起?
これはきっと優しい神様が見せてくれた夢だろう。
私は、大好きな人を泣かせたまま、死んでしまいました。
薄れゆく意識の中、思っていたことはただ一つ。
愛理に笑って欲しかった。
愛理の笑顔になんども救われた。
悲しかったときも、嬉しかったときも、苦しかったときも、楽しかったときも。いつも笑顔でいてくれた。
たがら、そんな笑顔に報いたかった。
その結果が、ただの自己満足。
自分が悲しむ顔を見なければそれでいいって。
訳の分からない決断をしてしまった私を愛理は攻めた。
それだけならよかった。
泣かせてしまった。
本当に、それだけが心残りだった。
病院の中、愛理は、魂のない人形のようにベッドに寝かされていた。
食事もほとんどとらず、寝て過ごすだけの日々。
そんな姿はみていられなかった。
こら、愛理。ちゃんとご飯食べなきゃだめだよ。
「結花?結花なの?」
うん。
ごめんね。私、死んじゃったみたい。
「ううん。また・・・会えた。会えた…」
泣かないで、もう、愛理には泣いて欲しくないんだ。
だから、こうして会いにきたのに。
「うん」
大丈夫。私は、ずっとそばにいるよ。
「もう、勝手にどっかいかない?」
うん
「隠し事しない?」
しない
「すっと、一緒?」
一緒
もう、泣かないで…
私も…泣きたくないから…
「ごめん。結花。私が、私が走ったせいで」
ううん。私のせい。愛理のせいじゃないよ。
「なら、おあいこだね」
仲直りしなくちゃ。
私は、愛理の頬に触れる。
あったかくて、柔らかくて。
大好きだよ。愛理。
ずっとそれが言いたかった。
「私も、結花のこと大好きだよ」
そろそろいかなくちゃ
「どこ行くの?ずっと一緒じゃないの」
そのために、一度離れなくちゃ。
「また会える?」
当然。
また、会えるから。
だから、笑って。
「うん。えへへ」
そう。笑って欲しかった。
その笑顔が見たかった。
愛理の体に火が灯った気がした。
虚ろで、弱くて、ちょっとの風で消えてしまいそうだけど、暖かな火が。
今度は、私が守る番だ。
だから、伝えよう。
最後に言いたかった言葉を。
愛理。ごめんね。ありがとう。好きよ。
さようなら。




