第1回 プロローグ
「あのね、B君ちょっと聞いて。」
『なんだい?A君。』
早朝のファミレスで顔を突き合わせる二人の男。
録音を開始し、いつもの口上で語りだす・・・。
「あのさぁ、この間心霊ナントカを見てたのよ。」
『うん。』
「色々なね、怪奇現象~とか幽霊騒ぎぃ~とかね」
『まぁ、そうだろうね。』
「なーんか腑に落ちないのよねぇ。」
『何か?』
「みんな何か陰気すぎない?一体くらい陽気なの居てもよくない?」
『そんなもん知らんがな。』
「もうちょっとさぁ、ほらさぁ、なんかさぁ、『ぱんぱかぱーん!大当たり~!』みたいな感じで出てこれないの?」
『おいおいおい・・・。』
「ほらさ、大概人を取って食おうとしてるよね、あれ。」
『そりゃまぁ、それが幽霊の仕事だからね。』
「人って食って美味しいの?」
『知らんがな、てか知りたくもないな。』
「あとさ。」
『はい?』
「怪談話に出てくる幽霊って生きてる人を憑り殺してミッションコンプリートぉ!みたいなところない?あれってどうかなぁと思うわけよ。」
『いやまぁ、人は死ぬことに対して漠然とした恐怖を持っているものだからな、そこを煽らないと話にならない。』
「いあでもさ、やっぱり幽霊の世界もノルマってのがあるのかな?幽霊組合みないなものがあって今月は〇人憑り殺してね、よろしくね。ノルマ達成できないと給料減額だから、みたいな?おお怖い。」
『幽霊の世界も世知辛いのか。』
「で、だ、今日はそのことについてラジオドラマでもやってみようかなと、はい、これ台本。」
『え?いきなり?』
「うん、咳払いとか噛んだりとかは編集で何とかなるから、ほんじゃま、いっちょスタートぉ!」
(マジカヨ・・・。)