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「神の寵愛」の効果

 「神の寵愛」

  ①力・賢さなどのパラメータを上げる

  ②柊美雪に怒りをぶつけると「神の寵愛」の数値が上がる

  ③「神の寵愛」の数値が上がるほど、①の数値が上がる


 バイトが終わりアパートに帰ってから、とりあえず「神の寵愛」について分かったことを上げてみた。

 その上で今後のことを考えてみる。

 まず「神の寵愛」の数値を上げるかどうかだ。

 恐らく柊に対して怒りをぶつければ数値は上がるだろう。それに伴い他のパラメータも比例して上昇するだろう。現在のパラメータは相当なものだ、恐らく身体能力だけならプロのアスリート並みだろうが、それを更に上げることが出来る。

 それはかなり魅力的な考えに思えた。

 別にプロのスポーツ選手になる気などさらさら無いが、パラメータは高い程何かと役に立つ。今日もバイトのときに力と速度が上がったことで、いつもより楽にこなす事が出来た。

 ただ問題となるのがその方法だ。

 「柊美雪に怒りをぶつける」ということはクラス全体を敵に回すことになる。柊美雪は変態女だが外面は良いので友人も多い、男どもはなおのことだ。恐らく俺が始めたらすぐに俺を攻撃することで、柊に対する点数稼ぎとするだろう。

 ついでに俺の良心というやつにも余り良くない。ただ、良心に関してはメリットが勝れば黙らせることは出来るのでここでは考えなくて良いだろう。

 クラス全体を敵に廻すリスクとパラメータの上昇のメリットを比較検討する。


 数秒考えてやはり止めておこうという結論になる。

 あくまで今後楽にする為にパラメータを上げたいのであって、今重いリスクを負ってまでするべき事では無い。それに現在のパラメータも相当なものだ、無理をして上げる必要など無い。現在の数値でも相当楽な人生を送ることが出来るだろう。

 

 「神の寵愛」の数値を上げないと決めたので、次にどのように活用するかを考えたい。

 その前にまずステータスの詳細を調べてみた方が良いだろう。

 今まで見たのはあくまで見やすくした簡易表示で、詳細表示はそれこそ際限なく細かい箇所まで見ることが出来る。ただ、余りに細かいステータスまで見ると俺が理解しきれない。

 その為、経験上理解できる範囲で最も詳細な情報に切り替える。

 眼がくらくらするほどのパラメータの数を我慢して調べる。

 二時間ほどかけて調べてみると、数値化可能なパラメータのほぼ全てが、平均して1.5倍くらいに上昇している。

 何故か知らないが威圧とカリスマ性に関してだけは4倍近く上がっている。元は50程度だったので、一気に平均の2倍の数値なっている。何故このパラメータだけ異常な伸びを出しているのか分からない。

 「神の寵愛」は単純な全パラメータのバフ効果では無いと考えた方が良いかもしれない。特定のパラメータが上がり易いなどの傾向があると考えるのが正解だろうか?

 

 さてステータスの把握も出来たので、今後どのように利用するかを考え始める。

 と言っても元が殆ど平均値だった俺のステータスは、威圧とカリスマ性以外は全てそのまま1.5倍に上昇しただけだ。癖が無く全体的に高性能なので、相当馬鹿なことをしなければ大体のことで楽な人生を送ることが出来るだろう。

 容姿も167と凄まじいほど上がったので極端な話アイドルも出来る。ただ、ここまで数値が変わっていると別人と言っていい程だ、下手をすると俺が橘悟であると認識されない可能性がある。

 鏡の前でどのように顔が変わったのか見てみる。

 すると何時もと変わらない顔が映る。

 (なんで顔が変わっていない?)

 これだけの数値が変わっていれば、少なくとも違和感のようなものを感じるはずだ。

 なのに俺は以前と変わらない顔をしている。

 そもそも映っている顔を見るとかなり整ったもののように見える。

 それこそテレビや雑誌に出てくるようなモデル並みと言っても良い。俺の顔が依然と変わっていないのであれば、これで容姿が今まで98しか無いのは明らかにおかしい。もう一度過去のステータスを開き、「神の寵愛」前の容姿が98であることを確認する。

 

 俺は言い知れぬ恐怖を感じる。

 

 さっきはクラス内での立場を理由に「神の寵愛」の上げるのを止めることを決めたが、そんな理由とは別にこれ以上「神の寵愛」を上げるのは危険だと判断する。

 不確定な要素が多すぎる上、単なるバフ効果では無いことはほぼ確定だ。

 あえて下げる気も無いが、下げる為に関わるのも避けた方が良いだろう。


 俺は改めて柊美雪に関わらないと決め、床に着いた。


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