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アウトオブあーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 27話 義姉妹水入らず

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。






池図女学院部室棟、あーかい部部室。


……ではなく猫カフェ『キャットハウス鶸田(ひわだ)』の受付。




「やっほーみどりちゃん!お姉ちゃんが来たぞ〜?」




あーかい部の顧問、白ちゃんこと白久澄河(しろひさすみか)の妹モーラと、




「いらっしゃい、お姉様♪」




部員じゃないけどみんなの先輩、みどり先輩こと鶸田(ひわだ)みどりは、ひょんなことから義姉妹っぽい関係を楽しんでいる。




「親御さん、ちゃんと旅行に行けた?」


「はい♪今ごろ電車であの温泉旅館に向かっているはずです♪」


「お、おう……。温泉なんだ。」


「その……すみません。臨時休業とか言っておきながら駆り出すような真似をしてしまって……。」


「いーのいーの!1人であの数のにゃんこどものお世話なんて大変っしょ。ここは義姉妹水入らずってことで♪」


「お姉様……///」




この週末はみどり先輩の両親が結婚記念日ってことで旅行へ。『キャットハウス鶸田』は臨時休業……。常連のモーラはみどり先輩の頼みを聞いて、1泊2日でにゃんこのお世話の手伝いに来ていた。




「おーし、じゃあまず何しよっか!」


「私がにゃんこを引きつけている隙に、ふれあいルームのお掃除をお願いします。」


「お、おう……。」




みどり先輩が着替えてふれあいルームの前で猫用の柵を開けると、にゃんこがワラワラとみどり先輩によじ登り、あぶれたにゃんこはみどり先輩の足下を徘徊した。




「さあ、いまのうちに……!」




二足歩行の毛玉と化したみどり先輩はニャンコの居住スペースへと歩いて行った。




「これがデフォなんだもんなあ……。」




みどり先輩はとんでもなく猫を引き寄せる体質のため、普段は猫が嫌う柑橘系の香水をつけている。香りを纏わなければご覧の通り……。








「ふう。こ〜んなもんかな!……みどりちゃん助けに行かないと。」




モーラが猫の居住スペースへ行くと、そこには死体のように横たわるみどり先輩と、ハゲタカのようにみどり先輩に(たか)るにゃんこの姿があった。




「……掃除終わったけどどーする?」


「1匹ずつふれあいルームに運んでください。」


「……頑張れ。」




モーラはみどり先輩に集るにゃんこを1匹ずつひっぺがしてはふれあいルームに運んでいき、みどり先輩が解放される頃には正午を回っていた。




「いっつもこの調子なん?」


「はい……。お母さんにひっぺがしてもらってます。」


「こりゃ営業中はふれあいルーム出禁にもなるわ。」


「ひいろさんが一緒ならこうはならないんですけどね。」


「隙あらばのろけるじゃん……っていうかひいろは呼ばなかったの?」


「この週末はお姉様との時間ですので♪」


「はぁ……。そーゆーとこだぞ、みどりちゃん……。」


「なんだかんだ手伝ってくださるお姉様の『そーゆーとこ』も好きで




みどり先輩のお腹が雄叫びをあげた。




「……!!??/////////」


「……キッチンどこ?」


「へ?///」


「お昼作っちゃうから案内して☆」


「お姉様ぁ……!///」






お昼過ぎ。




「さ〜て、にゃんこどもってお散歩とかするの?」


「いえ、基本はおうちで過ごします。今日はお客さんがいないので、みんなに構ってあげてください。」


「なん……だと……!?」


「はい?」


「つまりその、貸し切り……!?」


「はい♪」


「私は中にいるとさっきの二の舞なので、外で家事してますね。お留守番お願いします♪」


「おうよ!」




モーラがふれあいルームで猫と戯れていると、小1時間くらいで両手に土嚢のように膨れ上がったレジ袋を持ったみどり先輩が帰ってきた。




「ふぅ……。」


「うわぁすんごい量……。」


「いつものことですよ。それより……、




みどり先輩はキラキラした目でモーラを見つめていた。




「おやつは作ってないけど


「流石にそこまで食いしん坊じゃないです……っ!」




みどり先輩はほっぺを膨らませて抗議した。




「あ〜、そっか!……『おかえり』♪」


「……『ただいま』、お姉様♪」


「「えへへ……///」」




「いんやぁ〜、一人暮らししてるとつい忘れちゃってダメだわ〜。」


「あさぎさんは……?」


「にゃんこ枠。」


「なるほど。」


「荷物貸しな?運んじゃうからさ。」


「流石お姉様♪」


「ひいろもいずれ尻に敷かれるんだろうな……。」


「しきませんよ!?///」




買い出したものを仕分けると、みどり先輩がふれあいルームへ入り猫に集られ地を這う毛玉のお化けと化している隙に、モーラは1匹ずつごはんを与えていった。




「いよぉし、この子で終わりっ!」


「なんとかなりましたね……お疲れ様。です……。」




みどり先輩は力尽きて壁にもたれかかりながら自室まで戻ると、カーペットにへたり込んだ。




「いっつもこんな捨て身なの?」


「いつもはお母さんがやっているので……。私はにゃんこのいないところで掃除とかしてます……。」


「母すげー……。」


「でもこれであとは夜ご飯まではフリーです……。さあ、遊びましょうお姉様……ッ!」


「いいけど、何かしたいことでもあんの?」


「…………、」




みどり先輩は腕を組んで少し考え込むと、




「何しましょう……?」


「無計画かーいっ!?」


「すみません、お姉様と2人で遊べるのが楽しみ過ぎて、内容までは……///」


「あぁぁぁあもう可愛いなあ!?」




モーラはみどり先輩の頭をわしゃわしゃと撫で散らかした。




「クッキーでも焼くかぁ!?」


「……はい♪♪マウント、とっていきましょう……!」


「んん?」




モーラとみどり先輩ののどかな週末は続く……。








あーかい部!(偽)(5)




みどり:なんですかここ?


モーラ:フッフッフ……歓迎するよ子猫ちゃん


あさぎ:ここってそんなテンションだったっけ?


みどり:来ましたねあさぎさん!


あさぎ:あ、ども。


きはだ:みどり先輩だ〜


ひいろ:嫌だったらちゃんと断るんだぞ……?


みどり:みなさん勢揃いですね

みどり:ところでこの(偽)って?


モーラ:イカすじゃん……!


あさぎ:白ちゃん先生への対抗心らしいです


モーラ:もう勝ったけどね♪


ひいろ:人数は勝ったな


みどり:偽者ですがよろしくお願いします……


あさぎ:モーラ姉が誘ったの?


みどり:いかにも!もうあさぎさんだけのお姉様ではありませんよ……?


モーラ:ありませんよ


あさぎ:なんだこのノリ


ひいろ:みどりさん、たまにこうなるんだ慣れてくれ


きはだ:慣れろ〜慣れろ〜


みどり:見よッ!……ですっ

みどり:[画像を送信しました]


ひいろ:良いな、手作りか?

きはだ:うわぁ美味しそうなクッキー


モーラ:美味し『そう』じゃなくて美味しいの


みどり:お姉様とっても器用なんですよ♪

みどり:お昼もお夕飯も頂いちゃいました♪


ひいろ:みどりさんの家で……か?

あさぎ:楽しんでますね〜


ひいろ:そんな、ワタシですら2人きりでお泊まりなんてしたことないのに


モーラ:そこは義姉妹水入らずってことで


ひいろ:そ、そうだよな姉妹だもんな!?


あさぎ:モーラ姉クッキー余ってたらお土産よろしく


きはだ:あさぎちゃんノーダメージで草ァ!

きはだ:ひいろちゃん満身創痍で草ァ!


モーラ:今日は草のバーゲンセールだなこりゃ


きはだ:ひゃっはー!今夜はサラダだぁ!


あさぎ:ただただ健康なヤツ

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