40話「白菜とガリガリ君を買いに行くのだ。」
無事、聖剣を目覚めさせる合言葉は『お~い!ついでに売店で水ヨーカン買ってきたよ~。』に決まったのであった。
これで、準備は整った!
世界の平和は俺たちが護る!!やってやるぜ・ドォリャアアアアモードな勇者ミナミン……そんなわけもなく……。
ミナミンはミナミンのまま、相変わらずヤル気ゼロなのであった…。
母親「あらまぁ…聖剣の職人幽霊さんは、もう剣の中に帰っちまったのかい。せっかくたくさん水ヨーカンを買ってきたのに。」
勇者「(`×´;) そのかーちゃんの水ヨーカンのせいで、合言葉がとんでもないことになっちまったよ!!」
女神「まあまあ…。お母様は好意で買ってきてくださったのですから…。」
母親「へ?合言葉?何の話だい?」
女神「(^_^;) 後で私が詳細をご説明いたします。聖剣エクスカリバーには色々と秘密があったのです。」
母親「そうだね。話は後から聞くよ。とりあえず、このまま病院の待合室に居続けても仕方がない。夜も更けてきたし、一度うちに帰って晩御飯にしよう。良かったら、アルテシアちゃんも、魔王さんも、ミイラじじいさんも、一緒にどうだい?なんだったら泊まっておいきよ。」
女神「わぁ、有難うございます、お母様。」
ミイラじじい「そりゃ有難い。今から魔界の自宅まで帰るには骨が折れますからのう。」
魔王「同じくっス~。」
母親「じゃあ話は決まったね。人数が多いから鍋にでもしよう。デザートは勇者まんじゅうと水ヨーカンだ。」
女神「・:*:・(〃▽〃 )・:*:・ わぁい、私、お鍋も勇者まんじゅうも水ヨーカンも大好きです~!」
母親「あっ、しまった!今、白菜を切らしていたんだった!ちょいとミナミン!あんたこのままスーパーに寄って、白菜を買ってきておくれ!」
勇者「え゛~?何で俺様が~?いいよ、白菜抜きで!!肉オンリー鍋希望!!」
魔王「肉オンリー鍋にするぐらいなら、焼肉の方が良くねっスか?」
ミイラじじい「ピイチャン様…。年寄りに肉オンリーは、ちと胃にもたれますぢゃ。」
母親「おつかいぐらい、文句言わずにお行き!!ほら、1000円やるから!お釣りはあげるから、アイスでも食べな!」
勇者「(`×´;) 1000円……アイス……小学生かっちゅ~の……。」
魔王「いいな~アイス食べたいっス~。俺もついていっていいっスか?」
女神「男二人だけじゃ心配だから、私も一緒に行こうかな。」
母親「じゃあ、ミナミンとピイチャンとアルテシアちゃん三人でおつかいに行っておくれ。私はミイラじじいさんを連れて、先にうちに戻って、お鍋の準備をしているよ。」
女神「(=^▽^=) 了解しました~。立派な白菜を買ってきますね!」
勇者「RPGなんかで、何かのアイテムをゲットしないと、先に進めないというパターンはよくあるけどもな。その入手必須アイテムが白菜だったっちゅ~話は始めて聞いたぞ。」
魔王「様々な意味で、この話はとっくに普通のRPGじゃねっスよ、ミナミンのアニキ。真っ当な路線は諦めた方がいいっス。」
勇者「アイスにつられて、おつかいについてくるような魔王に言われたくないわい!!真っ当路線は最初から望んでなぞおらぬ!それどころか、俺様的には世界の平和を守るための第一歩ですら、踏み出しとうはなかった!!」
女神「(-"-;) 邪道路線でも何でもいいから、世界の平和は守ってもらいますからねッ。」
勇者「(┘`口´;)┘ ぬギャー!!おつかいで白菜買うのも、世界の平和を守るのも、全部ごちゃ混ぜになって強制イベント――――!!!」
女神「(無視)さっ。お腹が減っては世界の平和は守れません!まずは白菜ですよ、白菜!」
勇者「へぃへぃ。」
魔王「(〃▽〃) あ・白菜のほかに、ガリガリ君もお願いするっス~!」
進路一転。
スーパーに白菜とガリガリ君を買いにゆくことになった、勇者ミナミン、女神アルテシア、魔王ピイチャン。
RPGな路線からずんどこダラダラと平和に外れつつ、次回、はじめてのおつかい風味?
ゆるゆるのまま、まだまだ続くっ。