第一話 夢を抱く少女
いでっち51号様主催『ご当地になろうフェス+』参加作品です。
タイトルを見て不穏に思われた方もいるかと思いますが、安心してください。衣谷強ですよ。
ライトなラブコメですので、どうぞお気軽にお読みください。
「あ! お兄ちゃん! 会えて良かった!」
「おう梓。大きくなったなぁ」
「うん! もう大学生だもん!」
「そうか。早いもんだなぁ」
やっと、やっとお兄ちゃんの所に来れた!
東京の大学に合格して、従兄弟の武お兄ちゃんの家に下宿させてもらえる!
名目上はアパートが見つかるまでって事だけど、同居の間に恋人になっちゃえば問題ないもんね!
そのためには、料理、洗濯、掃除、洗い物、何でもできるところを見せて、
「梓……。俺のお嫁さんはお前しかいない……!」
とか言われちゃって言われちゃって!
このために家でいっぱい花嫁修行してきたんだから!
頑張らないと!
「じゃあ俺車取ってくるから」
「車? あ、うん、わかった」
軽トラかな。
流石にトラクターじゃないよね。
あ、オート三輪で二人乗りもいいなぁ。
「お待たせ」
「え? あ、う、うん……」
見た事ない車……。
これが都会の車、なのかな……?
あ、でも前に軽トラで見たのと同じマークがある。
あれは赤かったけど、これは銀色で細い……。
都会だからお洒落にしてるのかな?
「シートベルト締めたか?」
「うん」
「じゃあ行こう」
わ、音が全然しない。
都会の車は静かなんだな。
何だか驚く事がいっぱいだけど、お兄ちゃんのそばにいられるならきっと大丈夫!
読了ありがとうございます。
武の車のメーカーも、梓の知ってる軽トラのメーカーも、頭文字はMです。
答え合わせは感想欄で(露骨な感想要求)!
さて恒例の名前の由来シリーズ。
日生梓→日+生=星 梓を『し』と読んで、星が『スター』で『シスター』。
螺澤武→武を『ぶ』、螺を『ら』、澤を『ざわ』と読んで、『ブラザー』。
……堪忍や……。堪忍してつかぁさい……。
引き続き第二話をお楽しみください。