四騎士
セイが階段から滑り落ちたのも驚いたが、より驚かされたのは、外から聞こえたどこまでも聞こえるような爆音だった。
緊急事態だと感じた我は、セイをリズに頼み、我は、扉を開け、外へ出た。
そこは、地獄絵図だった。
建物は崩れ、街は燃え盛り、毒を食らったのだろうか、皮膚が爛れ、死んでいる魔人の姿が見えた
すると、声が聞こえる。
聞こえた方向を見ると四人の人間がいた。
大声で笑っている者、身体から何かを分泌し、それを撒き散らす者、祈りながらもマッチの火をつけ、それを地に落とす者、全身から火を出す者。
すると、火を出している人間は、こっちを見る。
「ここで生き残っているとは、お前は、リズか?レイか?」
なぜコイツラがリズとレイを知っているのか。勇者に近い力を持っているであろうこの人間達が、魔王を殺せる存在なのかなど考えず、殴りに行った。
魔王は、死への渇望者だ。
しかし、もう知る者はいないが、魔王が死の渇望者になるのは、魔人の王になった後の話である。
だからこそ、魔王は死の渇望者としての願いを優先するのではなく、王としての責務を全うするのだ。
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なんだこいつは!?
隣では、頭を潰されている[崩音]と呼ばれる騎士が倒れている。
レイという人間は知らんが、リズという悪魔は見たことがある。だが、こいつの強さはそれを遥かに超えていた。
またフルアーマーが見えなくなる。すると、[魔毒]の腕が落ちる。毒を撒き散らそうとするが、首が落ちる。
身体から火を出し、とりあえず、あのフルアーマーが近づけないようにする。だが、火が止まった。
何が起きたのか分からず、フルアーマーを探そうとするが、もう首は動かず、ただ落ちるだけだった。
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まずは、事態を収める必要がある。
五人の騎士の首を闇で包み、最低限の闇以外は火事の沈静化、重症者の治療に専念させる。
セイ、リズ、レイは何も言わなくても理解し、動いてくれるだろう。
そして、魔王は、魔都の外にいるであろう。人間達に、会いに行くのだった。
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四騎士は、人間の中では、最強である。
魔力を音に変える例外魔法を持ち、多くの国を滅ぼした。[崩音]
魔力を様々な毒に変える魔法を持ち、すべての相手に完璧な対応ができる。[魔毒]
無限の魔力と魔力を運に変える魔法を持ち、マッチに火をつけるだけで国を壊す。[壊運]
魔力を特殊な素材に変え、自分の存在を消す魔法を持ち、一部の人間にしか知らされない五人目の四騎士[隠化]
唯一、例外魔法を持たないが火の魔法を極めた、最強の騎士、[最火]
魔法を使うのに最適な身体に改造され、国に忠誠を誓った最強の騎士たちの首が今、目の前にあった。
だが、もうそんなことはどうでもいい。眼前にいるのは魔王だ。
フルアーマーを着ているのも、死んだと聞いたこともすべて関係ない。
その圧だけで魔王だと分かってしまった。
魔王が話し始める。
「なぜ魔王領に侵攻した?」
「魔王が死んだということを聞き、奪われた領土を取り戻す絶好のチャンスと思いまして」
圧倒的な恐怖を前に取り繕いすらできない。
「違う、元々人間より先に魔人たちは住んでいたのだ。権利はこちら側にある。」
は?魔王たちが先に侵略をしてきたという話だ。
いや、たが今思えば、こんな力を持っているのなら、最初から全て侵略できたはずだ。
「もういい、その表情でわかった。今から、言うことを王族に伝えろ。」
従うしかない、首を縦に振る。
「要求は3つだ。もう二度と魔王領を侵略しないこと、人間の国の知識を渡すこと、そして、蘇生の例外魔法を持つものを連れてこい。」
「蘇生の例外魔法など‥‥」反論しようとするが、口を挟まれる。
「必ずいる。我が見る限り人間の王族は何千年か生き続けている。そして、不死という魔法を持つ者は絶対に存在しない。これで話は終わりだ。」
魔王は黒い物体に覆われた後、空を飛んでいった。
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危なかった。全員殺してしまうところだった。
空を飛びながら、怒りを抑えようとする。
それは、最後に仕事があるからだ。
最後の仕事、それは、裏切ったセイへの始末だ。




