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初めての遊覧飛行

「ねーねーなにがあるの?」


 街の外へ向かう間アールスはひっきりなしに僕の腕を取りしつこく聞いてくる。


「んふふ。内緒」

「もー! この間からそればっかり! レナスちゃんも教えてくれないしー」


 アールスは僕の腕をぶんぶんと振り回し始める。

 これには僕も思わず苦笑いしてしまう。祝賀会からずっとこんな感じだ。


「痛い。痛いよアールス」

「ちゃんと教えてくれないナギが悪いんだからね!」


 などとぷりぷりと怒っていてもちゃんと振り回しのをやめてくれる辺り素直だ。


「それにお母さんまで呼んでさ。少しくらい教えてくれたっていいのに」

「だから、今までになかった物を見せるって言ったでしょ?」

「そんなんじゃ分からないよ」


 ぶーたれながらナスの所へ行き僕に対しての文句をナスに言って同意を求めて困らせている。

 しばらくそのまま歩いているとナスが僕の方に逃げて来た。

 さすがに相手にしきれなかったらしい。

 アールスは残念そうにしている所を小母さんにたしなめられた。

 叱られ落ち込んでいる所に今度はフェアチャイルドさんが話しかけ仕事であった話などをして気を紛らわせようとしている。

 そんな風に道中を歩き街から十分離れた場所に着くと僕はアースが引いていた荷車から気球の入った籠を降ろして横にする。

 アールスは興味深そうに僕のしている事をじっと見ている。

 フェアチャイルドさんに気球の風船部分を広げるのを手伝って貰い点検と準備を終えると僕はアールスと小母さんの前に立ち言った。


「さて、今日お二方にお越しいただいたのは僕が作った空を飛ぶ乗り物を見ていただく為です。

 安全性は何度も確認しましたが、まずは誰も乗らず精霊達の動かす気球を見ていただきたいと思います」


 二人の表情を見てみると小母さんの方は僕の言葉を神妙に聞き頷いた。そして、アールスの方はぽかんと口を半開きにしている。


「ナギさん。籠を留めるのも終わりました」

「ありがとう。じゃあ始めます」

「魔法石には私が魔力(マナ)を込める」


 ディアナが名乗り出てくれたので今回はディアナに魔法石を任せる事にした。

 風船部分の給気口の部分を持ってディアナに魔法石を発動してもらう。


「ナギ、なにしてるの?」


 アールスは戸惑った様子で聞いてくる。僕が語った事が信じきれないのだろう。もしくは突然の事で理解しきれていないのか。


「火を使って空気をこの風船の中に送ってるんだよ。危ないから火には近づかないでね」

「火? 空飛ぶのに何で火使うの?」

「それはサラサに説明してもらおうか」

「ええ、いいわよ」


 小母さんも近くに寄ってきて説明を聞くつもりのようだ。


「知っていると思うけど空気っていうのはね、温められると密度が薄くなって、冷たい密度のある空気に押し出されて上空へ昇っていく性質があるの。

 この温められて昇っていく空気を利用するのがこの気球の特徴ね。

 この風船の中にさっき話したように温めて密度の薄くなった空気を溜めて、外気と密度の差を大きくして浮力を持たせているの。

 この外気との温度差によって生じる密度の違いが肝で、ただ普通に空気を送り込んだだけだと密度の差が小さくて浮力を生む事が出来ないのよ。

 極端に言えば溜まった水の中に空気の詰まった袋を入れた時のような事が起きているの。

 まぁ百聞は一見に如かずってナギも言ってた事だし予備知識はここまでにして実際に見た方が早いわ」

「分かりやすい説明ありがとう。補足するなら風の魔法で同じような事を再現しようとすると火の魔法に比べて消費魔力(マナ)が多くなっちゃうんだ。

 それは何でかって言うと、密度の薄い空気を常に大量に作り出して風船の中に送り込まないといけないからなんだ。

 この密度の薄い空気っていうのが厄介でね、僕の勉強した範囲の神の文字じゃ再現できないんだ。

 だから生み出そうとしたら魔法陣のいらない生活魔法で出さないといけないんだけど、知っての通り生活魔法は物凄く魔力(マナ)効率が悪いからね」

「じゃあ勉強したらもっと効率よく出来るかもって事?」

「そうだよ。今の僕じゃ火を利用するくらいしか手は無かったんだ」


 これだけ話しても気球はまだ三分の一も膨らんでいない。気球は乗れるようになるまで時間がかかるのだ。

 なので少しでも時間を早める為僕は魔法で暖かい風を送り込む事にした。

 アールス達に説明したように気球を満たし続けるのには僕の使う生活魔法では魔力(マナ)消費が大きすぎるが、ただ膨らませるだけなら僕の魔力(マナ)を半分も使えば十分膨らませる事が出来る。

 ある程度膨らむと風船の給気口から手を離し気球から離れる。

 風を送り込み続けて完全に膨らみ、中の空気が温まり浮き上がってくると横になっていた籠を立たせる。


「すごい……」


 気球が浮かぶとアールスは気球を見上げたままそう呟いた。


「じゃあディアナ。籠を留めてる紐を外すから、気球の操作は任せたよ。ライチーはいつも通りね」

「任せて」

『わかったー!』


 二人の精霊と頷きあうと僕はフェアチャイルドさんと協力して気球を繋ぎ止めている紐を外した。

 少し待つと籠が地面から離れていく。


「浮いた!」


 一度地面を離れた気球はどんどん高度を上げ、風に流され僕達のいる場所から離れていく。


「すごいすごい! あれ本当にナギが作ったの? ナギって天才だ!」

「本当……ねぇ、どんどん離れて行っているけど大丈夫なのかしら?」

「今日は風が強いから流されてるんですね。フェアチャイルドさん。ディアナが満足したら一度降ろすように伝えて貰えるかな?」

「分かりました」

「風向きで動く方向が変わるのね……」

「上空だと高さによって風向きが変わりますから、行きたい方向へ風が向いている高さに合わせなくちゃいけないんですけど……まぁ余程風が強いとかでもない限りは魔法で対処できると思いますよ。

 ただ風が強いと結構揺れるんですよ。今はディアナとライチーが協力して自分達の魔力(マナ)を壁にして強い風を弱めているんです」


 精霊は膨大な魔力をアースのソリッド・ウォールのように圧縮させて魔力(マナ)の身体に質量をもたせている。これを応用して気球を精霊の魔力(マナ)で包めば少しの強風位ならば容易く防ぐ事が出来る。

 たけど完全に風を防ぐと気球を精霊自身が動かさないといけなくなり余分に魔力(マナ)を消費してしまう。

 なのでわざと気球が動く程度に風を通しているんだ。


「でもさすがに嵐の日のような風の強い日に気球を出すというのは自殺行為なのでやらない方がいいです。

 流石に精霊でも防げないそうですから。

 多分この気球は実用化されたら精霊術士の新たな仕事になるでしょうね」

「天候によっても左右されるのね……そうなると長距離と言うのは難しいんじゃないかしら?」

「そうですね。この気球は安全を考えたら速度は出せません。

 ですが、気球は空を飛ぶ乗り物です。馬車のように地形で進路を左右されるという事はないんです

 なので北の様に沼地が多い、グライオンのように山が多いなどの条件次第では馬車よりも早く辿り着けるんじゃないでしょうか?

 それに何より空から見る地上の景色は格別でしたよ」

魔力(マナ)の消費はどれくらいなの?」

「今使っている物だと数字に直して一時間で千です。僕なら二時間は浮かせていられます」

「ナギそんなに魔力(マナ)あるの!?」


 アールスが驚くのも仕方がない。僕位の歳の平均的な魔力(マナ)の量は五百前後。魔法使いを目指す子なら千前後はあるらしい事が教本に書かれていたっけ。

 僕はその魔法使いを目指す子の二倍の魔力(マナ)の量があるんだ。


「なるべく寝る前に魔力(マナ)を空っぽにしてるからね。でもさ、この前会ったイグニティ様の方が魔力(マナ)の量多いんじゃない?」

「そうだけど……う~、負けたぁ」

「アールスは今どれくらいなの?」

「千五百行った所~」

「五百しか差がないじゃないか」

「毎日寝る前にちゃんと魔力(マナ)全部お母さんに渡してるのに……」

「僕は学校に通ってた頃は日中も魔力(マナ)消費させてたんだ。それで差が付いたのかな」


 今はいつ治療士の仕事が舞い込んでくるか分からないからマナポーションに余裕のある時以外はやらなくなった。


「お昼は訓練あるからそんなに減らせないよ」

「僕も仕事があるから今はやってないよ。……あっ、気球が降りてきたね」


 二人と話しているうちに遠くの方で気球が地面に降りていた。僕は急いで繋ぎ止める為の紐をもって気球の元へ向かう。

 そして紐で軽く固定すると改めて二人に問いかける。


「さて、試験飛行は見て貰えたと思います。一応僕が気球に何度も乗っていますが、どうしますか? 乗りますか?」

「乗る!」

「重さは大丈夫なの?」

「はい。重りを乗せて何度も浮かせたので重さに関しては問題ありません。大人五人分の重さくらいまでなら問題なく浮かぶ事が出来ます」

「後は安全性ね……風船の部分が破れたりとか、紐が切れたりとかは大丈夫?」

「準備した時に点検はしています。後材料についてですがこちらの紙にまとめてあるのでご確認ください」


 材料の書かれた紙を渡すと小母さんは一読した後頷いて問題ない事を僕に伝えると紙を返してきた。


「う~、もういい? 乗っていい?」


 アールスは待ちきれないと言った様子で僕の手を引いてくる。

 後の問題はアールスの乗り物酔いか。結構揺れるけど大丈夫だろうか?


「うん。いいよ。フェアチャイルドさんも一緒に乗ろう」

「はい! ついに乗れるんですね」

「あれ? レナスちゃんまだ乗ってなかったの?」

「実はまだなんです。気球に乗るのはアールスさんと一緒に、って考えていたので」

「レナスちゃん……えへへ。一緒に乗れてうれしいなぁ」


 僕も本当ならアールス達と一緒に初乗り、という事をしたかったんだけど、作った張本人が乗って安全を確かめないというのも問題だろう。なので僕は一足先に気球を楽しんでしまったのだ。

 だから今から友達と一緒に初乗りできる二人が少しだけ羨ましく思う。

 籠は僕の肩くらいの高さがあり、乗り込むのに土台が必要となる。

 僕が魔法で土台を生み出そうとする前にアールスが精霊魔法を使い土台を作ってくれた。まず最初に一番背の高い小母さんが中に入り続いて乗り込んでくるアールスの補助をする。

 僕は乗り込む前にヒビキを腕に抱き、アースとナスにもしもの時と後の事を頼んだ。

 空に上がるとはいえ魔獣達と離れる事には変わりはない。ヒビキならついて来れるがナスとアースはそういう訳には行かないんだ。


 僕は気球を作った責任もあるからここで皆を気球に乗せて僕だけ地上で待つという事も出来ない。

 かといって最初からこの場所にアースを連れてこないという選択肢も選びにくい。

 気球を運ぶのに僕達だけでは辛い物があるし、馬を借りようにも僕が気球に乗ったら馬の置いてけぼりと言う問題は残る。

 それにアースには気球に何かあったら乗っている人を助ける役目がある。

 一人ならヒビキでも大丈夫だが、複数となると高温で上昇気流を生み出して空を飛ぶという荒業のフレア・バードでは支えきれない。

 その点アースなら天に届くほどの土の壁を自在に生み出す事が出来るのでそれこそ目視できないほどの高度まで上がらなければ助かる可能性は高い。


 問題なのは街の外で魔獣達の傍に(魔獣使い)がいないという事だ。

 この状況だと魔獣達が他の冒険者に討伐されようと、通報されても文句が言えないのだ。

 そして、兵を呼ばれたらその費用を払うのは僕になってしまう。まぁお金払うくらいで解決するなら安い物だ。命を落とす事に比べられるはずもない。

 すぐに討伐されるという事はないと思うけれど念の為にナスの力で姿を隠してもらう。ただナスの雷霆の光を屈折させる能力ではアースの身体を全て隠す事は出来ない。

 隠しきれない部分が出るが……そこは木陰などに紛らわせれば人の目には着かないだろう。

 そもそも人目からは遠い場所にいるのだから不完全な隠ぺいでも問題ないかもしれないけど。


「ナギー、早く早くー」

「ちょっと待ってー」


 ナス達の姿が見えなくなるのを見届けてから僕は籠に乗り込む。

 乗り込んでから気づいた。籠の高さが小母さんの胸元までしかない事に。

 小母さんは特別背が高い訳ではないから背の高い人が乗ったら縁が低くて身を乗り出す様な事があったら危険だ。


「つい自分の背の高さを基準に考えてしまったみたいですね。後で籠を変えないと」

「え? ああ、確かに男の人にはちょっと小さいかしら。この籠は」

「高くしちゃうの? それじゃあ外見れなくなっちゃわない?」

「必要なら踏み台を用意すればいいんだよ」

「あっ、そっか」

「じゃあ紐を外すね」


 籠を留めている重し付きの紐を籠から外しディアナに火の勢いを強めるよう指示を出して、重し付きの紐はナスに回収してもらう。

 ゆっくりと浮き上がる。

 籠が揺れてフェアチャイルドさんが僕の腕を掴んできた。


「大丈夫?」

「は、はい」

「浮いた? 浮いたの?」


 アールスは恐れを見せずに籠の縁から顔を出す。


「すごい! お母さん地面が離れて行ってる!」

「だ、大丈夫かしら……」


 小母さんは不安そうに風船部分を見上げる。そして、何かに気づいたように声をあげた。


「あら? アリスちゃん。この給気口?の端から出ている紐は何?」

「それは高度を調整するための物です」

「高度を?」

「はい。風船部分の上部には布で覆われていますけど排気の為の穴が開いているんです。

 気球が落ちない程度に隙間を開けて空気を逃がし高度を下げるんです。

 さっきディアナの操作で降りてきた時もこの紐を使って降りて来たんですよ」

「穴って……魔法石の出力を調整して下げていたんじゃないの?」

「それだと細かい調整が必要になって逆に危険なんですよ。

 火の温度が十度も下がったら空気が冷えて一気に墜落するかもしれませんからね。

 それに一度弱めた火を元に戻すと安定させている時に比べて余分に魔力(マナ)が消費するんです。

 だから上昇する時や高度を維持させる時はともかく降下させる時はなるべくこの紐で調整させるんです」

「安定させた方がいいって訳ね……よくもまぁそこまで思いつくものね」

「沢山実験しましたから」


 前世の先達たちが。


「二人ともそんな話は後にしよーよ。ほら、首都があんなに小さく見えるよ!」

「小さく、と言ってもさすがに大きいですね。この高さでも端の方は霞がかっていて見えません」

「倉庫街入れたら端から端まで行くのに半日以上かかるからね。これって村同士の距離と同じくらい離れてるって事だよ。

 そんな距離間に建物を敷き詰めてるんだからそりゃ大きいに決まってるよ」


 僕も二人につられて首都の方を見てみると人がもう豆のような大きさだ。

 実験で何度も見た光景だがやはり落ちたらと思うとちょっと怖い。


「アールス。結構揺れてるけど大丈夫?」

「うん。だいじょ……うっ」


 アールスが突然口を押えた。


「え。ま、まさか」

「なんてね。大丈夫。平気だよ」


 あっけらかんと笑うアールスに僕は安堵の溜息をつく。


「馬車みたく揺れてるけどこっちは平気。なんでかな?」

「馬車で酔うのは精神的なものかもしれないね。最初に乗った時の事が不安になってるのかも」

「最初? 何かあったっけ?」

「忘れてるならその方がいいよ」


 アールスも女の子だ。あの時の事は忘れている方がいいだろう。


「えー、教えて欲しいな」

「揺らさないで? ただでさえ不安定なんだから」

「じゃあ教えて?」

「ん……降りてからでいい?」

「むー。まぁ教えてくれるならいいよ」

「んふふ。じゃあそろそろ一度降りようか。これ以上乗ってたら帰るのが遅くなっちゃう」

「えー。もう? もっと乗ってたい!」

「また次の休みでね。次からもちゃんと小母さんの許可を貰ってから乗るんだよ?」

「えー!」


 いちいち小母さんの許可を貰うのが面倒なのか大きな声を出していやがるアールス。

 だけどこれはさすがに譲れない。さすがに絶対に安全な乗り物と言う訳じゃないんだ。

 保護者がすぐ傍にいるのにそれを無視して乗せる訳には行かないだろう。

 小母さんもその事を承知したのか僕に加勢してくれる。


「レナスちゃんとナギはいいの?」

「僕達は一応独り立ちしてるから……」

「ずるい!」

「手紙で形が残るように許可を貰ってるよ?」

「え」

「いつの間に?」


 これにはさすがのフェアチャイルドさんも驚いている。

 首都にやってくる前に僕は速達で気球と安全対策を詳しく書いた手紙を僕の両親とレーベさん当てに送っている。

 帰ってきた返事は、僕の両親の場合は半信半疑……というよりほぼ本気にしていない文体で僕の自由にしろと言うお墨付きを貰えた。たとえ本気にしてなくても証文は取っているのだ。

 レーベさんの方はどうやらフェアチャイルドさんが話していたらしく心配はしていたがフェアチャイルドさんの気持ちを優先し、僕を信じて許可を出してくれたようだ。


「僕達もちゃんと許可取ってるんだから、アールスもちゃんとね?」

「うー。でも私だけいちいち許可取らないといけないなんて……」

「そこはまぁ小母さんと相談という事で」

「ふふふ、そうね。後でよく話し合いましょうか」

「……分かった。それでいいよ」


 不貞腐れながらもどこか照れくさそうに頷くアールス。

 微笑ましい親子の姿を眺めながら僕は片手で紐を操作し気球を降下させていく。

 今の場所は精霊達が風力を調整してくれたおかげで離陸した場所からそれほど流されていない。

 気球を着陸させると他の皆を降ろして僕は火を徐々に弱めていくようディアナに指示を出す。

 一気に火を消したら風船部分が急激にしぼみ籠の上に落ちてくるから要注意だ。

 精霊達に手伝って貰い空気を抜きながら風船部分を片方に押して地面に降ろしてもらう。

 風船部分が地面に付くと次は魔法を使い中の空気を完全に抜く。そしたら後は布を丸めて籠の中に入れれば片づけは終わりだ。片づけはフェアチャイルドさんの他にアールスと小母さんにも手伝って貰った。

 片づけを終える頃には姿を現したアース達が僕達の元へやって来た。

 二人にお礼を言った後アースが引きずっている台車に気球を乗せると後は帰るだけだ。

 アールスから最初に馬車に乗った時の事を聞かれたので答えると、余程恥ずかしかったのか顔を真っ赤にして僕から離れて行ってしまった。

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