ハッタリ
莫大な財産を得た臨終間近な男がいた。
妻も子もいない男は莫大な財産が赤の他人に渡るのが我慢できず、男はある計画を実行に移す。
それは他人も自分の死の道連れにしてやるという計画。
莫大な財産の一部を使って男はある独裁国の軍高官と接触する。
そしてある密約を結んだ。
それは独裁国の軍高官が独裁国と敵対している国に亡命し亡命した後悠々自適な生活を送れるだけの金を渡す代わりに、独裁国が保有する大陸間弾道ミサイルを男の住む街に向けて発射するというものだった。
密約が実行に移されたら、男が第三国の銀行に預けてある莫大な金が軍高官に渡される。
男は所有する豪邸の広い庭に置いた豪華なベッドに横たわりその時を待つ。
高台にある豪邸から見える遥か彼方の空にキラリと光る物体が現れ、高速で男の住む街に向けて飛来して来た。
男の耳に凄まじい轟音が響き渡る。
大陸間弾道ミサイルはドンピシャ、ベッドに横たわる男に命中した。
プチ!
その頃、ある独裁国の独裁者が怒り狂っていた。
「勝手に発射したのは誰だー! ハッタリで所有している大陸間弾道ミサイルに核弾頭を搭載していない事が、海の向こうの大国やその同盟国のクソ共にバレてしまったじゃないかー!」