最適案
魔王様は怪物だ。
魔人を生み出す洞窟[魔窟]から生まれたものの子孫を魔人、星と合成した[魔窟]今もなお生み出し続ける魔人の失敗作と言われるものを魔物という。
だが、魔王様は、[魔窟]ができるより遥か昔から生き続けている。そんな生物は、魔王か回復龍ぐらいだろう。
そして、私は、[魔窟]、回復龍、今、目の前にいる魔王を倒した勇者さえも目ではないほどの怪物が魔王様だと知っている。
だから、私は知っているのだ魔王が死ぬわけがない、たとえ、死にたくても死ねないのだと。
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そういえば、我は今、魔王ではない、勇者なのだ。
勇者の身体が結構馴染んできたのか完全に忘れていた。で、どうするかだ。
殴られながら考えていると一つ思いついた。
「リズ、我は魔王だ」
一番わかりやすく、一番伝えやすい方法でリズに伝える。
「‥‥?‥‥!魔王様を倒したから自分が魔王だと言いたいのか!魔王を倒したから魔王になるそれも順当なのかもしれないが、魔人たちは、お前を魔王とは絶対に認めない!」
そう言い、リズの殴る速度が速くなる。
「いや、リズ‥」
「その魔王様のような呼び方をやめろ!虫酸が走る!」
また、速度が速くなる。
「なんなんだ。お前、魔王様を倒すつもりだと思ったら、自分が魔王だと?ふざけるな!」
すると、だんだんと速度が遅くなる。
魔人の中でも優秀な種族である悪魔であっても普通、魔力切れで動くというのは難しい。こんなに動けたのは奇跡のようなものだ。
数十秒も経たないうちにリズは手をつき、項垂れるような体勢となる。倒れ込まないのは、最後の意地なのだろう。
とりあえず、魔力切れの状態を治すためにリズに触り、魔力を送ろうとするが、手を跳ね除けられる。
「魔王様を倒した相手に情けなどかけられたくない。」
リズは静かにそう言い、体勢を維持する力もなくなったのか倒れ込む。
我は、魔力が切れても数分で回復するから問題ないのだが、魔力切れというのは死ぬことすらある危険な状態だ。
触って怒られるなら仕方ない。まだ完全に身体が馴染んでいないから使いにくいのだが、とそう思いながら闇を操り、魔力を込め、リズに与える。一気に入れると爆発するので少しずつ与えると、回復してきたのだろうか。リズは顔を上げ、ゆっくりと口を開く。
「だから‥情けなどい‥‥‥‥は?」
だが、突然、話を止め、ぶつぶつと何か言っている。
そして、もう一度顔を上げ、リズは操る闇を見ながら言った。
「本当に魔王様なのですか?」
その言葉にようやく信じてくれたのか思い、答える。
「そうだ、我は魔王だ。」
その言葉にリズは立ち上がり、感動し、涙を流すのかと思ったが、なぜか、顔面をぶん殴ってきた。普通に痛い。
そして、魔王が操る闇を力強く指を差しながら、魔王にすら思いつかなかった案を言う。
「最初からさっさとそれを見せろ!!!!」




