第二幕〜変化〜
そして次の日・・・・・
〜朝自習の時間〜
私が偶然、彼の筆箱をふとみると、可愛いパンダのストラップが!!
(意外、須木君もこんなの付けるんだ。てか、これ結構かわいいンですけど)
私は数分間悩んだ末、勇気を出してストラップを手にとった。私にとっては、それだけでも結構凄いことだ。
「ねぇ須木君、これかわいいね。買ったのぉ?」
私は思わず、彼にそう聞いた。
「いや、ジュースのおまけだったんだ」
「へぇ、ジュースに付いてるんだぁ。知らなかったぁ」
彼は、私の手からストラップを自分の手に移した。その後、ストラップを見ながら言った。
「『千客万来』・・・あはは、ほら」
そう言って彼は、私にストラップのパンダの上の方にある文字を見せた。
「本当だぁ、パンダなのに小判持ってるし、ふふっ」
微笑んでいた私の目は自然とストラップの方にいっていた。すると彼は、私の紅い筆箱の方に目をやり、それを自分の方へと引き寄せた。
「俺のより、沙夜さんの筆箱の方に付けた方が合うと思わない?」
思わぬ一言だった。
「えっ!?」
私は思わず、彼の顔を凝視してしまった。
(なんで、うっそぉ。須木君ってこんなキャラだったっけ?全然違う雰囲気あるイメージなのに)
「くれるの?」
私は恐る恐る彼に聞いてみた。
彼は少し笑うと、ストラップを外しながら答えた。
「うんいいよ、あげる。はい」そう言い、私に手渡してくれた。
「あっありがとう。んじゃあ早速、付けよう。・・・・・・やっぱ可愛い」
この時から、私の彼に対するイメージが変わった気がする。我ながら単純だと思うけど・・・・・。
それから数日間で、私は須木君と打ち解けることが出来た。
須木君はいろんなことを話してくれた。将来の夢の話、塾でのこと。
そして一ヶ月は、あっという間に過ぎ、席替えの時期が近付いてきた。