第81話 「師匠」
裏設定
特級魔法解説
・硬化魔法→ヴァニラ・エルビアの特級魔法。
自らの体を硬化させる魔法。
ダイヤモンド程度の硬さまで硬化可能。
・風魔法→茅ヶ崎シャーロット愛梨/ヴィネの特級魔法。
風を起こす魔法。
風を利用し空を飛ぶこともできる。
「ふう、原稿上がりの一服は最高ね」
「お前タバコなんて吸ってたのか?」
「4年くらい前からね。どうしたのこんな朝早く」
「なあに、ゆっくり話そうと思っての。それに……今日が今生の別れになるやもしれんしな」
「そうならないと良いんだけど」
「感謝するぞベルフェゴール。あいつにとって良い経験になった」
「まあ、私も久しぶりに楽しかったわ」
「のうベルフェゴール、お前魔法省に来んか? お前の知識と腕は役立つと思うのじゃが」
「やめとく。やっぱり人間は好きになれないし、技術部門ならアルマロスがいるんでしょ?」
「まあの。しかしあいつとはどうにも折り合いが悪くてな」
「あなたらしいわね。さて、そろそろ朝食の準備をしましょうか」
「ああ」
◇
瞬く間に時間は過ぎて、もう年が明けてしまった。
明日から学校だ。
「世話になったな」
「いいえ」
そう、今日でベルフェゴールとお別れだ。
この修行を受けてくれたことには感謝の気持ちしかない。
「お礼といっちゃなんだけど、あんたの描いてる漫画買わせてもらうよ」
「そう、それじゃあ感想待ってるわ。今連載中のは27巻まで出てるから」
互いに笑みを交わす。
「そろそろ行くぞ」
「おう」
時刻は既に昼だ。
早めに帰って明日の学校の準備をしなければならない。
「元気でね」
「ああ、ありがとな……師匠!!」
俺の言葉に面を食らったような表情になる。
その後すぐに笑顔に戻り、人差し指と中指を立てた。
帰りの新幹線、俺はすぐに眠ってしまった。
キツい修行だったが、確実にレベルアップはできたし、何よりも明日が楽しみだった。
ようやくみんなと会えるから。
◇
2人が帰るのを見送ったすぐ後のこと。
「さあて、さっそく昨日のアニメの感想をブログに更新しないと――と、その前に」
家に入ろうとするベルフェゴールは足取りを止める。
その眼にとある人物を捉えたためだ。
「久しぶりじゃない」
「……いつ以来だっけ?」
「もう600年くらいは会ってなかったはずよ、アスタロト」
木陰から姿を現したのはアスタロトであった。
「2人がいなくなったのを確認してから転送してくるとは、初めからここの場所が割れてたということね」
喋りながらも周囲に目を配る。
周りには仲間と思しき人物は見当たらない。
「一体何の用?」
「……ベルフェゴール、私達の仲間になって」
緊迫感が2人を包む。
鳥が一気に飛び立っていくほどだ。
「断る、と言ったら?」
「……分かった」
「はい?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
予想していなかった返答だったからだ。
「あなた、私を連れてくるように言われてるんじゃないの?」
「……私にはどうだっていいこと。じゃあね」
そう言い残しアスタロトは翼を広げ飛び立っていった。
周囲には黒い羽根が落ちている。
「何を考えてるの……?」
◇
3学期初日、まだまだ寒さが残る朝をいつものルートで登校していた。
今日はすぐに終わるからまだいいが、学校自体は面倒でしょうがない。
「さあて、終わったらベルフェゴールの漫画でも買いに行くか」
重い体を何とか動かして学校へ向かう。
「櫻津君」
俺を呼ぶ声に反応し、すぐさま振り返る。
「おかえり……!」
そこには久しぶりに会うみんなの姿があった。
「よう」
ふと気付くと笑顔になっていた。
みんなの姿を見たから。
「ただいま!」
閲覧ありがとうございます。
最終章が間近なので、ちょっとした企画をやってみようと思います。
本作のキャラの中で“メインの話が見たい”というキャラがいましたら、感想に書き込んでください。短編で外伝的なものを描いてみようと思います。(来ると良いなあ……)
みなさまのご意見お待ちしております(^O^)
感想、評価、レビュー、ブクマ大歓迎です。
次回もよろしくお願いしますm(__)m




