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3.協力者との邂逅

漸く4回目。

話の継ぎ目の関係で聊か短くなっていますが、次話を早めに投稿する予定ですので、ご容赦ください。

呼子に合わせて移動した俺がエントランスに着くとほぼ同時に、再び呼子が叩かれた。

扉の覗き窓を開け、何者かを誰何しつつ訪問者を確認すると、男女の一名ずつの二人組が立っており、エスタ教会からの使いだと回答が返ってきた。


来訪に謝意を表し、

居間らしき部屋に二人を迎え入れ、

お茶でもと思ったところでハタと気づいた。


とりあえず新しい住まいの検分自体はほぼ終わったとは言え、それすらも先ほど終わったばかりと言っていい状況だ。

せっかく訪ねてきてくれた協力者への供応がまともに出来るかと言うと、実に心もとない。

具体的には、部屋や家具等のざっとした配置などならば確認したが、湯呑やカトラリー、生活用品類の配置の具体的な記憶となるとさっぱりだ。


「申し訳ないが…」


と居心地が悪げに話そうとすると、そう言う状況であろうことを予め予想していてくれた様で、


「よろしければ…」


と逆に女性の方から申し出てくれた。

聞くとこの家や家具、生活必需品、消耗材などの手配自体、すべて彼らがしてくれたのだと言う。


恐縮しながらお茶の用意をお願いして暫く、

用意が整った所で、改めて自己紹介から始める事なった。


先ほど斜め読みした詳細資料にも、エスタ協会の外部協力者への対応は、タイプC(部外協力者への)のバリエーション2(自分より目下な立場の者だが相応の配慮は必要)とあったはず。

実習で行ったロールプレイを思い出しつつ、やや柔らか目でありながら上から目線って感じの対応を心掛け、改めて、二人の中で上役と思われる方、俺よりやや年上と思われる男性に向けて、


「改めまして、初めまして。

 ネイヴァより遣わされました、歌森将人カモリマサトと申します。

 よろしくお願いいたします。」


と挨拶した。

すると向こうも…


「こちらこそ初めまして。

 ドミサイルズの街のエスタ教会より参りました、助祭のダーレスと申します。

 この度、使徒様のこの地での生活に協力させていただく事になりました。

 よろしくお願いいたします。」


と挨拶を返して来た。

あぁ、やっぱり、俺の役どころは≪使徒≫なんだぁ、

などと心の中で頭を抱えつつ、


「サフキル様よりお話は伺っております。

 私がこの地の生活に慣れるまでの間、ご助力いただけるとか。

 ある程度、こちらでの生活に支障が無い程度には準備を重ねてきた心算ではおりますが、

 何分、こちらでの生活は初めてでして、

 こちら独特の習慣等、私が理解出来ていない事もあろうかと思います。

 何かにつけ、ご助力いただけると助かります。」


と申し添えた。

すると、


「かしこまりました。

 その件についてですが、教会上層部より、ある程度のお話を伺っております。

 幾つかデリケートな話もある様ですので、

 幾ら協会関係者とは言え、不特定多数の者が逐次協力申し上げる形より、

 専任者を設けて、専従的にご協力申し上げた方がよろしいかと思います。」


そう言って、ダーレス氏は、後ろに控えていたもう一人の人物を見上げた。

先ほど、お茶の用意をしてくれた女性だ。


「この者は、当教会で侍祭を務めております者で、名をネテリアと申します。

 修行中の身ではありますが、それでも侍祭として、協会内外の努めを十分に果たせる程度には

 修業を修めております。

 この者をあなたにお付けいたしますので、今後は、何事につけ、この者にお申し付けください。

 また、この者では対応が難しい事がございましたら、

 その時は、私を介して教会側にお申し付け いただければ、

 極力、ご意向に沿える様にご協力申し上げます。」


と俺に向けて話した。

そして、彼女に向けて、


「ネテリア。

 今後は、この方に従い、何事につけ誠心誠意お尽くし申し上げる様に。」


と言う。

すると、ネテリアと紹介された人物が、


「ネテリアと申します。

 不束者ではございますが、よろしくお願いいたします。」


と頭を下げた。

こちらも、


「ネテリアさんですね。よろしくお願いします。」


と挨拶を交わした。

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