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【短編】たとえ、世界が滅んでも、私はきっと変わらない。

作者: 深渕卿


朝、目を覚ます。


本当はまだまだ寝ねたいけど。


歯を磨く。


シャカシャカ、しっかりと。


そして顔を洗う。


バシャバシャと水が跳ねる。


ふんわりタオルで顔を拭ったら、パンを機械にセットして、コップに牛乳を注ぐ。


ほんの少し、待ちぼうけ。


"チーン"とパンが焼けた音がした。


こんがり焼けた食パンを、お皿に乗せてバターを塗る。


お皿と牛乳を持ってテレビの前の食卓に移動する。


「いただきます。」


しっかりと食事の挨拶をして、バター香る食パンに手をつける。


うん、美味しい。いつもの味だ。


食後、少しの休息時間。


牛乳を啜りながら、いつもの様にテレビをつける。


今日のニュースはなんだろな♪


私が毎日、ほんのちょっぴり楽しみにしている事だ。


悲しいニュースもあるけれど、嬉しいニュースも存在するから。


丁度今、速報が入ったらしい。


近いうちに、お星さまが降ってくるって。


画面の中は大混乱。


自暴自棄になってる人が沢山いる。


どうしてだろう?そんな事しても変わらないのに。


私は、まだ慣れない制服に着替えて学校の準備をする。


やっと入れた高校の、かわいい制服。


胸の刺繍がお気に入り。


鞄の中身をチェックして、足りないものを詰め込んで。


うん、とっても良い感じ。


鞄を持ったら、靴履いて、扉をくぐって。


「いってきます。」


鍵締め確認、しっかり、戸締りしないとね。


見慣れたいつもの通学路。


電信柱をよく見てみれば、下の割れ目にお花がちょこん。


今日は朝から良い物見れた。


それから、歩いて、登って、下って曲がる。


またまた、曲がって、歩いて、下って、それから登る。


いつもの道をいつもの様に。


ようやく学校が見えて来た。


だけど、赤信号が、通せんぼ。


早く青に、ならないかな。


目の前を通り過ぎる、車たち。


そうえば今日は、ほんの少し減ったかも?


そんな事を考えてたら、"ピヨピヨ、ピヨピヨ"音が鳴る。


可愛らしいから、実は好き。


歩道を渡って、学校へ。


門をくぐって到着だ。


隅に生えてる、桜の木。


今はすっかり、緑色。


ピンクのお花も、綺麗だけれど、今の桜が好みです、命を一番感じるから。


そんなこんなで下駄箱へ。


靴を脱いで、履き替える。


階段登って、教室へ。


扉を開けたら誰もいない。


教卓の上に、資料がポツン。


しばらく、学校ないってさ。


ほんの少し寂しいけれど、私は帰路につく。


階段下って、下駄箱いって。


靴を履き替え、桜を見上げ。


門をくぐって、さようなら。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 何もかもを諦めているわけではなく、単にいつもと同じように過ごしたかっただけ……。主人公、中々芯がしっかりしていて格好いいですね。何があっても自分らしくいるその姿勢、素晴らしいです。
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