白
二話目投稿しましゅる^^
一瞬にして目の前が黒から白にかわり、そのあまりにも唐突な展開に頭がついていかず、そのぼんやりとした頭で(灯りだ。これで自由に動くことができる・・・。)などといったあほなことばかり考えていたが、だんだんと目の前から発せられている光が弱くなり、光はやんだ。
だんだんと慣れてくる目に対し、チラホラと視界の隅に黒でもなく白でもなく、『赤』が目に入った。
「っだよ・・・こりゃあ!」
完全に視力が回復したその目に見えたものは 赤、赤、赤 地面には腕、首、足、のどこがが欠けている騎士達の死体と、その欠けている腕、首、足でうめつくされていた。
「ウエェッ」
猛烈な吐き気に襲われ、胃の中のものをドバッとその死体の上に吐きかける。そうして吐いている最中にもその腐臭は鼻を通って直接脳に働きかけているようだった。
これでもかっと思うほど吐いた後、においを無視し、また冷静になって周りを見渡す。
(一体何が起こったんだ?こいつらがつけている甲冑は皆同じ装飾がされているようだし、だからと言って敵と交戦したのだとしてもその『敵』の死体がないのでは同志討ちしか思い浮かばない)
一体なんでなんだと思考している途中でちょっとしたことに気がつく。
(あれ?なんでこいつら『俺』を中心にして倒れているんだ?)
そう、この騎士?達は俺が中心となるようにきれいな円を描いて倒れている。
なんで・・・と思いつつチラリと横を見るとそこには『大きな剣』が地面へと突き刺さっていた。
その剣は地面に刺さっている分を含めなくても1m50以上あり、刀身は黒く輝いていた。そう、白が埋め尽くす前の黒のように・・・。
ちょっとした好奇心からそろそろとその剣へと近づいてゆく。周りの肉塊にちょっとした吐き気を催しながらも足はしっかりと剣のほうへと向かう。
そしてすっとその剣の前に立つ。
不思議なことにその剣の周りには大量の血が散乱しているというのにその剣には全く血は付いていなかった。それにその柄の部分には目立った装飾はされていないものの、悠然と傷ひとつなく黄金色に光って自己主張していた。
そこで自分があっと思った時には既に遅かった。
その悠然と輝くその柄を片手でつかみ引っこ抜いていたのである。
(うわ・・・でかい・・・でも、重たくない?)
そう、その剣は全く重さというものが感じられなかった。試しに二度三度振ってみるものの、これでは短剣のほうが重たく感じてしまうほどの軽さだった。
(これは・・・)
そしてその軽さもさることながら、その剣は異様に手になじんだのである。
自分はこの剣を初めてこの目にし、初めて振ったのであるというのにこの剣はまるで長年共に闘ってきた愛剣のように手になじんでいるのである。
そうしてその剣のすごさをまじまじと理解したとき、隣りからコロンという音が聞こえてきた。手から何かものを落としてしまったように。
(ここには死体しかないはず・・・!?)
急いで音のしたほうを振りかえるとそこには今までいなかったものが存在していた。
(なんて・・・きれいなんだ・・・)
それは死んでいるにも関わらず素晴らしい美しさを放っていた。確かに今までここには存在していなかったそれは自分と同じ16~18歳ぐらいの少女だった。しかしただの少女ではなかった。その姿はまさに姫、端正で整った顔はくぅくぅと寝息をたてているように、いまだにその少女が呼吸をし、生きているかのようにほんのりとした赤みをおびていた。着ている服も平民が一生働いても買えないようなドレスだった。その少女は心臓を一突きにされているようだったがその血をうけて尚そのドレスは黄金に輝いていた。
――とそこで少女の近くに楕円形をした小さなペンダントが落ちていた。
すっとそれを拾い上げ、見てみるとそれは表面がきれいに彫られており剣と花が形づくられていた、少し雑ではあるがなかなかの価値がありそうなものだった。してそれの側面には隙間があり、開けられるようだった。しかし触った感触からそれがさっきすさまじい閃光を起こしたものだと直感的に思っていたので、少しビクビクした顔を遠ざけながら開けるとそこには バシッ
一瞬遅れて閃光が放たれ中身を見ようとしていたためもろに光をうけて視界が真っ白に染まると、なぜそう思ったのかはわからないがこの白が自分を塗りつぶそうとしているのだと思い、必死に離れようとする。だが下が見えないうえに急いで動こうとしたため足をひねってこけてしまった。(チクショー俺の馬鹿!)などと思いつつも起き上がろうとするも上から謎の重圧がかかっているためどれだけ手に力を入れようとも体を持ち上げることはできなかった。本気で息苦しさを感じた時、手が自分の腰のあたりにあるものにあたった。もう白しか見えない目でそこを見るとそこにはさっきと変らずに黒々と輝く漆黒の剣があった。この白の世界で唯一見えるものを見つけたことで安堵し、それを自分の胸のあたりにまで引っ張り上げ、抱きしめるような形で丸まった。
(頼む、助けてくれ!!!)
そう願うと一気に今までの重圧が嘘のようになくなり、えっ、助かった!と思ったときには今までの重圧とはかけ離れた重圧が全身へとかかり、黒剣でさえも見えない白の世界へと意識は落ちていき、そして覚醒した。
こんなに長く文を書いたのははじめてなのでいろいろと気になる点がありましたらどしどしアドバイスまっています^^
次からやっとプロローグに入るわけですけども、三連休中に投稿できるかはまだよくわかりませんが、頑張りたいと思います。
アドバイスどしどし待ってます^^