第31話 「決戦の始まり」
キャラクタープロフィール21
モリガン・ル・フェイ
・誕生日:1月4日
・好きなもの:グラタン、研究
・嫌いなもの:レーズン、乗り物
・趣味:裁縫
・特級魔法:???
・契約悪魔:なし
・魔法省副長官。赤いウェーブのかかったロングヘアーが特徴。
42歳だがその年齢に見合わない若さを持っている。
魔法薬研究の第一人者で書籍も数多く出版している。
「よし、準備はいいな?」
「はい!」
あれから3日、ついに戦極との決戦の日を迎えた。
この3日間は全てトレーニングに費やし、学校も休んでいる。
毎日藤導の特級魔法を使うほどの過酷なトレーニングではあったがおかげで確実にパワーアップしたと思う。
「櫻津さん……」
心配そうな表情のヴァニラとシャーロットに優しく頭を撫でる。
「大丈夫だ、絶対帰るって約束しただろ?」
不安になるのは分かる。けど俺だって横浜での戦いから進歩してんだぜ。
「待ってるッスよ……!」
「私達もここで祈ってますから!」
ありがとな、お前ら!
「櫻津君」
「お前も心配すんなよ。俺は必ず戻ってくるから」
それに…………、お前との約束もあるしな!
「一緒には行けないけど、あなたが戦極を倒したら私もイースーター島へ向かうわ。どんな怪我をしても私が治すから」
「そりゃ、心強いな」
互いに軽い笑みを交わす。
「じゃあ……行ってくるぜ!!」
俺が拳を突き出すとみんなで円になり拳を合わせる。
「時間よ、行きましょう」
アイラさんの合図で俺は円を解きアイラさん達の場所へ向かう。
その時、俺の耳元に藤導が顔を近づける。
「櫻津君、あなたとの約束を果たす時、待っているから」
耳元で囁いた彼女の言葉は俺を奮い立たせた。
ここまで言われたら何が何でも勝たなきゃな。
「よし……やるぞ!!」
両手で頰を叩く。
超ヒリヒリするけど気合いは入ったぞ。
「レオンさん、お願いします」
「ああ、レ・テン・テレイル!」
俺はみんなに向かいもう一度拳を突き出す。
俺、ルシファー、レオンさん、アルプ、アイラさん、イフリートを転送魔法の光が包む。
◇
目を開けるとそこはモアイ像があった。
間違いない、イースター島だ。
戦極が奇襲を仕掛けてくる可能性もある、気を抜かないようにしなければ。
「おう、会いたかったぜ!」
モアイ像の影から2つの人影が姿を現わす。
月明かりに照らされ顔がハッキリ見えた時、俺の心に一気に怒りが込み上げてくる。
「俺も会いたかったぜ、戦極!」
そう、その人影の正体は戦極とベリアルだ。
俺の両親を魔法で殺したその仇、今日こそ取らせてもらう!
「数千年経ってお前と戦うことになるとはな、ベリアル」
「これもある意味、赤い糸ってやつなのかな?」
笑いながら答えるベリアルを見るルシファーの目は鋭く、冷たいものだった。
俺以上に長い因縁がこの2人にはあるんだよな。
「後ろのお二人さんも久々だね」
「ああ」
タバコに火をつけるレオンさんと戦極をただ睨みつけるアイラさん、二人共内心では俺と同じように戦極に対する怒りを燃やしているのだろう。
「お前がベリアルか」
「お噂はかねがね」
イフリートと悪魔の姿に戻ったアルプも険しい顔をしている。
「お前らは……誰だ?」
「俺達はこいつらの契約悪魔、イフリートとアルプだ」
イフリートが名乗るもののベリアルはあまり興味を示していないようだ。
「さあ、聞いたことないな」
適当な返事をしモアイ像に寄りかかる。
だがイフリートもアルプも冷静さを失ってはいなかった。
「なら覚えておくんだな」
「で、二人は何の用? もし加勢しようって気なら――」
「勘違いしないで、彼は上級魔法が使えないから私達がここに連れてきただけよ」
そう、二人はあくまでも俺のサポートだ。直接的には絡んでこない。
「どのみち加勢しようとしてもお前の仲間達が俺達を足止めするだろ?」
レオンさんの一言を機に、俺達の周囲に次々と奴の仲間が姿を見せる。
完全に囲まれた形になっちまった!
「そんじゃあ、お二人さんはこいつらの相手をしてもらおうか!」
戦極の仲間達が戦闘体制を取る。
「アルプ!」
「イフリート!」
「はい!」
「おう!」
アルプとイフリートが共に武器へ変形しレオンさんとアイラさんが身構える。
「櫻津君、奴は任せたわ!」
「必ず勝て! お前ならやれる!」
そう言い残し2人は敵陣へ向かっていった。
2人の思いにも答えなきゃな。
「さて、俺達も始めようか」
ベリアルが処刑鎌へ姿を変える。
「ルシファー!」
「うむ! いくぞ!」
今度はルシファーが剣へ変わる。
互いに準備はできた。
「いくぜ、戦極!」
戦極へ向かい走り出す。
同時に戦極も俺へ向かい走ってくる。
「「おらあ!!」」
剣と処刑鎌のつばぜり合いになり俺は最大限の力を出す。
両者共に離れ一度距離を取った。
俺は五感をフル稼動させ戦極の動きを見る。
気づくと周囲の音が全く耳に入ってこなくなっていた。
それだけ集中しているということだろう。
「キ・テラー・シヌス!」
俺は念力魔法を唱え戦極の足元の土を奴の顔めがけ飛ばす。
「クソッ……!」
どうだ? 俺の目潰しは?
悪いけど俺は勝つためには手段は選ばない。
「チー・クリサ・チェイス!」
鎖魔法を唱え戦極の足に鎖を巻きつける。
このまま引っ張って一気に決めさせてもらうぜ。
「ファ・ソーク・ドライブ!」
「しまった!」
この呪文は奴の特級魔法、加速魔法だ。
俺の鎖はいとも簡単に引きちぎられてしまった。
<明日夢、私の指示に従え!>
「ああ、頼んだぜルシファー!」
ルシファーは奴の動きが見えるらしい。前回もルシファーのおかげで怪我だけで済んだしな。
俺はあえて目を閉じる。
そして感覚を全てルシファーからの指示に集中させた。
そうでもしないと恐らく太刀打ちできないだろう。
<右斜め前じゃ!>
すぐさまルシファーに言われた角度を向き剣を振るう。
すると俺の剣と戦極の処刑鎌がぶつかり合う。
「何!?」
奴の驚いた顔を見るのが気持ち良い。
「この3日間修行してたんでね!!」
そう、俺は長官が造った加速魔法を持つ幻相手に3日間修行していた。
最初は反応することがやっとだったが今では攻撃を防ぐことくらいまでは出来る。
「なるほど……」
しかし戦極は尚も嬉しそうな顔をし続ける。
「この前とは比較にならないか……」
俺なりにずっと前から強くなろうとしてきたんだ。
それに……、みんなが協力してくれたからな!
「ククク…………」
何だ? 急に笑い出したぞ?
「嬉しいねえ……、さらに強くなってくれるなんて!! それでこそルシファーの契約者だ!!」
「この野郎……!」
俺達が浮かべている顔は対照的だ。
俺は怒りの表情だが戦極は下衆な笑いを浮かべている。
やはり俺達はどうやっても分かり合えない、俺はそう思った。
けど、それでいいんだ。
その方が俺は心置きなく、戦えるからな!
閲覧ありがとうございますm(__)m
今回、いよいよ戦極との対決に入りました。
一応これが第二章のラストバトルの予定です。
作品自体は第二章後も続きます。
次回もよろしくお願いしますm(__)m
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