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契約悪魔と魔法使い  作者: 高橋響
第四章「インド神話編」
52/126

第51話 「それぞれの思い」

キャラクタープロフィール30


ヴィシュヌ

・誕生日:不明

・好きなもの:メロン、水浴び

・嫌いなもの:肉、喧騒

・趣味:フルート演奏

・特級魔法:???

・インド神話の維持の神。

正妻はラクシュミー。しかし実は妻が17000人もいる。

 土砂降りの雨の中、傘もささずに裏路地にいる2人の男性がいた。


「トリムールティやその他の神々が人間界に来るのは時間の問題だ」

「そうなったら俺達も隠れられなくなるぞ」

「ならば取る道は1つだな」


 互いの意志を確認した2人は、光を放ち姿を消す。





「つまりこの文において、筆者が一体何を伝えたかったのか。それを――」


 何故国語の授業はこんなにも退屈なのだろう。

 今日は久しぶりに寝ないでいるが、俺はその選択を全力で後悔している。


「えー、今度の期未テストでは――」


 そうか、もうすぐテスト期間か。

 けどやる気出ねえな。



 適当に先生の話を聞いていると、チャイムが鳴った。

 今日の学校はこれで終わりだ。


 ホームルームも終わり、お待ちかねの下校タイム。


「さてと、帰るか」

「あーあ、バイト面倒くせえ……」


 隣の松木が項垂うなだれている。


「じゃあな」

「おう」


 軽く言葉を交わし、松木と別れる。



 こうして何気ない日常を過ごしていたけど、正直に言うと頭の中はインド神話の悪魔、ヴリトラとアンダカのことしかなかった。

 今のところは何も起こっていないが、いつどこで奴らが行動を起こすか分からない。

 そう思うと勉強なんて到底手につかなかった。まあ、いつもだけど。



 例のごとく、屋上へ極秘に入る。松木がいない時だけ俺もみんなと一緒に帰っているわけだ。


 正直ここに来る度、未だにサバトをした時のことを思い出す。


「インド神話?」

「ああ、インド神話の悪魔が人間界に来たらしい。で、それを追って神様達が来たってわけよ」


 俺とルシファーで今回の事情を説明した。

 やはり簡単には受け入れられないようで、各々困惑しているようだった。


「そんなことが……」

「俺も信じられないけどよ。実際に主神と温泉に入ったんだ」


 神様と温泉に入ったなんて、俺が人類唯一だろうな。


「その悪魔っていうのは誰なんスか?」

「ヴリトラとアンダカっていう奴ららしいんだけど、お前ら知ってるか?」


 俺の問いに首を縦に振る者はいない。


「じゃあ、私達にも何かしらの指示が来る可能性があるってことかしら?」

「間違いないじゃろう。少なくともお前にはな」


 ルシファーが俺を見て言う。


「俺? 何故だ?」


 ルシファーがニンマリと笑う。





「私が契約悪魔じゃからじゃ」




 帰宅してから数分後、俺の家のテーブルの上に資料と数冊の本が置かれていた。


「ルシファー、これは……」

「私がアイラに頼んで取り寄せてもらった資料と、魔法に関する本じゃ」


 一体どれだけの量になるのだろうか。

 一冊がかなり分厚い。


「今からお前にはこれを読んでもらう」

「これを!?」


 教科書すらまともに読む気も起きないんだぞ、こんなに分厚い本なんて到底読む気力もない。



「な、何でこんなもん読まなきゃいけないんだよ!?」

「たわけ」


 本の角を俺の頭にぶつける。

 超重い一撃だぜ。


って……お前なあ!」

「よく聞け! これから戦う相手は間違いなく強敵じゃ。しかしお前は未だに上級魔法も使えん。だから私が徹底的に鍛える!」


 その答えがこれか?


「だったら魔法の練習だけすれば良いんじゃないのか?」


 俺の言葉にルシファーは大きなため息をつく。

 “やれやれ”とでも言いたそうな表情だ。



「よいか明日夢、戦いとは腕っ節の強い者が必ず勝つわけではない。どれだけ力があろうが、頭が良くなければその力をフル活用できん」


 言われてみれば、理に適ってはいる。

 確かに俺は魔法を理解できていない部分は多い。


「魔法や体術の特訓はあいつらに一任する。私がお前に施すのは座学じゃ」

「トホホ……」

「さあ、早速始めるぞ!」


 ルシファーの指導の基、俺の勉強会が幕を開けた。




 ホテルの一室、ベッドの上で横になる男女。

 シヴァとその妻、パールヴァティーである。


「良いホテルだね」

「ええ。本当は観光で来れたら最高だったのだけれど」


 2柱は手を繋ぐ。


「早くヴリトラとアンダカを確保しなきゃな」

「そうね……」


 シヴァの表情はどこか重い。



「心配しなくてもいい、アンダカは何が何でも捕まえる」

「ごめんなさい、私が悪いのよ……」


 パールヴァティーは悲しみに満ちた顔をしている。

 それを見たシヴァは、そっとパールヴァティーを抱きしめた。


「君のせいじゃない」

「あなた……」

「2人を捕まえて帰ろう。ガネーシャも私達の帰りを待っているしな」


 シヴァはパールヴァティーの頭を優しく撫でる。

 そして互いに強く抱きしめ合うのだった。

閲覧ありがとうございます。


今回は間回?でちょっと短めです。

次回から話が動きます。


感想、評価、レビュー、ブクマ、大歓迎です。

次回もよろしくお願いしますm(__)m

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