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余裕の能力発動
「…要はあらゆる能力に限界が無くなる…ってこと?」
女神の説明を聞くに、そういう能力らしい。
「そういうこと!」
ビシッと女神が指を指す。
「…具体的にはどんな感じなんだ?」
能力に限界が無くなるって言ったってなぁ。
俺自身に特殊能力とかはない訳で。
「よし、じゃあ試してみようか!」
そういうと女神はパチン、と指を鳴らした。
ズドンッ
「おわっ!」
目の前に巨大な石の壁(?)が現れた。
「なんだこりゃあ…」
「君にはこれから、この壁をこわしてもらうよ‼︎」
は?
「いや…いやいやいや、無理でしょ」
「ふふん、試しに思いっきり殴ってみてよ!」
いやいや…こんなの思いっきり殴ったら、俺の拳がブッ壊れちまう。
グラッ
え?
壁が傾いて…!
「倒れ…!」
ヒュッ
ゴシャアッ
何かが砕け、飛び散る音。
思わず突き出した右拳の先の柔らかい感触。
瞑ってしまった目を開く。
「…嘘だろ…!」
石壁の残骸が、数十メートルは離れた場所に転がっていた。
「今の君はあらゆる能力に限界が無いからね!腕力だってこの通りなのさ!」
「…すごい…!」
この能力…ヤバすぎる!