……明日は、一緒に――
「…………はぁ」
ある放課後の帰り道。
閑散とした住宅街の一本道を、溜め息を零しつつ一人歩みを進めていく。そんなあたしの頭を巡るは、人懐っこいクラスメイトの男の子――浦沢琉人についてで。
……なんか、付き合い悪いんだよね、最近。今日だって、一緒に帰ろうと誘っても、なんか用事があるとかで先に帰っちゃうし。
――まあ、実際のところ理由は大方察しはついてるんだけどね。きっと、あの福引きのために何かしら頑張ってるんだろう。まあ、そのために何をしてるかまでは流石に分からないけど。
だけど、もっと分からないのは……どうして、そこまで福引きにご執心なのかということ。
いや、分かるよ? 聞いた話だけでも、1等が魅力的なのは分かるよ? でも……正直、彼にとってそこまでの魅力だろうか? これが、例えば彼の大好きなプロ野球の年パスとかであれば話は分かる。だけど、私の知る限り彼は別段テーマパークに興味を引かれるタイプじゃない。
……いや、でも藤崎テーマパーク――藤パーは昔家族で行った時すごく楽しかったし、ジェットコースターなどテーマパークならではの乗り物が苦手な人でも十分に楽しめる場所だと思う。なので、藤パーなら彼が行きたいと思ってもさほど不思議でもないのかも。……ないのかも、しれないけど――
『――う~ん、そうだね~。うん、やっぱ藤パーが一番かなっ』
休み時間、教室の真ん中辺りで話していた五人の生徒――その中の、クラスのみならず学年内でも可愛いと評判の女子生徒の発言、なのだけど……うん、流石に関係ないよね?
「…………はぁ」
それから、数時間経た宵の頃。
ベッドに横向きになりながら、再び暗鬱な溜め息を零す。あたしの頭を巡るは、あの帰り道とほぼ……いや、全く同じことで。
そんな答えの出ない疑問にモヤモヤしながら、胸元でぎゅっとぬいぐるみを抱く。幼い頃、両親にもらったナマケモノのぬいぐるみを。その頃からずっと私の一番のお気に入りで、寝る前はいつもこの子を抱いてそのまま眠りにつく。この子が一番のお気に入りであることは、きっと生涯変わることがないと本気で思……うん、流石に大袈裟かな? まあ、それはともあれ――
「……明日は、一緒に帰れるのかな」




