表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

一番近くて、一番遠い Ⅱ


ハァハァ…

息を切らしながらも走り続けた…―


ドンッ―


「おっと…」

「…すみません」

「俺こそごめんねー」

「じゃあ…」


「待って!」

「!?」

「泣いてる!?」

「なっ…泣いてません!」

「君、にりの彼女でしょ?」

「ちっ…違う!」

「…ごめん……」

「こっちこそすみません!じゃあ!」

「名前だけ教えて!俺は、一ノ瀬 かんた」

「青山いお。」

「ありがと」


今の私は、まだ、一ノ瀬君がどんな考えを持っているかは、

気付いてなかった。


「いお!」

「…」

にりが私を呼ぶ。

「まだ怒ってんの?」

「…」

「っ…」

私、何泣いてんだ…


「なんかあったのか!?」

「……んたのせいで…」

「あ?」

「あんたのせいで、こんな辛い想いしなきゃいけないんでしょう…うう…」

にりの大きな腕が私を優しく包み込む

「ごめんな…」


ガラガラッ…

「いおちゃ~ん!」

「!?」

「今日一緒に帰ろ~!」

にりの目をうかがう。

「…にり……」

「お前が誰と帰ろうが関係ねーし!」

「だよね… うん。一緒に帰ろ。」

「い~やった~!」

「じゃあ、にり。帰るね。」

「……」

「いおちゃん行こっ!」

「うん…」


一ノ瀬君が不敵な笑みを浮かべ、にりの方を見たのは私は、知らない。

グイッ!

「!?」

「いお!こいつは、俺からお前を奪おうとしてんだ!」

「一ノ瀬君が?あはは…有り得ないって…」

「お前バカか!?誰がお前なんか好き好んで近づいてくんだよ!」

ドクン…―

「…もう…これ以上私に構わないで!」

「いおちゃん?大丈夫?」

「一ノ瀬君…ありがと…」

「行こっか!」

「うん」

一ノ瀬君が悪い人には見えないよ…


「いおちゃん!俺!いおちゃんのこと好きなんだ!」

「え… でも、一ノ瀬君は優しくて頭も良くてルックスもいいって評判で、モテるのに…なんで私?」

「………」

「…ごめ…」

グイッ…

すごい力で私の肩に手を添えた…

「返事はまだいいから… じゃあ。」


一ノ瀬君が?私を?


おいしい話には裏があるとはこのことだったのだ…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ