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契約悪魔と魔法使い  作者: 高橋響
番外編
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第38話 「悪魔会談」

 俺は今、魔法省の食堂でカレーを食べている。

 ここには初めて来たがメニューは世界各国の料理があり、値段も手頃で俺はすっかり魅了されてしまった。


 俺が今いる席は4人席。隣ではレオンさんがスパゲティを、俺の向かいではシャーロットがビーフシチューを、さらにその隣ではアイラさんがボルシチをそれぞれ口にしていた。


「ここ凄いですね」

「ま、食堂っていうにはレベルが高過ぎるわな」


 こんなに凄いならもっと早く知りたかったな。


 向かい側ではシャーロットとアイラさんが談笑していた。


「じゃあ、アイラさんはサウサンプトンの出身なんですか?」

「ええ。今も住んでるわ」


 アイラさんのあんな顔初めて見るな、楽しそうだ。


「私はレスターの生まれです」

「そうなの?」

「はい、11歳まで住んでました」


 シャーロットも生き生きしている。

 この2人、仲良くなってるんだな。


「私、ちょっとコーヒーを入れてくるわね」

「あ、私も行きます!」


 2人はドリンクコーナーへ向かう。

 その間も楽しそうに話していた。



「アイラのあんな顔、久々に見たな」


 レオンさんも意外な様子だ。


「シャーロットは日本人とイギリス人のハーフですから。気が合うんじゃないですかね」

「なるほどな、あの子結構気に入られたな」


 性格は真反対な2人だが、完全に意気投合している。



「良かったら今度私の家に来る?」

「良いんですか?」

「ええ。家はイフリートしかいないし、たまにはイギリスに里帰りしてみたらどう?」

「ありがとうございます!」


 戻ってくる時もこんな感じだ。

 微笑ましいぜ。



 さて、何故俺達4人が食堂にいるかというと今日、魔法省で“悪魔会談”なるものが開催されるからだ。

 聞いた話では魔法省所属の悪魔が一堂に会し、悪魔内での対応や今後の対策を話し合うのだそうだ。


 何故今回これが開かれるのか。それはベリアルが謎のテロ組織に所属していたことが明らかになりテロ組織に所属している悪魔がいること、しかもベリアルクラスの悪魔が所属していたことから他にも強力な悪魔が所属している可能性があるということで対策を話し合うことになったのだそうだ。


 そして契約悪魔が会談に参加するため俺達は食堂で昼食を摂りつつ、時間を潰しているというわけだ。


「けど悪魔が一堂に会するって結構凄いんじゃないですか?」

「まあそうだけどな。それ以上に問題が起こる方が心配だ」


 問題?

 過去に何かあったのだろうか?


「どういうことですか?」

「血の気の多い上に我の強い悪魔が揃うから毎回喧嘩するやつがいるらしくてな」

「いつもどこかしら破壊されてるのよ」


 破壊って……。

 悪魔達、大丈夫なのか?


 まあ俺の契約悪魔は心配ないけどな。




 悪魔会談の開催場所は魔法省第6会議室であった。

 そこへ向かう廊下をルシファーとヴィネが共に歩いている。


「ルシファー様、悪魔会談とはどのようなものなのですか?」

「そうか、お前は初めてじゃったの」


 魔法省に長く所属しているルシファーはもう4回目であり、皆勤賞であった。


「面倒な奴らが多いからの。何事もなければ良いのじゃが……」



 扉を開けようとした瞬間、大きな音と共に近くの壁が突如破壊された。

 壁には大きな穴が空き煙が出ている。


「何事ですか!?」

「誰か暴れておるな」


 2人は煙を手で払いながら部屋に入る。

 中には既にほぼ全ての悪魔が揃っていた。


 その中で対峙する2人の悪魔。

 1人は長くボサボサの髪、髭もまともに剃っていない筋肉質な黒のタンクトップの悪魔だ。


「お前、いつから俺にそんな口聞けるようになった?」


 もう1人は中性的な顔立ちでサラサラの茶髪ショート、服装もファッション誌に載っている若者風の悪魔であった。


「君が僕の肩にぶつかったのが悪いんじゃないか。そのせいで服が汚れたよ」


「コーヒーをこぼしたのはお前のミスだろうが」

「その図体じゃあスリムな僕は見えなかったのかい?」


 互いに睨み合い周囲に緊張感が漂う。


「あれは……、グーシオンとインキュバスか。まったく、しょうもない奴らじゃの」


 ルシファーは2人の方へ向かう。


「その辺にしておけ、グーシオン、インキュバス」


 ルシファーが間に割って入ると、グーシオンとインキュバスの目線が下を向く。


「ルシファーさん!?」


 ルシファー配下の悪魔ではないがグーシオンはルシファーを見た瞬間お辞儀をする。


「お前らが争ってどうするんじゃ、馬鹿者。早く席に着け」


 ルシファーの一声でグーシオンとインキュバスは共に退散し席に着く。

 他の悪魔達も同様に席に座り始めた。



 第6会議室はステージに向かい半円形で席が取り付けられている。座席数も悪魔達が全員座れるほどだ。



「ちょっとルシファーちゃん」


 肩まで伸びたピンク色の髪が特徴的な女性の悪魔がルシファーに声をかける。

 ルシファーを呼び止めると、女性は頭の上に胸を乗せてきた。


「やめろサキュバス」

「んもう、あたしの大事なインキュバスちゃんに厳しすぎよ?」


 ルシファーの頭にさらに胸を押し付け重圧をかける。


「バカップルめ……」


 呆れ顔のルシファーとは対照的に、サキュバスは楽しんでいるような表情だった。



 全員が着席し、会談が開始される。

 メフィストが壇上に立ちマイクを持つ。


「さて、それじゃあ――」

「待て、何故お前が司会をする?」


 異議を唱えたのはイフリートだった。


「そりゃ俺しかいないでしょ。何たって長官の契約悪魔だし」


 メフィストが答えるが、途端にブーイングの嵐になった。


「目立ちたいだけだろ!!」

「お前なんかに務まるか!」


「おっと、目立ちたいだけってのはともかく、俺じゃあ務まらないだって?」

(目立ちたいのは否定しないのじゃな……)



「ま、お呼びじゃないってなら譲るけど?」


 そう言うとメフィストはマイクを放り投げ席に戻る。


「もういい、時間の無駄だ。アルプ! お前が司会をしろ!」


 イフリートが大きな声で指名する。


「私で良いのですか?」

「他に適任者はいないだろ」


 この意見には反対する者はおらず、アルプは司会を引き受け壇上に立つ。

 


「それでは今回の案件を。まず先日のテロ行為を行なった組織について」


 アルプがパソコンを使いスクリーンに詳細を映す。


「現在テロ組織に所属していることが確認されたのはベリアルとアンラ・マンユの2名です。しかし両名共死亡が確認されています」

「ベリアルがいたということは奴の仲間達もいる可能性が高いな……」




 悪魔達の会談は時間は決して長くなかったものの、様々な意見が飛び交い熱い議論を交わしていった。


「他に何かある方はいませんか? なければ以上に――」

「アルプ」


 アルプの言葉を遮ったのはルシファーだった。


「奴は今どこにいる?」

「奴……とは?」


 アルプ以外にも何人か思い付かずに困惑している。




「あいつしかおらんじゃろ」



 会談が終わった連絡を受け、俺達は第6会議室へ向かった。

 そこには悪魔達とその契約者が大勢集まっていた。


「こんなにたくさんいるんですね」

「ここにいない人もいるから、本当はもっと多いはずよ」


 こうして見ると改めて思うのだが、魔法使いは一体何人いるんだ?



「あ、出てきた!」


 シャーロットの目線の先にはみんながいた。


「イフリート、メフィスト。一服やってかねえか?」


 レオンさんがタバコの箱を差し出す。


「お、良いねえ!」

「俺は遠慮しておこう。アイラが許してくれないしな」



 各々が自分や他の契約悪魔と雑談する中、ルシファーが俺の服を引っ張る。


「何だ、ルシファー?」

「明日夢、お前に伝えておこう」


 伝えておこう? 何のことだ?


「数週間後にある悪魔に会いに行く。私とお前だけでじゃ」

「ある悪魔って……?」


「これがかなり危険な奴でな。だが私達にしかできないんじゃ」


 ルシファーの顔はマジだ。

 その悪魔は相当ヤバいってことか。


「……で、その悪魔は何処にいるんだ?」


 ルシファーが答えた場所は予想だにしなかった場所だった。




「アイルランドじゃ」

閲覧ありがとうございます。


今回は新たな悪魔が3人も登場しました。

中でもインキュバスとサキュバスは思い切ってカップルにしてみました。


今回、筆者のお気に入りであるシャーロットとアイラの絡みがようやく描けたのが嬉しいです。

イギリス里帰り編、描けるなら是非とも描きたいなあ笑


ルシファーが言う悪魔とは誰なのか、悪魔に詳しい方ならアイルランドというだけで気づいたかもしれません。


感想、評価、レビュー、ブクマ大歓迎です。

次回もよろしくお願いしますm(__)m

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