産まれた!!
とある一室にて。落ちつかなく部屋の中を行ったり来たりする男がいる。時々上を向き、ぼんやりと何か考えては溜め息を吐く。
男の名前はルーク。細身の体にもかかわらず筋肉がしっかりとついている。
「ルークお兄様、まだまだ時間はかかりますので少しは落ち着いてお座り下さい。」
豪華なソファに腰をかけながらうろうろとしている兄に声をかける。
「いや、そうはいうがな・・・。」
立ち止まり妹に向かいながらも落ち着かない様子で答える。
「無事に産まれてくれればいいのだが・・・。」
隣の部屋では苦しそうな女性の呻き声が聞こえてくる。妻の初めての出産である。産気づいてから数時間が経とうとしている・・・。
「オギャー!!、オンギャー!!」
隣の部屋から妻の出産に立ち会っていたメイドが扉を開ける。
「う、産まれました!!元気な男の子です!!」
男は妻のいる部屋の中に飛び込むように駆け込む。
「マリー、ありがとう。よく頑張った!」
妻の美しく真っ直ぐな長い髪を優しく撫でる。妻は疲れているにもかかわらず、笑顔で微笑む。
「この子に名前をつけてくださらないと。」
「うむ。そうだな・・・。」
男は、妻の横に寝かされた赤ちゃんを優しく抱き上げる。そして、赤ん坊の顔を見ていくつか考えてあった名前の中から一つを選び出す。
「この子の名は・・・、アル。アルドリック・グローリアだ。」
赤ん坊と妻の顔を見ながらそう答えた。




