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変わりゆくもの

side 平石わかば


「君達ピーチの担当プロデューサーとなった近藤 敦だ。これから、一緒にトップアイドル目指して頑張っていこう」

柔和なイケメンが頭を下げる。


「こちらこそ、宜しくお願いします」

ピーチのリーダーであるさゆりが私達に率先して挨拶する。

「宜しく」

「…宜しく…」


ピーチは着々と人気が出てきている。

単独ライブも成功させ、その後の公演も必ず箱が埋まるほどの人気。


グッズなどの売り上げも順調に伸ばしており、深夜テレビへの出演も決まった。


ピーチは今、そんなのりにのっているアイドルなのです。


私達をより効率的に売っていくために、ピーチは今の芸能事務所から親会社でありよりマスメディアなどに顔のきく、大手の芸能事務所に所属を変更しました。

今回はそれに伴うプロデューサーの変更である。


今までのよれよれのスーツを着たなよなよしたやる気なさそうなプロデューサーから、スーツをしっかり着こんだ顔は温厚そうだけど、熱血そうで、ゆかちゃんが嫌いそうな、ここ一番重要、プロデューサーに変わって正直面倒です。


私にとって、ゆかちゃんという一番のファンに見てもらえるかどうかが、アイドル活動の中で一番重要なのです。


後のファンは、ピーチの残り二人のメンバーが愛を届けてくれます。


「厳しいことを言うが、アイドルは旬が命だ。旬を過ぎたアイドルは落ち目になって、大抵は消えていく」


「そして、君達、ピーチの旬は今だ。だから、今、売って、売って売りまくって、知名度と人気を稼ぐぞ」


「今が頑張り時だ!」


とか言ってこういう人はいつも頑張り時だって言うから信用ならないです。


「ということで、君達に新しい曲を用意した。これを来週の公演にまで練習して発表してもらう。新しいピーチの第一歩だ!」

片手でガッツポーズを作りながら言う。


帰りたい、今すぐ、帰ってゆかちゃんのあの豊満な胸の中にダイブしたい。


「待ってください。来週って、一週間しか無いんですよ。たったの7日、そんなので覚えられるわけないじゃないですか」

さすが、我らのリーダーさゆりちゃん。


ごめんなさい、そういえば、さっきの言葉間違いでした。

私はゆかちゃんに愛を届け、もう一人のメンバーである花ちゃんが自分に愛を届け、リーダーのさゆりちゃんがゆかちゃんを除くファン全員に愛を届けています。


我らがピーチはさゆりちゃんによって成り立っているのです。

よって、さゆりちゃんが無理といえば無理ですし、さゆりちゃんが出来ればそれがピーチとして出来ることなのです。


「出来る、出ないんじゃない。君達がこれからトップアイドルになるためにはやるしか無いんだ」


"the 精神論"


これぞ悪しき日本の風習。

打倒プロデューサーをしないとまずい気がする。


「はい、やります」

さゆりちゃん、なんで、頷いてしまうの。


私は花と目を合わせる。


さゆりちゃんがやると言っているから今回は諦めてやることを決めた。


「大丈夫だ!今週一週間はダンスの先生に毎日来てもらことになってる」

凄いなー。


「更に、マネージャーに毎夜、危ないので車で家へ送ってもらう」

過労死だめ、絶対。


「勿論、土曜日の練習は俺も一緒に出る」

働いてください。


「一緒に頑張ろー」

「おー!」


「「お~」」

私と花はやる気がない。


「一緒に頑張ろー」

さゆりがこちらを期待する目で見てくる。


私が花の方に目線を向けると花もこちらにやれやれといった感じで目線を向けていた。


リーダー様々のご希望です。

少しは張り切ってやりますか。


「「「おー」」」

私達の声は大きく響いた。


基本的に私はゆかちゃん優先だけど、アイドルも少しは頑張るか。


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