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第五章

朝の六時にも関わらず緊急招集がかけられ、アルテミスメンバーが店内に集まる。

「すみません、咲恋さん……お母さんが大変なのに……」

「大丈夫よ、大した風邪じゃなかったわ。それより参ったわね……まさか、龍我探偵、どっか行っちゃうなんて」

「記憶が戻ったんちゃうか? 犯人捕まえに行ったとか?」

「それならいいけどな。単純に怖くなって逃げ出したとか。今の奴の精神状態ならあり得そうだ」

 確かに……ここにいていいのかと自問自答していたしな。

「ったく、何やってんのよ、あんたら!? 見張ってたんじゃないの!?」

「ご、ごめんなさい……」

 七五三さんに叱責され、目にいっぱい涙を溜める満笑ちゃん。ブルブル震えていた。

「あの、すみません! 僕のせいなんです。交替で起きているつもりだったんですけど、満笑ちゃんに先に寝てもらったら、僕もウトウトしてきちゃって、それで……」

「……!」

「馬鹿じゃないの、全く!」

「今はそんなこと言ってる場合じゃないわ。探しましょう、一刻も早く。警察に見つかったら逮捕されちゃうわ」

「そうだな。一応、ドラゴンナイツに頼まれた義理もあるし」

「そういうことなら任しとき。うちの発明品の出番やな」

 聖奈ちゃんは携帯電話を取り出し、地図を画面に出す。

「へっへっへ~、実はな、あいつの上着に発信器取り付けといたんや、こんなこともあろうかと思うてな」

「本当、聖奈ちゃん!? さすが!」

「すぐ追いかけるで。ついてきいや」



聖奈ちゃん先導の元、龍我探偵の追跡が行われる。僕と満笑ちゃん、咲恋さん、風音さんがついていき、七五三さんと音彩さんは何かあった時用に店で待機している。

「有人ちゃん、ごめんね、さっきは……」

「えっ?」

「私が眠っちゃったのに、庇ってくれて……」

「ああ、いいよ、そんな。三時間経っても起きない僕も悪いんだし」

 とはいっても、龍我探偵も寝ている中、目覚ましもセットできないし、しょうがないっちゃしょうがないんだけど。それにぬいぐるみを渡したのもまずかったかな……。緊張感が解けてしまったか。

「……私、本当に使えないよね。喫茶店のお仕事はドジばっかりだし、張り込みさせたらおトイレ行きたくなって持ち場を離れちゃうし、見張りをさせたら眠っちゃうし……。もうなんか、自分が嫌になっちゃうよ……」

「そんな、たまたま失敗が続いちゃっただけだよ。気にすることなんか」

「ずっと私、一人何の役にも立たないことが嫌だったの。聖奈ちゃんは発明品で活躍しているし、七五三さんは顔が広くてマスコミ関係の人から情報を集められるし、咲恋さんは凄い仕事できるし、音彩さんは優れた五感を探し物に活かしてるし、風音さんは強いから、トラブル解決に役立ってるし……私なんか、ちょっと可愛いだけしか取り得がないもの」

 自分で言っちゃったよ……。ここに名前の出てこないウェイトレスもまだ何人かいるのだが、自分を責めるあまり優れた人とばかり比べてしまっている満笑ちゃん。

「ずっと昔からほんわかしてて、もっとしっかりした人になりたくて探偵になったのに、いつまで経っても、私……!」

「……無理して背伸びすることないんじゃないかな?」

「えっ……?」

「満笑ちゃんは満笑ちゃんなんだから、自分らしくするのが一番いいと思うよ。満笑ちゃんが凄いって思うみんなだってそうだと思うよ? みんなそれぞれ、自分の長所を活かして活躍している。じゃあ満笑ちゃんの長所は何だと思う?」

「私の……長所……? 可愛いところ?」

 ああ、また……。

「そのほんわかしたところだよ。見る人、みんなが癒される笑顔。この間だって、泣いていた颯士くんを泣き止ませたじゃない。それに僕だって、毎日満笑ちゃんの笑顔に元気をもらっているし」

「な、何か照れちゃうな……」

「昔ね、僕にこんなことを言った人がいたんだ。男は男らしくとか、女は女らしくしなきゃいけないって決まっているわけじゃないから、自分らしくするのが一番いいって。僕も無理しようとしていた時期があった。でもその言葉のお陰で気が楽になったんだ。だから今は、前ほど自分が嫌いじゃなくなった」

「……そうだね、うん」

 ようやく笑顔を取り戻した満笑ちゃん。

「ありがと、有人ちゃん。有人ちゃんにそれ言った人、凄いね」

「そうだね。今でも尊敬しているよ」

「有人ちゃんが男の子だったら、私、好きになっちゃってたかもね」

「えっ!?」

「えへへ、なんてね♪」

 ドキッと心臓が跳ね上がる。そして「なんてね♪」って言う満笑ちゃんの表情がまた可愛すぎて、ああ……。

「見つけたで!」

 気が付くと、聖奈ちゃんが龍我探偵を補足していた。

「おい、待てよ!」

「! 皆さん……!」

「龍我探偵、どこへ行こうっていうのよ? 何で黙って出て行ったの?」

「これ以上いては、皆さんに迷惑がかかると思って、それで……」

「もうとっくに迷惑かかっとるちゅうねん。ほら、帰るで。うちらのこと思うなら、大人しく店に戻ってくれへんか?」

「で、ですが……!」

 聖奈ちゃんは持ってきた帽子とマスクで龍我探偵の顔を隠す。朝早い時間とはいえ、結構人通りもある。いつ通行人に指名手配犯だと気づかれてもおかしくない。

「警察に行こうとしてました、龍我探偵?」

「はい、確かこの道でよかったと思ったんですが……」

「合っとるで。あんた、記憶戻りかけてるんとちゃうか?」

「かも……しれません」

「ならなおのこと、今警察に捕まるのはよくないわね。とりあえず、タクシーでも拾って戻りましょう」

 すると、一台の車が近くを通りかかる。運転しているのは僕らの見慣れた顔だった。

「あれ、どうしたんですか、こんなところで? アルテミスの皆さんじゃないですか」

「六月一日さん?」

「その人……どこかで見たことありますね?」

 龍我探偵の顔を見て、怪しむ六月一日。ま、まずい、正体に気付かれたら……!

「ああっ、そうや! なあなあ、うちこの間、株式戦隊セビロレンジャー見たんやけど、すっごいオモロかったで、あれ!」

「ああ、それは光栄です。あれは撮影中に事故で監督交代の悲劇もありましたからね。やっとのことで完成した、思い入れのある作品なんですよ。やはり主人公に本条大和を起用したのがよかったうんたらかんたら」

「さ、今のうちよ」

 聖奈ちゃんが六月一日の気を惹いている間に、龍我探偵を連れて退散する。グッジョブ、聖奈ちゃん。



 八時前。どうやら学校にはちゃんと行けそうだ。はぁ……一時はどうなることかと。龍我探偵をアルテミスまで連れ戻ってくる。

「ほらほら、白状しなさいよ!」

「いだだだだだだだ、痛いって! そんな、盗撮なんかしてないってば!」

 事務室で何故か、仲村渠が七五三と音彩さんに取調べされている。風音さんとオーナーが、仲村渠に見つからないように龍我探偵を休憩室へ隠す。

「仲村渠さん? 何で店に?」

「こいつねぇ、朝っぱらから店の前をウロウロしてたのよ!」

「また盗撮かいな、あんた? 懲りんやっちゃな」

「ち、違うって言ってるのに! 僕はただ、このお店に男がいるって情報を掴んだから、確かめようと思っただけで!」

 ギクギクッ!

「男? この店は女性スタッフばかりよ。男なんているわけないでしょ?」

「おったら全員で袋叩きにしとるわ」

 何だろう、物凄い汗が……。

「……女装した男とか」

 ギクギクギクッ!

「何言うとるんや、音彩? そんなんおったら気持ち悪いわ」

 無口な割に、いつも妙に鋭い、この人……。

「ね、ねえ……」

 満笑ちゃんが小声で僕に話しかけてくる。

「龍我探偵がいるの、ばれてるのかな?」

 あっ、そっちか……。僕の正体がばれたわけじゃなくて。

「目撃証言があるんだよ、何日か前に、二人の男が裏口から入っていくのを見たって。一人はしばらくしたら出てきたけど、もう一人は出てきた様子がないって。向かいの花屋の店員さんが言ってたんだから」

「知らんわ、ボケ! 言うたよな? 今度盗撮しようとしたら、警察に突き出すって」

「し、してないよ、今日はカメラだって持ってきてないんだから!」

「信用できひんな。調べさせてもらうで」

 聖奈ちゃんは以前使用した、割り箸で作ったダウジングマシン(?)を取り出し、仲村渠の体を調べまくる。だが何も反応がない。

「ほ、ほら、何も持ってないだろ?」

「ちっ、しゃーないな。もうええ、帰れや」

 仲村渠を解放し、店から追い出す。あまり長居されて、龍我探偵を見つけられても困るしな。

 聖奈ちゃんと僕で、休憩室にいる咲恋さんに報告に行く。

「まずいわねえ……噂になってるのかしら?」

「はよ、犯人捕まえな、ドンドン広まってくで。今日かて、店の前やないけど、六月一日に見られとるしな」

 すると、聖奈ちゃんがまだ持っていたダウジングが、休憩室のあるものに対して反応する。

「何や!?」

「どうしたの?」

「このクマに、ダウジングが反応したんや」

 ぬいぐるみに?

「ちょっと見せて……これ、左目のところ」

「ホンマや、カメラになっとるで!」

「ええっ!?」

 僕も確かめると、確かに目が取れて、中にカメラが仕込んであった。どうして……? 行衛さんのぬいぐるみに、カメラが……!?



「ひゃっほーい、有人ちゃーん! 遊びに来たよー!」

 うっとおしいくらいにハイテンションの百千万億が店にやってくる。

「いらっしゃい、百千万億さん。今日もGルームでよろしいですね?」

「もちろんだとも。指名は当然、有人ちゃんね」

 ゲロゲロ……この人のお気に入りから、どうにか外れられないもんか。意気揚々とGルームへ入っていく百千万億。

「あの……咲恋さん、この状況でまだお店を通常営業するのはどうかと思いますけど。早く犯人捕まえなきゃいけないし、それに警察署長のあの人を今むやみに店内に入れるのは……」

「しょうがないじゃない、大事な常連さんだし、警察からの情報源なんだから。さ、有人ちゃん、よろしくね」

 嫌々Gルームへ向かう。すでに飲み物の準備万端で僕を手招きしている。

「さ、さ、こっち座って」

「し、失礼しま~す……」

「いやー、やっぱ一日一回は有人ちゃんの顔を見んとなぁ」

「あ、ありがとうございます」

 僕は見たくないぞ……。

「あれ? 署長さんって左利きなんですか?」

「む? 何故かね?」

「いえ、左手にペンだこらしきものがあるので」

「……ははは、小説を書くのが趣味でね。よくペンを握っているからね。女の子の乳を握るのはもっと好きだがね」

 最低だ……。

「それより妙な噂を聞いたんだが。この店の近くで龍我くんらしき人物を見たとか見ないとか」

「! そ、そうなんですか? 怖いですね、あの人、殺人犯ですもんね」

「そうだなぁ、有人ちゃんも見かけたら気を付けるんだよ? 何をされるかわからないからね。ワシを呼べば、三秒で駆けつけるから」

 絶対呼ばないし、かえって余計な危険が増えるだけだと思うが……。



 営業終了し、掃除を終えると、みんなでミーティングの時間。議題はもちろん、事件のこれまでの経緯についてだ。

「とりあえず、今までのことを整理してみましょう。まず行衛梨亜さんが何者かに殺されて、その犯人は龍我探偵も殺そうとした。彼に罪を着せようとしてね」

「あくまで推論やけどな」

「行衛さんはお父さんの自殺について納得がいかなくて、事件の真相を調べていた。友人でドラゴンナイツの探偵、忽滑谷水織に依頼して」

「その忽滑谷が殺されて、行衛は犯人が誰なのかほぼわかったんだろ? でも証拠がないから、今度は自分で調べようとした」

「行衛さんの叔母で、行衛終監督の妹である法華津茜子さんも、終さんの自殺を疑っていたって聞きました」

「で、その茜子は自分の旦那に殺されちゃったんでしょ? 法華津安路が行衛終を自殺に見せかけて殺したってことはないの?」

「いえ、安路は行衛終が死んだ日、地方ロケへ行っていたらしいわ。それに動機も見当たらないし、義理の兄弟でもほとんど付き合いはなかったらしいわ」

「じゃあシロって考えてええわけか。あいつと交換殺人をやった共犯、小童谷文人を殺したんも安路やないんやろ?」

「安路は右利きだからね。小童谷を殺したのは左利きの人間」

「ひ、小童谷さんを殺した犯人って、忽滑谷さんや行衛さんを殺した人と同じ犯人なのかなぁ? それとも全く無関係……?」

「……関係あるかも」

「どうして、音彩ちゃん?」

「……行衛が左手に握っていた、ガム。行衛梨亜は右利き。アイドル時代、テレビで見たから覚えている。それでわざわざ左手にガムを握っていたってことは、左利きが犯人って示すためかも」

「おお、なるほどな! だけど何でガムなんだ? それも犯人の正体を示す、ダイイングメッセージってやつなのか?」

「ガム……ガムに関係のある人物……誰だろう、それ……?」

「もし音彩ちゃんの読みが当たっているなら、犯人は忽滑谷、小童谷、行衛さん、そして行衛終を殺した大量殺人犯ってことになるわね。でもわからないのは……忽滑谷、行衛さんは自分の犯行を知ったから始末したにしても、小童谷と行衛終が殺された動機がさっぱりだわ」

「ゆ、行衛さんについてもわからないことが多いですよね? まず殺される二日前に、このお店に来ていたこととか。何しに来ていたんでしょうね……?」

「もしかして……犯人を追ってきたんじゃないですか?」

「どういうことよ、有人?」

「この写真に写っている日にちの時点で、行衛さんは犯人の目星をつけていたことになります。当然、犯人を追跡して、証拠を探っている段階というわけで……つまり、アルテミスの客に、犯人がいるってことじゃないですか?」

「「「「えっ!?」」」」

「マジかよ!? つっても、客なんて一日に千人以上来るんだぜ? 絞り込むには材料が……」

 そこで例のチューンガムが頼りになるわけなんだろうけど……思いつかない、ガムに関係のありそうな人。

「それに、行衛が持っていたゆうぬいぐるみに、カメラが仕込んであったいうのも気になるしな。ファンからもらった言うてたんやろ?」

「じゃあそのファン、行衛梨亜を盗撮するつもりだったんでしょうね。うわ、気持ち悪っ! あたしもこの間、局の楽屋に盗聴器仕掛けられていたけど、もうそんなことする奴、多過ぎよね!」

 ファンの仕業……? 本当にそうなのかな……?

「そういえば大形さんが色々調べてくれたことをまだ言ってなかったけど、龍我探偵の調査記録を読んだら、妙なことがわかったって言ってたわ」

「妙な事?」

「法華津安路に殺された文殊四郎成斗だけど、瑞慶覧穂の大学の先輩らしいのよ、彼」

「瑞慶覧穂って、行衛さんの家に空き巣に入った!?」

「そう、道祖瀬戸に殺されちゃったけどね。瑞慶覧が掛け持ちで所属していたサークルのOBらしいわ。瑞慶覧とも繋がりがあったとか。その点に龍我探偵は、どういうわけか注目していたらしいの」

「その瑞慶覧って奴も、事件に関係してるってことかよ? でももう死んでんだろ、そいつ?」

 瑞慶覧と文殊四郎の繋がり……待てよ? 文殊四郎は確か……! あれがああいうことだと考えれば、もしかして……!

 ならば犯人はあの人……? だけど、ガムの意味が……!

「ちょっと、ミーティング中に何ケータイいじってんのよ、満笑?」

「ご、ごめんなさい。あの、ガムについて調べてみようかなって思って……!」

「そんなもの調べてどーすんのよ? 無駄よ、無駄」

「で、でも、メッセージの意味が解けるかも……」

「あれがダイイングメッセージって決まったわけじゃないでしょ? 第一、名前に〝ガム〟なんて入ってる人とかいるわけないし」

「……ん? 満笑ちゃん、ちょっとその画面見せて!」

「ふえっ!? う、うん」

 満笑ちゃんが調べていたのは、『ワカルペディア』というインターネット百科事典のサイト。ガムの歴史やら豆知識やら、色々載っている。そのページを見て、僕はあるところに注目する。

 バラバラになっていたピースがパチリパチリと音をたて、次々に合わさっていく。そして見えてきた……事件の真相。そうか、そういうことだったのか……!


「……わかりました、わかりましたよ、犯人が!」



 時刻は夜中の十二時を回ろうとしていた。今日は咲恋さんがアルテミスに泊まり、龍我探偵を見張っている。昨日は簡単に解かれてしまったので、今日はグルグル巻きに縛ってやって。

 裏口から物音がするのに気づく。ガラスの割れた音だ。特にセキュリティに入っていないこの店は、泥棒が来ても非常ベルが鳴るわけでもない。咲恋さんは龍我探偵の縄をほどき、フロアの方へ連れて行く。

「こっち」

「ど、どうしたんですか?」

「誰か入ってきたわ」

 フロアまで逃げるが、裏口のドアのガラスを割って侵入してきた賊は、すぐに二人に追いつく。

「「!」」

「もう逃がさないよ、龍我探偵……」

「あなた……! あなたが犯人だったの!?」

「この人が……私を……!?」

 賊はレインコートを着て、一応店内にカメラがある場合を想定して顔を隠していたが、正面から見たら誰なのかハッキリ確認できた。そしてサイレンサー付きの拳銃を持ち、銃口を龍我探偵に向ける。咲恋さんは龍我探偵を庇おうとするが、無駄だろう。こいつは二人とも、この場で殺すつもりなのだ。

「さよなら……龍我探偵、そして八月十五日咲恋さん。ゲームオーバーだ」

「「……!」」


「「そこまでです!」」「そこまでよ!」「そこまでだ!」「そこまでや!」


「!?」

 複数の女性の声と共に、フロアの明かりがつき、賊はハッと辺りを見渡す。店内には僕、満笑ちゃん、聖奈ちゃん、七五三さん、音彩さん、風音さんがすっかり取り囲んでいた。

「馬鹿な、どうして!? お前らが帰っていくところも、ちゃんと確認したのに!」

「近くに隠れて待機しとったんや。今日にでもあんたが来るやろうって有人が言うから、待ち伏せして罠にはめてやろうって、うちのアイディアや」

「そしたら案の定よ。やっぱあんた、行衛梨亜を殺す際に、龍我に顔見られてたのね? だから何が何でも殺そうって」

「行衛梨亜さんを殺すために監禁し、あなたは誰か罪を被ってくれる人を探していた。そこで行衛さんと同じように、自分に目をつけている邪魔な存在、龍我探偵を利用しようとした。彼も捕えて、同じように監禁してアリバイをなくし、行衛さんを殺してから凶器の拳銃を彼に握らせて指紋をつけ、その後、次の日に龍我探偵も殺そうとした。口を封じ、罪を被ったまま事件に幕を下ろさせるために」

「……くくく、確実に殺しておくべきだったね。川に沈めるなんてしないで。だけど、どうして君らは僕が犯人だと?」

「行衛さんは殺されたとき、いざという時のために忍ばせておいたチューインガムを握って死んだ。あなたの正体に勘付いていて、同時に自分が殺されるかもしれない可能性もきっと考えていたんでしょう。あなたを調べようとすれば忽滑谷さんみたいになるかもって。

 あのガムは、あなたの正体を示す、行衛さんのダイイングメッセージだったんです。ガムの日ってご存知ですか?」

「ガムの日?」

「二月九日は肉の日とか、十一月二十二日はいい夫婦の日みたいに、色々な協会が定めたイベント日ですよ。ガムの日っていうのもあるんですよ。その日にちが……六月一日なんです。

 そう、犯人は六月一日勧大、あなたです!」

 フードを取り、みんなにハッキリと顔を見せる六月一日。みんなにはハッキリ犯人の名前をまだ教えていなかったので、正体を知って新鮮に驚いている。

「こ、この人が……!?」

「マジかよ、いつも店で原稿ばっか書いてたこいつが……!?」

「くくく……仕方ない、認めよう。確かに僕は行衛梨亜さんを殺し、龍我探偵に罪を着せて殺そうとした。負けだよ、ゲームオーバーだ、こっちのね」

「なんや、随分あっさりと負けを認めるんやな?」

「龍我探偵を殺し損ねた今、この先、彼の記憶が戻ればどっちにしろ明らかになることだからね。残念だけどそれなら潔く自首するよ」

「どうして小童谷文人を殺したの? それと忽滑谷さんを殺したのはやっぱり、口封じのため? それから行衛さんのお父さんは自殺じゃなくて、やっぱりあなたが……」

「何を言っているんだい、八月十五日さん? 僕は行衛梨亜さんの殺害を認めると言ったんだ。忽滑谷? 小童谷? 知らないよ、そんな奴ら」

「なっ、なんやとおおおお!?」

「しらばっくれる気か!?」

「だって、どうして僕が彼らを殺さなきゃならないんだい? 僕が殺したのは一人だけ、あとは未遂が一人。それだけだよ」

 なるほど……そうきたか……。

「ですが、六月一日さん。小童谷さんを殺した人物は左利き。あなたも左利きですよね? その右腕につけた腕時計を見る限りじゃ」

「ははっ、それだけで犯人扱いされたらたまらないよ。小童谷くんとは、まあ僕のドラマの端役で出てもらったことくらいはあるけど、別にそんな深い仲でもないからね。何かトラブルがあったわけじゃないし、殺す動機なんてないし」

「で、でも、小童谷さんが殺された日、あのテレビ局で六月一日さんの出入りが、私たちの調べで確認されています」

「だから、決め手に欠けるんだって。仮に僕と彼が仲良しこよしだったとして、まずは彼を殺害する動機を証明してごらんよ」

「動機は、口封じですね?」

「……!」

 余裕の笑みを浮かべていた六月一日が、初めて顔を引きつらせる。

「口封じって、何よ、それ? 小童谷の口を封じてどうするのよ?」

「小童谷さんと法華津安路さんが行った交換殺人。あれはひょっとすると、あなたが小童谷さんに持ちかけた案だったんじゃないですか?」

「!」

「「「えっ!?」」」

「小童谷さんとそれなりに付き合いのあったあなたは、彼が文殊四郎さんを殺したがっていることを知った。そして同時に、ゴシップ雑誌か何かで法華津安路が奥さんの茜子さんとトラブルになっていることも知っていたあなたは、小童谷さんと安路さんを利用して、あなたにとって邪魔な、文殊四郎さんと茜子さんを、自分の手を汚さず始末しようと考えた」

「六月一日にとって邪魔なって、どういうこと、有人ちゃん?」

「まず茜子さんは、兄の終さんの自殺を行衛梨亜さん同様、不審に思っていた。そして多分、色々真相を調べていくうちに、六月一日さんを疑い出したんじゃないですか? だからこのまま生かしておいては危ないと考えたあなたは、どうにか彼女を始末したいと策を練っていた」

「……」

「そして文殊四郎さん……彼もおそらく、あなたが行衛終さんを殺したことを知っていた。そしてあなたを脅してきたんじゃないですか? 秘密を黙っている代わりに金を要求してきた、ってところだと想像していますけど」

「ど、どうして文殊四郎さんは、六月一日さんの犯行を?」

「盗撮だよ」

「「「「盗撮!?」」」」

「文殊四郎さんは芸能リポーターとしてとても優秀だった。彼の調べで多くの芸能人のスキャンダルが、不自然なくらいに次々と発覚してきた。その秘密が……盗撮と盗聴だったんだ。彼は狙いをつけたタレントの家や楽屋に、盗聴器やカメラを仕込んで、ネタを集めていたんだよ」

「じゃあもしかして、あたしの楽屋に盗聴器仕掛けた奴も?」

「かもしれませんね。今となってはわかりませんけど、可能性は高いです。テレビ局の楽屋なんて、入れる人は限られていますから。ファンのイタズラにしては手が込んでいるし。

 文殊四郎さんは映画監督・行衛終さんの娘でアイドルをやっていた、梨亜さんにも目をつけ、自宅に隠しカメラを仕掛けた。そのカメラで偶然、撮影してしまったんでしょう。六月一日さんが終さんを殺す瞬間を」

「……」

「小童谷さんが交換殺人を実行し、邪魔な二人を始末できたあなたは、次に小童谷さんの口から、計画の入れ知恵をしたのが自分だと発覚させないために、小童谷さんの口を封じた。ご丁寧に、彼の犯行を警察に気付かせる手筈もしてね」

「手筈?」

「茜子さん殺害時に、自宅に落ちていたっていう、小童谷さん特注のシルバーアクセサリー。あれは小童谷さんから盗んだあなたが、小童谷さんの犯行前に茜子さんの家の庭に予め放り込んだものですね? 警察があれを見つけ、小童谷さんが犯人だとたどり着くように。そもそも不自然だと思いましたよ。都合よくそんなものを犯人が落としていくなんて」

「……」

 ずっと黙ったままの六月一日。もう一押しか?

「忽滑谷さんを殺したのも口封じが理由ですね? 以前、ドラゴンナイツに取材に行き、彼女に会ったことがあると言っていましたが、その彼女が自分の周りをうろついていることに気付いてしまったあなたは、自分が疑われていることを知った。そして彼女を……」

「僕が行衛終を殺したと決めつけているが、その動機はなんだい? どうして僕が彼を殺さなきゃならないのかな?」

「二年前、あなたは行衛監督と一緒に仕事をしていましたね? 『株式戦隊セビロレンジャー』で。撮影中の事故で、監督が交代の憂き目にあったって言っていましたが、行衛監督のことですね?

 七五三さんが当時のスタッフに聞いたそうですけど、監督とあなたは、脚本のことで揉めていたそうですね? 監督独自の判断で勝手に脚本をいじろうとしていて、それに何度かあなたが激怒したとか。

 前に使えないスタッフとは仕事したくない、それなら死んだ方がマシだって仰ってましたけど、あなたは自分が死ぬより、彼を殺そうと考えた。そして監督の家を訪ね、自殺に見せかけて殺した」

「どうや、ここまで調べてんねやで!? さっさと全部白状したらどうや!?」

「くくくくく……あーっはっはっはっはっはっはっは! 駄目だなぁ、全然駄目だ。推測の域を出ないよ、どの話もだ。

 仮に、そうだねぇ……僕が本当に監督を殺したのなら、今までの妄想は全部筋が通るっちゃ通るよね? でも全然駄目だ、僕が彼を殺した証拠なんて、どこにもないじゃないかああああああああああ! どうなんだよ、証明できるのかよ!? 二年も前の事件なんだぞ!? 警察が調べても何も出てこなかった事件なんだぞ!? できっこないよ、そんなの!」

「こ、こいつ……段々壊れてきやがったな」

「有人ちゃん……!」

「……もちろんありますよ、証拠は。さっき大急ぎで、聖奈ちゃんに取ってきてもらいました」

「!」

 僕は一つの小さなビデオテープを取り出す。それを見せただけで、六月一日は何のテープか想像ついたみたいだ。

「ま、まさか……! そ、それをどこで……!?」

「もちろん、文殊四郎さんの自宅から。どうやって入ったかは、企業秘密で」

 聖奈ちゃんが作った合鍵だが、そこは誤魔化しておく。こっちはこっちでいけないことだが。

「文殊四郎さんはどうやって、行衛さんの家にカメラを仕掛けたのか? それはファンからのプレゼントとして送られた、クマのぬいぐるみに仕込まれていたんです。送りつけたのは文殊四郎さん、彼女の秘密を握るために。

 だけど仕掛けたカメラが発覚したら、もしかしたら自分の仕業というところまでばれるかもしれない。そう考えた文殊四郎さんは、大学の後輩である瑞慶覧さんを使った。瑞慶覧さんは大学のサークルの悪友二人と、身近な人物を狙った空き巣を繰り返していた。そのことを何かのきっかけで知った文殊四郎さんは、秘密をばらさない代わりに、彼女に行衛さんの家を狙うように指示したんです」

「そうか、空き巣ついでに、一緒にあのぬいぐるみも盗ませたのね。自分が回収するために」

「そうです。だけど犯行は失敗。しかも文殊四郎さんは空き巣事件の前に、法華津安路に殺されてしまいます。かくして……ぬいぐるみの回収はできなくなり、こうして僕らに大きな手がかりを残すこととなったわけです。

 そして文殊四郎さんがぬいぐるみを回収しようとしていた頃、同時にあなたも文殊四郎さんが持つ、自分の犯行を映したテープを回収しようと目論んだ。そして小童谷さんを経由して、法華津安路さんに、文殊四郎さんを殺害する時に、手荷物を一式盗んでくるように言った」

「手荷物?」

「小童谷さんたちには物取りの犯行に見せかけるため、という名目で、本音は……家の鍵が欲しかったんですよね? 文殊四郎さんの。家に忍び込んで、このテープを回収するために。ところが、文殊四郎さんは家の鍵を車の中に置いていた。だから皮肉なことに、文殊四郎さんのカメラ回収計画と、あなたのテープ回収計画は、ほぼ同時に失敗に終わったわけです」

「じゃ、じゃあそのテープには……?」

「そう……さっき確認しましたけど、あなたが行衛終さんを殺す一部始終が収められています!」

「うっ……うおああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 ガックリと膝を突き、ブルブル震えだす六月一日。今度こそ……終わった……!

「くくくくく……ツイてないなぁ、本当に……。やっと仕事が軌道に乗ってきたかと思ったのに、あんな落ち目のセンスの欠片もない監督と組まされて。始末してやったと思ったら、カメラで覗かれていて……。リビングなんかに置いておくなよ、ぬいぐるみなんて……。

 文殊四郎と茜子を始末したと思ったら、次から次へと僕を疑う奴が蛆虫のごとく沸いてきて……本当に……ツイてないよ」

「人を殺せば、必ず報いがくるってことよ。さあ、警察に行きましょう」

「動くな! まだ終わっていないさ、ここにいる全員だって殺せなくはない。そうすれば、まだ逃げ切れる! ちょうどいい、僕の欲しかったテープもそこにあるし、これで万事解決じゃないか!」

 六月一日はガバッと立ち上がり、再び銃を構える。

「やめろ! この人数だぞ? 全員で一斉に飛び掛かれば、敵うわけない!」

「じゃあかかってこいよ! ええ!? できるか!? できないだろ!? みんな自分が死ぬのは怖いもんなぁ!」

 こ、こいつ、この期に及んで悪あがきを……!

 六月一日はサッと銃口を咲恋さんへ向け、一発発砲する。

「!」

「咲恋さん!」

 咲恋さんは咄嗟に横に飛び退いて避ける。そして六月一日は撃つと同時に、一番近くにいた満笑ちゃんを人質に取る。

「満笑!」

「満笑ちゃん!」

「動くなよぉ、こいつの首から赤いシャワーが噴き出るぜ?」

 六月一日は右手でナイフを取り出し、満笑ちゃんの首元に当てる。そして左手で銃を構え、僕らを牽制する。

「はっ、はわわわわわ……!」

「ちょっと、満笑を離しなさいよ!」

「おらおら、どうしたよ? かかってこいよ? どっちにしろ全員殺すんだぜ? こんな人質、意味ないだろ? ひゃーっはっはっはっはっは!」

「ぐぐぐ……!」

 駄目だ、すっかりイカれちゃってるけど、それでもこいつはわかっているんだ。全員殺されるとしても、満笑ちゃんが確実に死ぬとわかっていて突撃していくことができないというのを。ここにいるみんな、仲間思いだって知っているからこそ、そういった人間の心理的にできないと確信している。

「さあ、まずはお前からだ。龍我! あんたは大した名探偵だぜ、真っ先にこの俺にたどり着いたんだからよ! つくづく悔やむぜ、確実に殺さなかったことをな。死ね!」

「やめろおおおおおおおおおおおお!」

僕は無我夢中で龍我探偵に飛びつき、六月一日の弾を避ける。一発の弾丸が僕の髪をかすめたけど、龍我探偵にも僕の体にも当たらず済む。そしてそのまま二人とも倒れこむ。

「「「!」」」

「わお……」

「……!」

 倒れた拍子に、まさか、まさかの……龍我探偵と僕の唇が、また重なってしまった。みんな、その光景を見て思わず赤面している。あああ、こんな状況で、まさかセカンドキッスまでこの男に……!


「……!」


 龍我探偵の目が見開かれていく。その表情が変わっていき、今までと様子が違った。

「ぷはっ、す、すみません!」

「……思い出したよ、子猫ちゃんの熱いキスで」

「は?」

 子猫ちゃんって、まさか……!?

「記憶が戻ったの、龍我探偵!?」

「もちろんさ、マドモワゼル。危うく殺されるところだったけど、全て思い出したよ……。全て君の仕業だったことをね、六月一日勧大!」

「はっ、今さら思い出そうが遅いんだよ! どうせ死ぬんだからな、このブスどもと一緒に!」

「「「「……!」」」」

 突然、女の子たち全員の顔が凍りつく。どうしたんだ、一体?

「おい、コラ……誰がブスだって?」

 すると一人、凍りつかずに黒いオーラを出し続けている女の子が喋る。満笑ちゃんだった。えっ? 満笑……ちゃん……?

「あ!? てめーのことだよ、ブス!」

「……ほお」

「あああああああああ!」

「お、おい、あんた、はよそいつから離れぇ!」

「ああ!? 何言ってんだ、てめーら!?」

「……あなた、死ぬわよ?」

「く、六月一日さん? 身のためだから、離れた方が……」

「やっちゃったわね、こいつ……」

 女の子たち、みんな怯えたり、頭を抱えたりしている。どうしたんだ、僕を含めた男性陣、三人だけがわかっていない様子だ。

 すると満笑ちゃんが、ナイフを持つ六月一日の手を掴む。

「!? いでででででで! な、何だ、こいつ!?」

「誰がブスだ、コラァああああああああああああああ!」

 店の窓ガラスが割れんばかりの雄たけびをあげ、六月一日を力の限り投げ飛ばす満笑ちゃん。満笑ちゃんなの、あれ!? 知らないうちに別人にすり替わった!?

「ぐああああっ!?」

 壁に叩きつけられる六月一日。女の子のできる所業じゃない、この力技。

「有人、隠れろ!」

「えっ、えっ!?」

もはやみんな、カウンター席の裏に隠れて避難している。龍我探偵までも。

 満笑ちゃんはなおも、般若の形相のまま六月一日に近づいていく。その一歩一歩の足音が、まるで大魔神の歩みのようだ。

「ひっ!? く、くそ!」

「危ない!」

 六月一日が銃を構え、満笑ちゃんへ向けて放つが、満笑ちゃんは涼しい顔したまま、首を少し傾けて、銃が顔の真横を通っていくのを見送る。た、達人のかわし方だ……!

「ひいいいいいい、な、何なんだ、テメーはああああああ!?」

 次々と銃を乱射するが、瞬間移動のようなスピードで横へ、斜めへ、縦横無尽に動き、鮮やかにかわしてみせる。弾が満笑ちゃんの残像をすり抜けている。なんて光景だ。

 そして全弾撃ち尽くし、満笑ちゃんは六月一日の真ん前に仁王立ちする。

「ひっ、ひやああああああああああ、お、お助けええええええええ!」

「I・KILL・YOU」

「うぎゃああああああああああああああ!」

 そしてそこからは、全員が怯えていた。言葉に表すのも恐ろしい地獄絵図が、この探偵喫茶アルテミスの店内で繰り広げられた。体を掴んでは振り回し、椅子やソファーを投げ、植木鉢で頭をどつき……。店中が一人の女の子が暴れ回るだけでメチャクチャにされていく。

「ど、どうやったら止まるんですか、あれ……?」

「満笑の気が済むまでよ。朝まで止まらないかも」

「満笑はな、自分の可愛さに自信持っとるからな。ブスって言われるとメッチャ切れるんや」

 ああ、そんな節もあったな、確かに……。

「フッ、ぽけぽけした子だと思っていたが、なかなかやるじゃないか」

 そうカッコつける龍我探偵も震えていた。それくらい凄まじかった。

 そうだ……思い出した。そういえば幼い日、僕を励ましてくれた子も、ブスって言われて怒り狂ったことあったっけ。満笑ちゃんだったんだ、あの女の子……。

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