5話「恐怖の漬物ババア。」
ゴン「とりあえず、2人とも、立ち話も何だから、うちの中に入れよ。」
勇者「(-_-)」 う~ぃ。おっじゃましま~っす。」
女神「聖剣エクスカリバーはちゃんとあるのかしら…?(どきどき)」
ゴン「おーぃ。ばあちゃ~ん!」
ゴンちゃんが奥の台所に向かって叫ぶと、腰の曲がったしわくちゃの老婆がよたよたと出てくる。
勇者「(o ̄∇ ̄)/ ういーす。ばーちゃん、お久しぶりー!まだ死んでなかったのか!」
老婆「かかかかかか。あたしゃまだまだ若いよ。たったの92歳だよ。」
女神「(*´ω`*) まあ、お元気でいらっしゃいますこと。」
老婆「おんやまぁ、よぐ見たら、おめぇさん、饅頭屋のミナミンくんでねが~。んまァ立派になっ……てないのう。ちっとも。」
勇者「( ̄д ̄╬) 社交辞令ぐらいサービスで言わんかい、クソババア。」
老婆「隣の子は嫁さんかい。あらまァ別嬪さんだとこ。なんじゃいなんじゃい、うまいことやりおって~!イヒヒヒヒ。」
女神「( *`ω´) いいえッ、決してッ!!断じて嫁などではございません。おばあさまッ!!」
老婆「んだども、ちょっとケツが小っさいんでねが? もっとこう、おなごのケツはボーンとしてねぇと、元気な赤ちゃんは産めねぇど!」
女神「Σ(〃 ̄Д ̄〃) ケ…ケツ?いえだから、私は嫁などでは……」
老婆「かかかかかか。あたしゃまだまだ若いよ。たったの92歳だよ★」
女神「………………。」
ゴン「すまんな、ねえちゃん。うちのばあちゃん、耳が遠いんだ。ちょっぴり認知症も入ってるし。」
老婆「ヽ(#`Д´)っ 誰が耳が遠くて、認知症が入ってるってッ?あたしゃまだ、たったの92歳だよ!!!」
勇者「う~ん、相変わらず都合よくタチの悪いババアだ。こういうババアに限って長生きだけはするからな。」
女神「ババ……いえ、おばあさまの件はおいておくとして、ゴン様、聖剣エクスカリバーはどこにあるのでしょうか?」
ゴン「……いや、え~とな…台所にあることにはあるんだけど…。」
ゴンちゃんは申し訳なさそうな顔をしながら、台所の隅を指差した。
そこには、大きな瓶が置いてある。
勇者「何だ?この大瓶?」
老婆「ああ、それはアタシが漬けているヌカミソ漬けの瓶さ。ヌカミソってのは、大変でなァ。毎日こうして掻き混ぜなきゃならんのじゃよ~。」
ババアは瓶の蓋を開けると、隣に置いてあった聖剣エクスカリバーでヌカミソをぐっちゃぐっちゃとかき混ぜ……
勇者「Σ( ̄ロ ̄lll) って!!ババア――――!!!ちょっと待ったァァァァ!!!!」
老婆「なんじゃい、いきなり大声出して。(どぷっ。ぐりぐりぐり。)孫のゴンが持って帰ってきたこの棒、ヌカミソ混ぜるのに丁度良い長さと幅でのぅ。お~今日も芳しい良い香りがするぞえ~。」
女神「'`,、(T∀T)'`,、 ああああああああ~。」
ゴン「(^_^;) ばあちゃん。悪いんだけどそれ、ヌカミソ混ぜ器じゃねんだとよ。元々ミナミンの持ち物で、返してやりたいんだ。ばあちゃんにはまた、俺がちょうどいい長さのヘラを買ってやるよ。100均で。」
老婆「ありゃまあ、そうだったのかい。どおりでちょっと重たいと思っておったんじゃ。ほれ、持ってけ、ミナミンちゃん。」
勇者「(┘`口´;)┘ 臭ッ!!超ヌカミソ臭ッッッッッ!」
聖剣エクスカリバーは無事だった……が、別の意味ちっとも無事ではなかった!
勇者御一行様はヌカミソ臭くなった聖剣エクスカリバーで、果たして魔王を倒すことが出来るのであろうかッ?
魔王もいい迷惑だ!!
続くっ。