恩知らずの魔王
ここが頂上か。
タワーの階段を登り、頂上へ行くと、そこは、外見とは全く違い、奥の壁が見えないほど広い空間だった。
しかし、何もないな。
「縺薙l縲∬ソキ螳ョ縺ョ螳」
空間を拡張する魔道具を使っているらしい。これを見るとやはり、迷宮のは、我を殺せる物なのかもしれないな。
そんなことを思っていると、リジェはこっちを向いて言う。
「縺薙%縺梧怙蠕後□縲」
これから、ここの内装は作っていくのか。ということは全部見終わったようだな。
そういえば、入ってきたときの扉は消えてしまったな。早く帰らないといけないため、どこが出口なのか聞こうとする。
「どこが出口」「よろしくな。」
ドン!!
言葉を遮られたと同時に前のように突然、腹に衝撃が走り、吹き飛ばされた。そして、さっきは見えなかった奥の壁に当たる。
何が起きたのかわかった。わかってしまった。それは、ドラゴンの尻尾だった。鞭のようにしなり、確実に我の腹に当たった。まるで、攻撃のようだった。
すると、奥から繧ョ繝」繧ェ繝シ繧ョ繝」繧ェ繝シ繝シという鳴き声が聞こえる。
何かリジェにあったのかもしれない、リジェが何かから我を守るために尻尾で吹き飛ばしたのかもしれない。
そう考え、闇に乗り、全速力で元の場所へ戻ると、リジェがいた。元の巨大な体に戻り、皮膚が腐りながら、暴れ回る化け物として。
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昔のドラゴンは、龍と呼ばれていた。
それは、神秘的であり、今よりも恐れられた存在だったからである。
なぜ神秘的な存在だったかなど今は忘れ去られているが、それは、圧倒的な力でも空を飛ぶことでもなく、生命エネルギーを永久にリサイクルすることによって、寿命をなくしていたからだった。
だが、一つ欠点があった。それは、肉体が耐えきれないのだ。肉体が限界を迎えた龍は、崩化ということが起こる。
崩化が起こった龍は、体が崩壊し、完全に体が壊れるまでの間、痛みによって意思を失い、暴れ回るのだった。
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もう無理だった。
暴れ回る化け物をリジェとしてはもう見れなかった。崩化は、体の崩壊が終わるまで続く回復龍として自動回復が行われているリジェが死ねるのは、何千年後か何万年後かもしれないし、もしかしたら一生死ねないのかもしれない。
だから、ここで殺さなければならない。暴れ回る化け物の攻撃を避け、闇を固め、飛ばし、遠距離から質量攻撃をしてみる。
体が腐り、崩れが進むが、すぐに回復してしまう。埒が明かないので、自ら攻撃をしようと前に出る。
すると、腕が切れたらしい。痛みも取れた感覚もないほど早く、鋭く切れていた。
その瞬間、パンッ、切れた腕が破裂する。そして、それに気を取られた時だった。
龍の腕が我の目の前にあった。吹き飛ばされるのは、防がなければならない。龍の手が我に当たり、吹き飛ばされそうになるが、どうにか踏ん張る。闇で作ったフルアーマーが壊れるが、勇者の身体のほうが硬い。
皮膚が破裂していくが、耐えた。龍の手が離れていく。どうにか距離を取らなければと思い、闇に乗る。
すると、上に影ができた。ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!
闇を軽々貫通し、殴られる。着実に我にダメージを与えてくる。勇者に殺されたときと同じ感覚に陥いる
だが、突然、殴りが止まった。
潰され、動かない身体を無理矢理動かし、上を見ると、リジェがいた。
我が生きているのにも気づいているのに殺そうともせず、殺気すら出さない。身体は確かに腐り、ぐちゃぐちゃだ。だが、わかる。この龍は、友なんだと。
「縺ゅ∩縺励↑縺ソ縺イ縺溘b縺後°繧?↑縺溘?縺ゅ∩」
何を言っているのかなどわからない。これは、我が死にたくないから聞こえてしまっているのかもしれない。
だが、聞こえる。殺したくない、死ぬなと、そう聞こえてしまっている。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ殺したくない、死にたい。友を信じれず、ゴミのような偽物を張り付け、楽しそうに笑っていた自分など殺してほしい。
だが、駄目なんだ。自己満だって、幻聴だって分かっている。
でも、痛みに耐え、最後までこんな怪物と友でいてくれた龍の頼みなんだ。自分の願いなんて知るか。
全身を闇で纏い、今まで出したことのない回復速度で回復する。
そして、立ち上がり、目の前にいる。リジェに言う。
「もう大丈夫だ。殺してやる」
まるで、悪党のセリフだ。だが、それでいい。我は魔王で友殺しの罪人になのだから。
そして、目の前のリジェだった化け物を殺しに行くのだった。




