第79話 「修行開始」
悪魔紹介18
【べルフェゴール】
七つの大罪の怠惰を司る悪魔。
悪魔達の議論に決着をつける為にベルフェゴールが「幸福な結婚の実在」を地上に行き探すという話があり、観察の結果幸福な結婚は夢物語に過ぎないことを確認する。
また便利な発明品を人間に与えることで堕落させるというともされる。
・個人的にはべルフェゴールは結構元のネタを活かしたキャラになったと思います。
べルフェゴールのとある絵にちなんで漫画のネタを考える時はトイレで考える、という設定があったのですが、悪魔にはトイレにいかないのでやむなくカットしました。
「――っていうわけなんだ。ごめん叔母さん」
『まあ良いけど、気を付けてね』
「うん、春休みには絶対帰るから。ありがとう」
叔母さんに電話をかけ、冬休みは帰れないことを伝えた。
友達の家に泊まりに行くという理由で何とか納得してくれたが、嘘をついてしまったことに後ろめたさを感じている。仕方のないことだが。
ごめん、叔母さん。
◇
朝食を済ました後、早速俺の修業が始まった。
「さて、あなたの修行の方針だけど」
「お、おう」
山奥に場所を移し、話しをする。
12月の長野は途轍もない寒さだ。
「昨日調査したあなたのデータを見てルシファーと考えたのだけど、あなたにはこの約2週間徹底して魔法の特訓を積ませた方が良いという結論になったの」
「というと?」
「あなたの魔力なら2週間徹底的にやれば上級魔法を使いこなせることも可能なはずよ」
上級魔法……今までの俺が到達していない領域だ。
「上級魔法だけじゃなく特級魔法も使いこなせるようにしておきたいな」
ルシファーが口を挟む。
「それができれば奴らとの戦いもかなり有利になるはずじゃ。できそうか? ベルフェゴール」
「なら今の予定に3割増しになるわね」
おいおい……マジですかい。
と言いたいとこだけど――。
「おう、やってやろうじゃねえか!!」
意気揚々と答える。
どんなに厳しくとも投げ出さないと言ったからな!
「じゃあ、転送魔法10回を5セット。その後に変化魔法3回10セット、最後に特級魔法10回10セット。今日からこれを毎日やってもらうわ」
ええ……マジですかい……?
「マジですか、ベルフェゴール……」
その直後、俺の頭に竹刀が直撃した。
「いだああ!」
「私のことは師匠と呼べ!」
修行の前に力尽きちまうぜ……。
まだ視界がグラグラしてるぞ。
「うう、こんなんじゃ先がもたねえぞ……」
「つべこべいわずにさっさとやる!!」
「だー!! わーったよ!!」
その日、俺は言われたメニューを何とか乗り切ることができた。
もっとも転送魔法を扱いきれずに北極に行ってしまったり、変化魔法で変化した姿に笑われたりと散々だったのだが。
夜になると疲れ切っていたためか、すぐに眠りについた。
過去最大級に疲れた日だったな今日は……。
◇
「どう、様子は?」
「ぐっすり眠っとる」
「まあ仕方ないわね。1日にここまで沢山魔法を使ったのは初めてでしょうから」
「うむ。しかし今回の修業の申し出はお前に頼んで正解じゃったな。あいつにとって良い経験になるぞ」
「そう言ってもらわなきゃ、受けた甲斐がないわよ」
「ああ、感謝しておる」
「そりゃどうも。けど、私を頼ろうと思った理由は? 魔法省ならメフィストや他の悪魔がいるでしょ?」
「なるべく強い悪魔を頼むとあいつが望んだんでな。アザゼルは未だに幽閉されとるし、アモンやベルゼブブはどこにいるのやら」
「そう」
「それと、私からも1つ頼まれてやってくれんか?」
「何を?」
「これを見ろ」
「これは……!?」
「相手はあの大馬鹿じゃ。私とて無事で済むか分からん。じゃからベルフェゴール、私にもしものことがあったら明日夢を頼む。なんなら契約しても構わん」
「……本気?」
「ああ。あの大馬鹿を止めるのは私でもうまくいくか分からんからの」
「ルシファー、あなた……」
「心配するな。例え刺し違えてでも、奴は私が倒してみせる」
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