殺されるために
殺す?本当に殺せるのか我を?
白い髪に美しい容姿、魅惑の声見た目に全振りしたような目の前の神を名乗る女が我を殺せるとはにわかに思えない。
すると、女は、自分の白い髪を一本抜く。その髪は黒く変化し、その髪だったものは黒い光を放った。
その瞬間、我の意識は消えた。
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「起きた~~~~~~」
顔をつんつんされながら、目を覚ました。
「これで信じた?」
気絶?いや違う。死んでいた?身体に力が入りきらず、起き上がれない。
死んだことがないから分からないが、確かに我の意識はなくなった。これが死なのかは知らないが、目の前の女は我を殺したのか?だが、その前にだ。
「何が目的だ?」
本当かは分からないが、この神?は我を殺せるのかもしれない。そうならなぜ蘇生させた?殺すことが目的ならそのままにすればいい。
ということは、死を与えるかわりに何か目的があるのだろう。
「話が早くていいわね。いつもなら無駄話しちゃうけど、私も話しちゃう。」
「私の目的は、闇神を殺すこと。私は、闇神に干渉できないからあなたに殺してほしいのよ。」
正直、目的など関係なかった。絶望的だった死が目の前に現れたのだ。それなら何でもする。
「我を殺してくれるのなら構わない。だが、二つ質問させてほしい。」
「あら、もっとされると思ってたのだけども、まぁいいわ。話が早いのは好きよ。で何?」
「一つ目は、その闇神がどこにいるのか。二つ目は、我に殺せる存在なのかだ。」
当然だ。数千年生きているが、神という存在は聞いたことはあるが、見たことはない。
「そうね。一つ目は簡単よ。私と話すだけでいいの。」
??どういうことだ?
「わからないって感じね。つまり、私、光神と話すだけ。私と関係を持っちゃえば、勝手にあっちから襲ってくるわよ。まあここから出ればわかるわ。」
「じゃあ二つ目、実を言えば、あなたは闇神を殺せるかわからないのよ。闇神が実体化してるならあなたより弱いぐらいだと思うのよね。」
「じゃあなぜ不安げなんだ?」
「神はイメージでできているの。私なら正義つまりは力だけど闇神は悪、ずる賢いって感じなのよ。だから、闇神の知恵によってあなたは負けるかもしれないし、勝てるかもしれない。」
「まぁ、曖昧だけどこれでいい?そろそろ時間になっちゃうからその時が来たらまた会いに来るわ。」
神?は話を終わらせようとするが、駄目だろ。
「ちょっと待て!」
「なに?」
目をこすりながら答えてくる。
「闇神が我を殺せるなら殺されればいいんじゃないか?」
「?殺せるなんて言ってないわ。あなたは負けるかもしれないって言っただけ。それは、封印かもしれないし、何か違う方法かもしれない。だけど闇神にあなたは殺せないわ。じゃあね」
神?が手を振った瞬間、そこは見慣れない景色へと変わった。
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女は歩いていた。名前も何もない失敗作の種族に会うために。
目の前に何千体もの化け物が現れる。
その女はその化け物達に驚かずに淡々と言う。
「魔物たち、行ってらっしゃい成功作を殺しに」




