第十話:土蜘蛛その1
お待たせしましたという割には短いですが、このごろ風邪気味だったので、お許しください。
どーも!九尾です!
今、私は大変な場面に遭遇しています。霊界での試練を何とかクリアして現世に帰ってきた狐宮君なんだけど、なぜかその彼女さんに私達の姿が見えているのです!
ありえない!ありえないよお!私達の姿は優秀な霊能者にだって滅多に見れないようにしてるのに!
『なぜ、見えてるんだ!?』
龍王も驚愕しております。というかパニックです。
狐宮君は冷静に打開しようとしてます。がんばれ、狐宮君!
「何も見えないんだけど・・・。目の錯覚じゃないか?」
「そんなことは・・・」
そう言いながら目をこする葎花ちゃん。
『よし、今のうちだ』
ナンちゃんは言うが早いか、完全に姿を消してしまった。それにならって私も姿を消す。
「あれ?確かにいない。龍弥の言うとおり、目の錯覚かな?」
「そうだと思うよ。昨日は良く寝られた?」
「それが、あんまり・・・」
「寝不足のせいかもな。とりあえずコーヒーでも飲んで、目を覚ますか。いつもの茶店でいいよな?」
「うん!」
狐宮君とその彼女、葎花ちゃんは喫茶店に向かいます。私達の姿は今度は完璧に見えていないらしいっす。狐宮君の冷静な処理で何とかごまかせたよ。
『ふう、どうにかごまかせたようだな』
龍王もほっとしております。
『でも、何で見えたんだろう?』
『彼女には先天的な何かがあるような感じがするが・・・』
『生まれもって霊感が強いとか?』
『いや、もっと強い何かがあるような気もするが、確証が持てん。私の勘違いかもしれないな』
『気になるじゃない。言いなさいよ!』
『神の生まれ変わりとか・・・』
『何?神の生まれ変わり?あはははははは!そりゃありえないって!大体、観察してるときにわかるでしょうよ!』
『それもそうだな、忘れてくれ』
そんなやり取りをしながら狐宮君達の後をついていくと、一軒のレトロな喫茶店があって、狐宮君と葎夏ちゃんはそこに入っていきます。
葎夏ちゃんにあまり近づかないほうがいいと思い、私達は外で待っていることにしました。 少しして、数人の若い男女がやってきて、喫茶店に入りました。その頭上には見覚えのある姿が私達と同じ状態になって宙に浮かんでいます。私達を見つけ、近づいてきました。
それと同時に、喫茶店の中に入った狐宮君の叫び声が響きました。私と龍王はとんでもない説明忘れをしていたのでした。
『てへ♪』
『てへ♪、じゃないだろ・・・』
ナンちゃんの突っ込みはともかく、最後に狐宮君の叫びをどうぞ!
「なんで、生きてるんだよ!?」
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