死んだふり
リジェは元々強い龍ではない、攻撃的な魔法は使えず、身体も今より小さかった。
だが、ほとんどの龍が崩化し、寿命のあるドラゴンへと変化する中、リジェだけが崩化を耐え、生き続けていた。しかも、ただ生き続けていたわけではない。過去も現在の技術も全てを極め続けているのだ。
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我は勝たなければならない。センスだけで何千年の努力に。
リジェを見る。だが、もうそこにはただの化け物のしかいない。
すると、目の前に龍爪が現れる。もう迷いはない。受け止めず、闇で弾く。後ろから尾も攻撃をしてくるが、それも闇で弾く。
だが、闇での痛みなどないのか、連続で攻撃を仕掛けてきた。
やはり、離れて遠距離から攻撃するのが正解だろう。だが、正解など知るか。前に進む。無理矢理にでも近づくしかない。
隣で我を守る闇が破壊されるが、問題はない、そもそも勇者の身体のほうが硬いのだ。
闇を防御に使わず、回復に専念させる。痛い、痛いが問題ない。皮膚は破裂し、もう身体は真っ赤だろう。
だが、死なないなら問題ない。攻撃されながらも闇に乗り、化け物の顔近くまで飛ぶ。
そこからは、泥仕合だった。我は、化け物の顔を殴り、化け物は、我の身体を殴り続ける。
魔王とは思えないな、全身が痛い中、そんなことを思っていた。
もう時間感覚すらなくなった頃、化け物は動かなくなった。死んだ、勝った!やったんだ。
我は、全身を回復し続けていた闇を解き、一瞬だけ力を抜いた。その時だった。
尾が我の全身を吹き飛ばし、壁まで飛ばされた。
完全に無防備になった瞬間の一撃だった。
は?ふざけんな。何が崩化だ。全身痛いんじゃねえのか。死んだふりとかできんのかよ。もう闇を操る余力すらなく、キレることしかできない。
すると、目の前に化け物が降り、間髪入れずに殴ってくる。
ギリギリで避けられたが、二発目は避けられないだろう、一発避けられたのに我も驚いているのだ。
いくら勇者の身体でも後一発でも食らったら死ぬだろう。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない、都合がいいなんて分かっている。だが、ここでは死ねない。恩を返すまで死ねないのだ。
闇は動かず、これ以上歩くことはできない。詰みだ。
だが、諦められない、勇者に殺されたときとは違う。
生きたい、生きなければならない。身体の力を振り絞り、前に進もうと前を見る。
そこには水があった。考える暇などない、一縷の希望に賭けるしかない。我は、二発目が来る前に一歩踏み出し、水に倒れ込むように飛び込んだ。
その瞬間、強い圧力がかかってきた。だが、どうにか意識を保ち、目を開けると、我は、水の中を流れていた。
そして、思い出した。自身の魔法について、




