「ミキ×フミを見守る会」改め「貴婦人」のティータイム
西野さんが連行されて行き、残った病院スタッフとフミ様は事情を訊かれている。
私達は別のテーブルに移り、小声で乾杯をしてティータイムをしていた。お茶のお供は何と言っても、
「あんたに史緒はやれねえ」
「キャー!」
「ミキ様最高!」
「愛ね!」
これでお茶を何杯でもいける。
病院スタッフの「魔物を実際に見てみるダンジョン体験会」の引率は、講習会で回る浅い比較的安全な所だけのものだったが、それでも完全な素人を引き連れて歩くので気は使った。しかも協会からの料金はそれほど高くはなく、ババを引いたという感じはした。
しかしいざ話を聞くと、フミ様の元同僚がいる、前の勤め先だったとわかった。
なので雑談も弾み、特に女性看護師とは同じ趣味の匂いもして、色々な話も聞けた。そう、西野さんの話である。
「フミ様になんてことをするのかしら、あの女狐」
「でも、ミキ様がバシッと!」
「決まったわぁ」
「いやあ、やっぱりミキ・フミよ」
「いいものを見させてもらったわ」
「ええ。依頼の料金以上の価値は十分あったわね」
「引き受けてよかった!」
そうしてにっこりと、貴婦人のような笑みを浮かべた私達貴腐人は、フミ様とミキ様の座るテーブルへ目をやった。
「これからも、陰ながら見守りましょうね」
我々の結束は固い。
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