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36話「決戦!!イタコ作戦vsエロ本作戦!!」

剣の中の職人さんの幽霊を呼び出す!

そのために、ミイラじじいの横のベッドで寝ていた、おトメばあちゃん(職業:元イタコ)を頼ることにした、勇者ミナミン御一行様。

果たして、そんなもんで剣の中の職人は出てきてくれるのだろうかっ?



ミイラじじい「これこれ、トメばあさんや。起きてもらえんかのう。」


おトメ「……おトメではないずら…。(ゆらぁりと、ベッドから身を起こす)」


ミイラじじい「へっ?」


おトメ「ワスの名は、火魅呼ずら!!イタコでもあり、占い師でもあり、祈祷師でもあり、黒魔術師でもあり、町内会長でもある!!ワスこそが、伝説の美少女ずら!!」


魔王「(^_^;) 町内会長以外の肩書き以外は、全部嘘くさいっス…。」


母親「半分ボケて入院してるんだろう?町内会長も務まらないと思うけどねぇ。」


女神「病室入り口に掲げてある患者名のプレートには、『田中トメ』って書いてありますよ…。火魅呼ってどっから出てきた名前なんですか…。」


母親「商売用の名前じゃないのかい。」


勇者「щ(゜Д゜щ) てかね!!伝説の美少女って!!自分で言うか、このババア!!瓶フタを閉め忘れて、干からびて、カビまで生えたウメボシのような顔しやがってる分際で、伝説の美少女って!!謝れ!!全世界の伝説と、全宇宙の美少女に謝れ!!」


おトメ改め、火魅呼(自称)「……で。伝説の美少女イタコのワスに何の用ずら?」


ミイラじじい「実はこの剣の中に、霊魂が宿っているのじゃが、それを火魅呼ちゃんの力で呼び出してもらえんかのう。」


火魅呼「フッ。この伝説の美少女イタコ火魅呼の手にかかれば、お安い御用ずら。道具を揃えるから、ちと待っておれぃ。」



そうして火魅呼は、サイドテーブルの引き出しから、おもむろにタロットカードと、水晶玉と、亀の甲羅と、水ヨーカンを取り出した。



女神「'`,、(T∀T)'`,、 道具が無意味にバリエーション豊かでコンサバです~。もう何かこの作戦、最初からダメダメのような気がしますぅ~。」


勇者「(`×´;) 道具見るまでもなく、ババアのうめぼし顔を見た途端に、ダメに決まってんだろうが。」


魔王「しかし、水ヨーカンは何に使うんスかねぇ…?」


母親「食べるんだろ。」


勇者「母ちゃん、コメント普通すぎ。いやだからさ~ヌカミソードの前にエロ本積む作戦の方が絶対いいって~。今からでも遅くねぇよ~エロ本テンコモリに揃えようよ~!!」


女神「il||li _| ̄|● il||li  エロ本と水ヨーカンイタコ(嘘くさい)の二択しかないなんて……!!エロ本と水ヨーカンで、一体どうやって世界を救えというのぅ~?(さめざめと泣き出す)」


魔王「(-△-;) エロ本と水ヨーカンで世界を救うRPG風ファンタジーなんて、聞いたことないっスよ。」


勇者「(`∀´#) 俺様は、魔王と自分の母ちゃんがパーティに入ってるRPG風ファンタジーも、聞いたことがねぇよ!!」


女神「(T皿T) これだけ勇者にヤル気がない、RPG風ファンタジーも聞いたことがありませんよッ!!」


火魅呼「これ、外野ども!!ゴチョゴチョと五月蝿いずら!!さあ、ワスの美少女イタコパワァの見せ所ずら!!」



火魅呼ババア、タロットカードと、水晶玉と、亀の甲羅と、水ヨーカンを剣の前に並べると、怪しげな踊りを、激しくシャカシャカと始める。



火魅呼「出てこい、剣の中の幽霊~!!ワスの呼びかけに応えよ~!!!」


勇者「Σ( ̄ロ ̄lll) タロットカードと、水晶玉と、亀の甲羅と、水ヨーカン、単に置いただけじゃん!!関係なくねっ?」


母親「あらまぁ、おばあちゃん、あんな激しく踊って腰は大丈夫なのかねぇ。」


女神「'`,、(T∀T)'`,、 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛。ここは4人部屋なんですよぉぉぉ。他のベッドに寝ている患者さんたちが、激怒しながらナースコールボタンを連打しているぅぅぅぅ~。見回りの看護師さんがやってくる前に、早く片付いてぇぇぇぇ。」


火魅呼「Σ(゜Д゜;)!!! ピッキーンッッッ!!!はぐうッッッッッ!!!!ワス、いきなりぎっくり腰ずら――――!!(バタッと倒れる)」


母親「ほらごらん。言わんこっちゃない…。(溜息)」


女神「(にっこりと微笑みつつ)大丈夫ですよ、おばあさん。はからずも、どうせすぐに看護師さんが駆けつけてくれますからネ!別の個室に監禁……ぢゃなかった、移動させてもらいましょうっ。」


魔王「結局、イタコ作戦は失敗ってことっスねぇ。」


勇者「よし、これで心置きなくエロ本作戦を遂行できるというものだ!!(ゴゴゴゴゴ←バックにヤル気の炎)」


火魅呼「(床にはいつくばって、ピクピクしながらも)失敗ではないずら…!ワスにはちゃんと、この剣の中の幽霊の声が聞こえたずら!」


ミイラじじい「おお、流石は火魅呼殿ぢゃ!!で、剣の職人は何とっ?」


火魅呼「剣の中の幽霊はこう言うておったずら…。現金100万円を用意しろ、と…。そしてワスがもう一度、奴と交渉するには、霊を呼び出すエネルギー触媒として、水ヨーカンの詰め合わせギフト(5000円相当)が必要ずら!!」


女神「(変わらぬ女神チックな笑顔で)あ・きたきたっ。看護師さ~ん!このクソババア…じゃなかった、おばあさまを、別の個室(ドアは外から鍵をかけるタイプで、窓には鉄格子)に入れてあげてくださぁい♪」


母親「アルテシアちゃんって、さりげなく笑顔で猛毒吐くよねぇ。まあ、あんたが言ってなけりゃ、私が同じこと言ってたと思うけど。」


勇者「(;゜∀゜)=3ハァハァ と、いうことは、いよいよだな!!いよいよ、エロ本ズラリ作戦を決行すべき時が来たということだな!!ふごー!!(鼻息&握りコブシ)」


魔王「(*´▽`)┛ 俺も全力で応援するっス!!ミナミンのアニキ!!(いつの間にかピイチャンの心の中で、ミナミンはアニキに昇格)」


勇者「よくぞ言った!!我が舎弟ピイチャンよ!!(いつの間にかミナミンの心の中で、ピイチャンは弟分に降格)よし!!この世のありとあらゆるエロ本を集めて、聖剣の前に置いておくぞ!!」


魔王「ラジャったっス!!(ビシッと敬礼)」




聖剣「ヽ(#゜Д゜)ノ てやんでぃ、べらぼうめィッ!!いい加減にしろってんでィッッッッ!!!!俺っちが寝てる横で、てめぇら好き勝手騒ぎやがって!!俺ァ、漢だぜィ!!エロ本も、銭100万円にも用はないんだぜィッ!!……あ、でも水ヨーカンはちょっと好きだぜィ!!!!!」



女神「(無▽無) ………………あ゛。聖剣の職人さん、出てきましたね。しかもツッコミがしたくて。」


母親「水ヨーカンが好きってことは、甘党でアンコ好きだね。お見舞いの勇者まんじゅう、まだ残ってたかねぇ?」


ミイラじじい「ヽ(`Д´)ノ 作戦は成功ぢゃな!!ワシの思惑どお――――りッッッ!!!」


勇者「щ(゜Д゜щ) 嘘をつけ――――!!それからエロ本わぁぁぁぁぁっ?」




エロ本とイタコ作戦が功を奏し(多分)ついに出てきた、聖剣エクスカリバーに宿っていた、職人の幽霊!!(江戸っ子風味)

果たして、職人の幽霊から新たなる情報を引き出すことは出来るのだろうかっ?

勇者まんじゅうはまだ残っているのかっ?



続くっ。

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