出来損ないの反乱
捕まるまでの経緯を話した。
「そういうことだったんですね。まぁ、腑に落ちないことはありますけどいいです。」
よかった。リズがいないと我の行動に7割ぐらいが制限がかかる。ホント誤解が解けて良かった。
安心しているとセイの研究所が見えてくる。
「そういえば、なんで刑務所にいたのだ?」
よく考えれば、ここ数日忙しそうだったし、別に見どころもない刑務所に行くのも不自然な気がする。
「レイから聞いたんですよ。抱えてた仕事が魔王様案件になりそうだったので探してたらレイに魔王様が捕まったっていう連絡が来たので、セイにはレイの話を聞いてもらって私は刑務所の方へ向かったって訳です。正直半信半疑でしたがね。」
よかった。レイもちゃんと動いてくれていたらしいな。
「で、その案件とはなんなんだ?」
すると、悩んだような顔をした後、
「言葉で伝えるのが難しいのでセイの研究所で話しましょう。」
===============
「ししょ!!ーーーーーーー」
「ぐえっ!」
タックルだった。セイの研究所につき、ドアを開けるとそこにはものすごい速さで向かってくるレイが待ち受けていた。
「ししょーー!ごめん。ごめんなさい。」
我に顔を押し付けて泣いている。正直、レイがロリババアなのか考えさせる光景だ。
するとリズがレイの首根っこを掴み、持ち上げる。すると、レイは猫のようにダランとなった。
「おぉ〜〜〜!」つい拍手をしてしまう。
「そんなことをするから魔王様捕まるんだよ。魔王様、お説教するので先行っててください。」
カンカンのリズと絶望を受け入れたレイを置いて、走って奥へと向かう。
走っていると、セイがいた。すると、足音が聞こえたのかセイもこっちに気づく。
「魔王様、座ってください。あれ、リズはどこですか?」
「今はレイへのお説教中だ。終わったら来るらしい。」
「そうなんですか。で、どこまで聞いてます?」
「我が必要な案件があるとだけだ。」
「それを聞いてるならいいです。これを見てください。」
セイはそう言うと魔道具のモニターをつける。
「これは魔都大門の範囲外のエリアの動画です。何か気づくことありませんか?」
?木や生き物も存在せず、いつも通り何もない。だが、何か違和感はある。
「何もないぞ?」とりあえず思ったことを言ってみる。
「そうなんですよ。何もいない、いつもなら魔都大門の範囲外には魔物がいるはずなんです。しかも、レイにエリア外の探索をしてもらったんですが、魔物が一体もいなかったそうです。」
そういえば、魔都へ戻ってくるときも魔物を見かけなかった気がする。
「だから、十体ほど遠くへ向かわせたんですけど全機が壊されました。どう壊されたのかも分かりません。」
「それは怪しいな。」
「私の考察では、魔物たちが集まって魔都への侵略を起こそうとしている可能性が一番高いです。」
「難しくないか?」
「そういう魔法を持つ魔物が生まれればワンチャンあります。」
星と同化した魔窟が生み出す魔物、それは、魔族の失敗作と言われる。色々あるが、そう言われる一番の所以は、魔物同士でもコミュニケーションができない点にある。同じ種族でも争い合う魔物、そんな存在が協力できるとは思えない。
「そういえば、それはいつから起こってるんだ?」
「8日前です。」
8日前?……そういえば、我が光神を名乗る女に出会ったのも8日前だ。これは……偶然じゃないやつだな。
「セイ、悪いがその現象、我のせいかもしれない。」
「??どういうことです。」
すると、レイとリズが歩いてくる。
「ちょうどいい、三人とも今までの話を聞いてくれ。」
そして、魔王は魔都の地下の迷宮のことから回復龍を殺したこと光神と名乗る女と出会い、闇神を殺すのに協力すれば殺してくれるということを話した。
===============
反応が薄い。レイは寝てるし、リズもあんまり興味がなさそう。一番驚くと思っていたセイも下を向いてブツブツ言っている。
「どうした?セイ」
「……ヤバくないですか?」
「何がだ?」
「神レベルの力を持った人物なら魔物を操ることなんて容易なはず。しかも、もう魔物が集まり始めてから8日、もう動いててもおかしくない、というかもうこの瞬間来ても………」
----------------------------------------------------------------
空気が変わった。否、魔力が変わった。
「魔王様!来ました」
セイが興奮した様子で話しかけてくる。
「わかってる。連絡用の魔道具をくれ。合図をしたら魔道具も魔都兵も全部使って市民を助けてくれ。敵は三人で片付ける。」
リズとレイを連れてこうとしたがもういない。おそらく気づいて先に行ったのだろう。
魔道具をもらい、闇に乗って、全速力でセイの研究所を出る。
外に出ると魔都は黒い魔力に覆われ、空、地上、地下から出てきた四方八方から何百、千、万体の魔物が魔都を埋め尽くそうとしていた。




