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第一幕〜偶然〜
―中学3年生の春。私は生まれ初めて人を好きになった―
始業式。クラス替えがある日
私にとって、特別な日
「ねぇ沙夜、うちら同じクラスだよ」
親友の真麻が私に声をかけてきた。
「えぇ本当!?やったぁ」
私は、真麻や他の悪友達と話をしながら、教室に向かった。
「よーし、名簿順に席に着いて」
先生が教室内に入ってきて、そう言った。私の隣の席になったのはなんと・・・『須木 彰』
陸上部の彼は、成績トップで、私にとっては雲の上の存在なのである。私は中学に入ってからは、彼とはほとんど話していない。
そういう訳で、私はその日、彼と一度も話さなかった。
その時の私の気持ちは、正直言って(一ヶ月もつかな)という意味不明な心配だった。
読んでいただきありがとうございました。もし結末が見えても、そこは目を瞑って読んで頂けたら嬉しいです。