翌朝、日が昇って少しばかり経った時間だと思うが、

ソファーで布団をかぶって寝ているところを、ネテリアに起こされた。

昨夜の事は、彼女にとっても結構な負担だったらしく、

それまでの気疲れの分もあってか、

そのまま朝まで寝入ってしまったらしい。


後で聞いた話だが…

朝、鳥の声で目を覚ますと、

心当たりのないベッドの中で素っ裸で布団に包まって寝ている自分を発見して、

大層驚いたのだそうだ。


まぁそうだろうとも…

どこまで覚えているのかは知らないが、

直前までの記憶が明瞭に残っているのだとすれば、

昨夜、浴室で俺の何を凝視して、

テンパった挙句に気を失って、

次に気が付いたらベッドの中で素っ裸で寝ていた、

と言う形になっているはずだ。


当然、気を失った自分が自力で移動出来たはずも無く、

俺が運んでくれたんだろうと判断したまでは良いが、

浴室では最低限の薄衣は纏っていたはずなのに、

起きてみればすっぽんぽんだ。


何かがあったんだろうと言う結論に達したとしても、

さほどおかしくはない。


しかし、その割にそこからの痛みを感じない。


していないんだから当然な訳だが、

彼女にしてみれば、されたと思い込んでいる訳で、

初めての時は大層痛いものだと聞いていたのに、

どうしたのだろうと思ったそうだ。


何よりも、初めての記憶が全く無いと言うのは、

女としてかなり不本意な話だ。


赤くなったり、青くなったり、散々身もだえした後、

意を決してベッドから起きだしたのは良いが、

完全にすっぽんぽんで、パンツ一つはいていない。


取りあえず、シーツを体に巻き付けて、

脱衣所に移動し、

身なりを整えて、

一落着きしたところで俺探しを開始。

さして手間をかける前にソファーで寝ている俺を見つけて、

俺を起こそうとしたところで、

気が付いたらしい。


なんと挨拶したらいいのだろうか?


いや、それ以上に昨夜の事をなんと聞いたらいいのだろうか?


『昨夜、私といたしましたか?』


そんな事を聞ける訳ない!!!


真実を知りたい!

何があったのかをしっかり聞きたい!!

のに、聞く勇気が全く湧いてこない。

僕の務めを果たすため、意を決して浴室に向かい、

ご奉仕をしていたはずなのに、

ご主人様の体(の一部)を見た途端、

テンパった挙句に気を失ってしまったのだ…


挙句の果てに、その後、私の体をどうにかしましたか?

などと聞けるはずもあるものか!


そんな思考の堂々巡りで、

更にかなりの時間逡巡していたらしいのだが、

昼の2刻(朝の終わりで一般的には仕事を始める時間)を告げる鐘の音を聞いて、

これ以上は、と意を決して、俺を起こす事にしたらしい。


俺を起こした後で、何やらモジモジしている…


その様子から、どうやら、俺に何か聞きたい事があるらしいと察する事が出来た。

いや、前後の状況を判断すれば、大体は、何を聞きたいのかは判るんだけどね。


別に素直に教えてあげても良かったのだが、

あの状態まで行った上でのお預けは、

俺的にもかなりキツイものがあった訳で、

ちょっとした復讐心と言うか、いたずら心が湧いてきた。


そこで俺は、ソファから体を起こしながら彼女に向けて手を伸ばし、

彼女を抱き寄せて、

 

「あぁ、おはよう、ネテリア。

良い朝だね。

体は大丈夫かい?

君があんなに情熱的だったとは知らなかったよ。」


と耳元で囁いて、頬に軽くキスをした。


うん、嘘は言って無いな(笑)。

ついでに、頬へのキス位なら、近しい間柄の人への挨拶で許されるレベルの行為だったはずだし(笑)。

うん、同じ家に住んで寝起きしてるんだから、近しい間柄で良いよな(笑)。


これを聞いて、彼女は、昨夜の事を完全に勘違いした様で、

一瞬顔面を真っ赤にしたと思ったら、

直ぐに蒼白にして、

体からきしみ音でも上げそうなぎこちない動きで俺を見上げてきた。


あ~ぁ~、半泣きだよ。

それを見て俺は、この罰ゲームを終わりにする事にした。

まぁ、あまりからかっては可哀想だしね。

どうせ、ダーレス辺りの入れ知恵に従って行動しただけなんだろうし。


それでも、彼女の錆びついたブリキのおもちゃ様な動きを暫くの間堪能し、

笑いの衝動が収まったタイミングで彼女を安心させてあげる事にした。


「あ~、その、なんだ。

うん、多分そう言う事を気にしていると思うんだが…

心配する必要は無い。


ダーレス辺りに吹き込まれての事だったんだろうが、

安心して欲しい。


少なくとも、俺は、テンパッた揚句に気を失ってしまった処女を相手に、

そのままいただく程餓えてはいないし、落ちぶれてもいない。


君は処女のままだよ。」


そう言ってあげると、

途端に、彼女はあからさまに安心した様な顔をしで、大きく息を吐いた。


ちぇっ


それを見て、このまま済ませるのもちょっと癪だったので、

 

「そうそう、ずぶ濡れのまま寝て、風邪をひいては可哀想だと思ったのでね。

 濡れた薄衣を剥いで、体を拭かせてもらったよ。

 なかなか素晴らしいおっぱ…、

 おっと、失礼。

 いや、これ位の役得は仕方ないよね。」


と言って、軽くウィンクすると、

彼女は顔を真っ赤に染め、両手で顔押さえながら身悶え始めた。


これはこれで、見ていて中々可愛いとは思うのだが、

今日は今日でそれなりに予定が立て込んでいる。


「さて、そろそろ朝食にしようか。」

 

そう言って、彼女を弄りつつ食堂に移動するのだった。

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