逮捕
あの空間から魔都に帰ってきて三日経った。
予想通りあの扉は願いを叶える系統の迷宮の宝だったのだろう。ダンジョンは元からなかったかのように消えていた。
その間も誰かが襲ってくる気配もなく、たまにレイが戦おうと言ってくるぐらいだった。
だが、今日は違う。やっとセイとリズのアポが取れたのだ。ここ数日、なんか色々あったらしく、手が離せなかったらしいのだ。
完全回復した体を動かし、顔に仮面を付け、セイの研究所へ向かう。
だが、家のドアを開けるとレイがいた。
「師匠!出かけるの?」
「あぁ、セイの研究所に行くのだ。だから今日は戦えないぞ。」
そろそろレイといると危ない気がしてきたのだ。そういう意味でも今日アポが取れてよかったな。
「じゃあ、私もついてく。」
!!!!
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この三日間、レイと訓練所に行っただけではない、何度も何度も歓楽街の方へ馬鹿力で連れ去ろうとしてきたのだ。
ギリギリ、ホテルには連れ込まれなかったが、仮面をかぶった怪しい男と半ば精霊やキャラクターのような扱いをされているレイと歓楽街に行っているのだ。
怪しすぎるだろ。
魔王が勇者になったことは、リズ、レイ、セイの三人にしか話していないし、魔王がここにいることすら十数人にしか話していない。
ということで今、魔都では、怪しい男が精霊的な存在であるレイを脅して歓楽街へ連れ込んだという噂が横行しているのだ。
脅してもいないし連れ込まれた側なのになぜなんだ。
そして今、我はレイに押し付けられている。何がとは言えないが、押し付けられている。
いつも思うのだがなぜレイはこんなにも身体に似つかわしくない物を持っているのだろうか。
正直、悪い気はしない。だが、もう四、三百年ほど弟子として見ているといざ人間の身体になってもレイを女性って感じに見えないのだ。
分かっている、めちゃくちゃに失礼だ。だが、見えないものは仕方がないだろう。
すると、周りからヒソヒソと聞こえる。聞き耳を立ててみると魔都兵が出動したらしい。
魔都兵は兵士でもあるが、警察でもある。だが、あまり動いたことはない。何か事件でも起こったのだろうか。
まぁ、我の出る幕ではなかろう。
「レイ、魔都兵が出動したらしいぞ。お前一応上の立場にいるんだろう。行かなくていいのか。」
「え?」
レイは、通信機のような物を確認すると首を振った。
「私には何も来てなかったから行かなくていいみたい。」
「そうなのか。」
魔都兵の組織についてはあまり関与していないから分からないのだがレイが大丈夫と言うならいい。というかずっと胸を押し付けるのをやめてほしい。
だが、魔都兵がいるのが見える。こっちから向かってしまったらしい。ん?いや何か変?だな。
周りを見渡すとそれがわかった。人がいないのだ。さっきからずっと聞こえてきた話し声それがなくなっている。
すると、後ろと前から魔都兵がぞろぞろと出てくる。
「レイちゃんを離せ!」
一番前にいる魔都兵が我に発した言葉はそれだった。
通報、されたのか。絶望と同時にレイがここまで愛されていることに喜びを感じてしまっている。
「ちょっと待って!誤解だよ」
レイは、魔都兵達の方へ走っていく。説得してくれるのだろう。我が魔王だということを言わないでほしいが、まぁ言ったら言ったでしょうがない。
だが、甘かった。我の隣から魔都兵の方へ向かったレイは毛布にくるまれ、抱かれてしまう。
毛布にくるまれたレイを見た瞬間、魔都兵の目が変わった。そして、目の前の魔都兵は言う。
「突撃ーーーーー!!!」
何十人もの魔都兵がこっちに向かってくる。
「ちょっ!?待って!違う!!やめて、我!、魔王!、誤解だって!…………」
あっ。無理なやつだ。これ
我はそのまま捕まり、独房へとぶち込まれたのだった。




