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第四話 部屋に打ちのめされる少女

いよいよお部屋に到着。

しかし梓(あずさ)を襲う都会の洗礼は、まだまだ続きます。


どうぞお楽しみください。

 エレベーターに二人きり。

 階数表示を見てるお兄ちゃんの横顔をじっと見つめる。

 あぁ、やっぱり好き!


「? どうした梓(あずさ)?」

「な、何でもないよ」


 振り返って微笑む顔も素敵!

 ……嬉しいけど、ちょっと不安。

 こんなにカッコいいお兄ちゃん、女の人が放っておかないもん。

 ……もう彼女とかいたら、どうしよう……。

 あ、さっき『二部屋買った』って言ってた!

 ……彼女さん用だったら……!


「……ねぇ、お兄ちゃん……」

「何だ梓?」

「お兄ちゃんって、その、か、彼女とか、いる、の……?」


 お願いお願い!

 いないって言って!


「そんなのいないよ」

「!」


 やったぁ! ありがとう神様!


「今は仕事の事で手一杯でさ。恋愛する余裕はないかな」

「……」


 ……そんなぁ……。

 でも、そばにいれるなら、可能性はあるよね!?

 仕事で疲れたお兄ちゃんを、毎日お家でお出迎えしてあげるんだ!

 それってもう奥さんも同然だよね!

 よーし、頑張ろう!

 今まで暗くて寒いお家に、一人で帰って来ていたお兄ちゃん。

 これからは私が……!


「着いたよ梓」

「あ、うん!」


 エレベーターを降りると、やっぱり豪華な廊下。

 大理石みたいな綺麗な床。

 雨の日とか滑ったりしないのかな……。


「ここが俺の部屋」

「お、お邪魔します……」


 重そうな扉に気圧されそうになりながら、お兄ちゃんに続いて部屋に入る。


「!?」


 明かりが急に点いた!?

 お兄ちゃんはスイッチに触ってないのに!?

 ! もしかして、中に彼女じゃなくて奥さんが……!?


「お、お兄ちゃん、中に誰かいるの……?」

「いや? センサーで人が入ってくると自動で明かりが点くんだ」

「そ、そうなんだ……」


 都会にはそんなすごい明かりが……!

 で、でもお部屋の温度とかは、人が、いないと……?


「な、何だか涼しいねお兄ちゃん……」

「あぁ。携帯のGPSで家の五百メートル圏内に入ると、エアコンが自動で起動して、最適な温度にしておいてくれるんだ」

「……!」


 な、何よ何よ何よ!

 都会のお家ってみんなこんななの!?

 何でも自動でやっちゃって!

 これじゃあお兄ちゃん、一人でも全然平気じゃない!

 私が、お兄ちゃんに、色々してあげたいのに……!


「梓、疲れたか?」

「え? う、ううん、そんな事ないよ?」

「無理するなよ。いきなり知らない土地に来たんだから、疲れるのは当たり前だ。とりあえず少し寛いで、荷解きはそれからゆっくりやればいいさ」

「……! ありがとう、お兄ちゃん!」


 優しくて、あったかい……!

 挫けそうになっていた気持ちが、力を取り戻すのを感じる……!

 やっぱりお兄ちゃん、大好き!

読了ありがとうございます。


頑張れ梓(あずさ)!

機械がいかに優秀でも、家に誰かいるっていう空気は出せないから!

慣れるとそれが鬱陶しくもなる事もあるのですが……(汗)。


次話もよろしくお願いいたします。

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