1章プロローグ
「ひなこたん、ひなこたん、うぉーー」
「ひなこたん、ひなこたん、うぉーー」
曲の間奏に全力で合いの手をいれる。
それが私達の愛を伝える方法だから。
藤原 ゆか、17歳。ひょんな事から36歳のおっさんから転生したけど、心踊る冒険や世界を助けもせずに、全力で推しアイドルを応援しています。
「ゆか氏、ゆか氏、今日もひなこさん可愛いかったですね」
メガネをかけて、リュックサックを背負い、首にひなこloveのタオルをかけた女性である、りかさんが話かけてきます。
「そうですぅ、そうですぅよね。やっぱりひなこさまはお可愛いいですぅ」
ロリータ系のファッションに身をつつみ、動作がいちいちあざといこの女性はかなさんです。
なんと現役のオタサーの姫です。因みにそのサークルの名前はアイドル研究サークルです。男はかなさんじゃなくてアイドルを愛でましょう!
この二人は最近ひなこたんライブで仲良くしてもらっている、珍しい女性の同士たちです。
「やっぱり、ひなこさんの生声は脳汁溶かされちゃいます。聞いた後は何も考えれないです」
「そうですぅよ、そうですぅ。もぉ、中毒になっちゃいますぅ。禁断症状がでてますぅ。ひなこさまが周りに一杯ですぅ。幸せです。天国ですぅ」
完璧な同士です。
心踊る冒険をしなくても情熱的な恋をしなくてもこうやって日々楽しく生きていけるならそれは満足だと思います。
更に私は美少女ですから。
では私の少し頭のおかしな面白おかしい日々をどうぞ。