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契約悪魔と魔法使い  作者: 高橋響
第四章「インド神話編」
49/126

第48話 「神、来訪」

キャラクタープロフィール27


櫻津晴香

・誕生日:6月2日

・好きなもの:麻婆豆腐、ビール、飲み会

・嫌いなもの:チーズ、月曜

・趣味:睡眠

・明日夢の叔母。年齢は30。独身。

数年前に明日夢を施設から引き取った。

とある会社の係長にまで出世している。

 魔法省の長官室に3柱は通された。

 コーヒーを淹れるアイラは、内心では目の前の神々に高鳴りを覚えている。



 膝立ちの状態でコーヒーを置く。


「どうぞ」

「これはこれは、ありがとうございます」


 神の1柱が笑顔で礼を言う。その男性は黒髪のマッシュカットで、緑を基調としたシャルワニを身につけていた。

 その名を維持の神ヴィシュヌという。


「中々の味だな、気に入った。君、儂の嫁になってくれんか?」


 左隣に座る老人がアイラの顎を優しく触る。

 白い髭を蓄えサングラスをかけ黄色のシャルワニを着た老人、その名は創造の神ブラフマー。


「い、いえ……」

「君なら儂の正妻には及ばんが2番手くらいにはなれるぞ!」


「やめろブラフマー」


 ヴィシュヌの右に座る男性は若い容姿だが、落ち着いた物腰で大人びていた。

 銀色の髪、黒のシャルワニ、青い瞳。

 この男が破壊の神にしてインド神話の主神、シヴァである。



「それで、頼みとは何でしょうか?」


 咳払いをしモリガンが口を開く。


「おっと、話が逸れてしまったね。頼みについて何だが……」


 シヴァが手を前に出す。


「ヴィ・エイ・ヴィージョ」


 呪文を唱えると魔法陣が手の前に出現する。

 その魔法陣の中央に2人の男性の顔が映し出された。


 1人はウェーブがかかった黒髪が左眼にかかるほどのツイストパーマに吊り目の男性。

 もう1人は黒い髭が特徴的な茶髪の男性であった。



「この2人の確保に協力してもらいたい」

「誰ですかな、この2人は?」


 グレゴリーが目を凝らし映像を見る。


「君達の世界では悪魔とされる奴らだ。儂らは“アスラ”と呼んでいる」

「黒髪の方がヴリトラ、茶髪の方がアンダカです」



「何故我々に協力を?」


 アイラが思い切って神々へ問う。


「この2人が人間界へ逃げ込んだのだ。我々だけでは人間達の世界に関与するわけにはいかないし、こいつらも魔法を使ってくるからね」

「しかし、悪魔達は人間と契約しない限りは魔法は使えないはずでは……?」


 アイラの疑問にブラフマーが答える。


「それはあくまでも人間界にいた悪魔の話だ。儂らインド神話には全く関係がない」



「もし――」


 シヴァの言葉に全員が耳を傾ける。


「もし奴らを確保する協力をしてくれたなら、私達から2つ報酬を与えよう」

「2つ?」


 周囲を気にすることなく、淡々とシヴァは話し続けた。



「1つは人間界の永遠の安全だ。私から他の神話に掛け合えば不可能なことではない」


 その条件にアイラは緊張に包まれ唾を飲む。

 永遠の安全などと平然と話してくる、それが目の前にいるのが神であることを実感させていた。


「では……2つ目は?」


 グレゴリーの問いに軽い笑みを浮かべ答える。








「人間界からの悪魔の抹消さ」


「なっ……!」

「何を言ってるのですか!」


 さすがのモリガンも、この条件には驚きを隠せずにいた。

 唯一、グレゴリーだけは一切冷静さを崩すことなく話を聞いている。



「それは、どういうことですかな?」

「簡単な話さ、人間界から悪魔がいなくなれば争いは減る。我々も奴らには大分借りがあるしな」


 シヴァはそう言うとコーヒーを口にする。

 その間も笑みを崩すことはない。


「うん、美味しいね」


 3柱の神の表情は全く変わらないが、アイラとモリガンは緊張感を高めていた。








「分かりました」


 長い沈黙の後、グレゴリーが口を開く。


「長官!?」



「そうか! そりゃありがた――」

「ただし、2つ目の報酬はお断りさせていただきます」


 その言葉に神々は驚きの表情を見せている。


「……どういうことか聞かせてもらえるかな?」


 シヴァは表情を重くし話し始める。


「ヴリトラとアンダカの確保には協力しましょう。しかし我々にとって悪魔は大事な存在です、抹消など望んでおりません」


 グレゴリーの言葉にアイラは口元をゆるめた。

 しかしヴィシュヌとブラフマーは立ち上がり意義を唱え始める。


「我々の報酬を断るというのですか?」

「儂らに意見するとは、身の程を――――」



 ブラフマーの言葉をシヴァは手を差し出し止めた。


「シヴァ! しかし……」

「落ち着けヴィシュヌ。確かに我々の意見を一方的に押し付けるのは良くない」


 シヴァは再び笑みを浮かべ話を続ける。


「それに北欧のオーディンやオリュンポスのゼウスに比べれば彼は話が分かる」


 シヴァの一言でブラフマーもヴィシュヌも渋々ながら引き下がった。



「では2人の確保に協力してもらってよろしいかね。こちらからも援軍を送るつもりだ」

「分かりました」

「ああ、それからもう1つ」


 シヴァは思い出したように指を鳴らす。


「我々はしばらく人間界にいるつもりだ。できればホテルを用意してもらえるとありがたいのだが」

「分かりました。人間界の最高クラスのホテルを用意いたしましょう」


 グレゴリーとシヴァが握手を交わす。

 それを見つめるアイラとモリガンの顔は不安気であった。

 



「あ、それとだね」

「何でしょう?」





「ルシファーに会えるかな?」

閲覧ありがとうございます。


インド神話編開始です。

これから様々な神が登場する予定なのでご期待下さい。

シャルワニは民族衣裳なのでよろしければ画像検索してみて下さい。


感想、評価、レビュー、ブクマ、大歓迎です。

次回もよろしくお願いしますm(__)m

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