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契約悪魔と魔法使い  作者: 高橋響
第四章「インド神話編」
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第71話 「究極」

 結界の外にいる者達は全員悔しさを胸に秘めていた。

 自分達にできることはなにもない、そう思えば思う度に悔しくてたまらなくなるのだ。


「私達はもう何もできないッスか……」

「助けにいくこともできないなんて……」


 延々続く殴り合いにただ悔しくて身を震わせる。


「俺だって同じ気持ちだ」


 レオンがヴァニラとシャーロットの頭に手を乗せる。


「レオンさん……」




 結界の中では未だにパンチの応酬が繰り広げられていた。


「ぐっ! がはっ!! ごふ!!」

「ぶ! ぐはっ!! がっ!!」


 ダメージを喰らいながらも明日夢サタンとシヴァは互いを殴り続ける。

 雨あられのように拳を受け、しかしその目は相手から一切逸らさない。


「シヴァにあそこまで渡り合えるとは……」

「ましてや素手でなんて、神々でもほんの一握りしかいないはず……それをあの悪魔が……」


 ブラフマー、ヴィシュヌ共に目を疑っていた。

 自分達インド神話の強さに絶対的な自信があるからこそ、彼らは目の前で起きている戦いが信じられなかった。


「あの悪魔、噂通り只者じゃないぞ」



 直後、ついに均衡が破られた。


「ぐはっ……!!」


 シヴァの一撃を胸部に受けた瞬間、明日夢サタンの動きが止まる。

 前のめりに倒れこみ、シヴァに体を預けるような体勢になった。


「櫻津さん!!」

「小僧!!」



「流石は悪魔王といったところか、けどここまでのようだね」








「だ~れがここまでだって?」

「何!?」


 明日夢サタンは突如シヴァの肩に噛み付く。


「ぐあああぁ!!」



 明日夢サタン顔を思い切り引き離すと、口から何かを吐き出した。


「クッソ不味いもんだな、神様の肉はよお!!」


 シヴァは肩を抑えているが、血が留めなく流れ出ている。

 口を血まみれにしながら高笑いする明日夢サタンに皆悪寒のようなものを感じていた。

 


「サタン……貴様ああァァァ!!」

「来いよ……シヴァァぁぁぁ!!」



 シヴァは飛び膝を仕掛ける。

 間一髪でかわした明日夢サタンはシヴァの頭を掴み、体ごと地面に叩き付けた。


「ぐ……!」


 さらにその状態のままシヴァを投げ飛ばす。

 投げ飛ばされながらもシヴァは体勢を整え、足元の石を投げた。

 石はかなりの速度で明日夢サタンの腹部を直撃し、明日夢サタンはその場に膝を付く。



「う……ぐ!」


 苦痛で顔を歪める明日夢サタンにシヴァは続けてボディブローと右ハイキックを見舞う。

 さすがの明日夢サタンもその場に倒れてしまった。



「櫻津さん!!」

「シヴァの奴……もう止まらんぞ!」



 息を荒くし、ただ立ちすくむ。

 極限の戦いで体力をかなり消耗していたためだ。


「立て、サタン。魔力がなくても私に勝てる者などいない、それを証明してやろう!」



 その言葉に反応するように明日夢サタンはヘッドスプリングで起き上がる。

 決して余裕はなかったが、その表情には笑顔があった。


「面白え、勝負はこっから――」



 それは突然のことだった、明日夢サタンの動きが止まったのだ。

 皆この状況が飲み込めずにいる。


(なんだ?)



 明日夢サタンの膝が崩れ、頭を抑え始めた。

 益々何が起きたのか分からず困惑している。



「クソガキ……起きやがったか……!」


 明日夢サタンはその場でよろめきだす。


「クソガキ?」

「どういうこと?」

「一体何が……」



 その答えは精神空間にあった。






「オイコラ……














人の体で何やっとんじゃああぁぁぁ!!」


閲覧ありがとうございます。


長かったインド神話編もゴールが見えてきました。

一応その後に番外編を予定してます。

決定ではないですが、まだ登場してない神や悪魔を出したいと思ってます。


感想、評価、レビュー、ブクマ、大歓迎です。

次回もよろしくお願いしますm(__)m

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