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平和な世界

 半分諦めながら色々考えていると、石の床を誰かが降りてくる高い音がリピートの合間から聞こえます。


 助けかな。警察じゃなければいいけど。


「茜ちゃん、もうそろそろご飯の時間だよ」

 桃ちゃんの声が聞こえます。


 やはり、家の地下牢獄を貸していることからわかっていましたが桃ちゃんは茜に手を貸しているようです。


 幸い、声の感じからして桃ちゃんは別に脅されているわけでは無いようです。


「ちょっと、ご飯作ってくるね」

 茜は耳もとで囁いて離れていきます。


 足音から二人とも上に上がっていったようです。


 リピート音だけになると、視界が真っ暗で手足も拘束されているためかなり怖いです。


 茜は考えていたかわかりませんが、茜が抱きついていたため安心できていたようです。


 かなり茜が早く戻ってきて欲しいと思ってしまいます。


 体全体を動かして、拘束が外れないか試してみますが少しも体は動きません。


 ここで火災とか地震とか起きたら自分では何も出来ずに死ぬんですよね。それは最悪です。


 手足の拘束具を外す方法は関節を外すか鎖を切るしか無いですが、関節を外せる人間では無いですし鎖を摩擦で切ろうとも何年かかるかわかりません。


 結局、茜を説得するしかないんですよね。



 side 平石わかば


 かなさんが私の家に向かうと言ってから30分も経たずに玄関のチャイムがなりました。


「わかばちゃん」

 玄関を開けると私はかなさんに抱きつかれます。


「大丈夫だった?」

 かなさんはゆかちゃんと同じように私の目をしっかり見て話してくれます。


「ぐすっ……、私は大丈夫です。それよりゆかちゃんが、ゆかちゃんが」


「一端、落ち着いて。何が起きているか話してみて」


 私はかなさんに背中を優しくさすられながら今私が知っているゆかちゃんの情報を話します。


「一般家出人に分類されるのか。警察は多分動かない」


「そんなぁ」

 これで警察が動かないなら、何のために警察があるのだろうか?


 警察が動かないならどうやってゆかちゃんを探せばいいの?


「わかばちゃん、ひかりちゃんという子とクラス同じ何だよね?」


「はい」


「電話番号が載っているクラス名簿は持っていないかな?」


 そうか、ひかりちゃんのスマホには繋がらないけど家の電話は繋がる可能性はある。


 自分の部屋に急いで戻る。


 リビングにいる母親は私を迷惑そうな目で見ているが無視である。


「確かここに」


 ……


「あった」


 電話番号は書いてある。



「ありました。電話かけてみます」



「もし、ひかりちゃんが帰って来ていないようだったら会えないか聞いてみて」


「わかりました」


 電話をかけると4コール目で出る。


「もしもし、こんばんは、ひかりちゃんと同じクラスの平石わかばと言います。ひかりちゃんはいらっしゃいますか?」


「もしもし、こんばんは、ひかりの母親です。わかばちゃんってピーチのメンバーなのよね。凄いね。私、ピーチの三人をみんな応援しているからこれからも頑張ってね」


「……あっ、……ありがとうございます」


「じゃあ、ひかりに変わるわね」


「……あっ、はい」


「もしもしわかばちゃん。家の電話にかけてきてどうしたの?」

 電話越しにひかりちゃんはいつも通りである。


 誘拐はされていないのかな。


「えーと、ゆかちゃんって今どこにいるか知らない」


「あれ、茜ちゃんから電話無かった?今、ゆかちゃんは京都で昼食中に倒れて今病院にいるよ」


「そうなんだ」

 ということは、誘拐はされていないのか。

 病院にいて電源を切られていたから繋がらなかったのか。


「病院の名前はわかる?」


「ごめん、わかんない」


「…ありがとう…。突然かけてごめんね」


「いいよ。またね」


「ばいばい」


「…良かったー…」

 私は座り込み。スマホを置く。


「どうでした?」


「…ゆかちゃんは昼食途中で倒れたらしく病院に行っているそうです…」


「誘拐じゃ無かったのは良かったです。ですけど、こんな遅くまで電話が繋がらないほどの病気なんて大丈夫ですかね」


「…確かに…。…だけど、病院の名前がわからないのでお見舞いいけません」


「そうなんだ、残念ね」


 今すぐにもゆかちゃんに会って無事を確かめたいのに本当に残念です。


「ゆかちゃん。楽しみにしてたひなこ様のライブ来るために頑張って治して欲しいですね」


「明後日のライブですね。ゆかちゃんと連絡とれたらかなさんに連絡した方がいいですか?」


「お願いするわ。でわ、そろそろ失礼しますね」


「今日はありがとうございました。一つだけ訊かせてください。今日は何で私を心配してくれたのですか?」

 正直、私とかなさんの関係はゆかちゃんを挟んだものでそんなに仲良くありません。


 天使のゆかちゃんやアイドルの仲間のピーチのメンバーとは違います。


「困っている人を助けるのに理由なんていらないよ」


 ゆかちゃんもピーチのメンバーもそんな気持ちだったのかな?


「まして、友達なのに」


「……友達?」

 私は口をてで隠す。


「友達とは思われていなかったのか残念。もう少し頑張らないとね。じゃあ、またゆかちゃんと一緒に遊ぼうね」

 かなさんは私の態度をみて落胆した風もなく笑顔で去っていきます。


 友達ってそんな軽いものだっんだ。

 仲良くなりたいと思えば良かったんだ。


 ピーチのメンバーを遊びに誘ってみよう。


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