35話「勇者と魔王のエロ熱き友情ッ!!」
ミイラじじいの証言により、500年前、先代魔王アストロゼブブを倒した当時の勇者の剣の腕前はド素人だったという情報を得た、勇者ミナミン御一行様。
どうやって先代魔王を素人勇者が倒したのかが判れば、レベル1のミナミンでも小便金魚に勝てるかも知れないっ?
……で。
聖剣エクスカリバーに宿る、職人の魂とやらを呼びださなければならなくなったわけなのだが……。
聖剣エクスカリバーを病室のベッドの上に置き、それを取り囲むようにして立つ、勇者ミナミン、女神アルテシア、魔王ピイチャン、ミナミンの母ちゃん、ミイラじじい。
女神「(厳かに)……こほん。それでは。只今より聖剣エクスカリバーの中にいる職人さんを呼び出す方法をみんなで考えます。意見のある人は手を上げて発言してください。」
勇者「ハイ。(挙手)」
女神「ではミナミン、意見を述べてください。」
勇者「ベッドの上に剣を置いたままにしておいて、病室のドアを閉め、廊下に全員出て、そこでアルがストリップをする!『おお、そこまで脱ぐか!』『すっげぇ巨乳だぜ!(大嘘)』等、俺様とピイチャンが頑張ってはやしたてる。様子が気になる剣の中のスケベなオッサンは、にょろりと外へ這い出してくるに違いない!!」
魔王「*。(*´Д`)。*° おお、それはいわゆる『ザ★天岩戸作戦』っスね!あ~でも、俺、藤崎詩織一筋なんで、生3Dの女にちっとも興味ないっス~。テンション上がらねっス~。」
女神「ヽ(#゜Д゜)ノ┌┛ガッ∑(ノ`Д´)ノ 却下ですッッッッ!!!それから『すっげぇ巨乳だぜ!(大嘘)』の、(大嘘)って何ですかッ!!!」
母親「スケベなオッサンと決まったわけじゃないだろう。私が見た職人さんは、硬派っぽい人だったよ。」
勇者「(`ε´) 違いますぅ~男はみんなスケベなんですぅ~。ムッツリスケベか、オープンスケベか、どっちかしかいないんですぅ~。(口先をとんがらして断固抗議)」
魔王「あ、個人的意見なんスけど、職人さんにも色々と趣味があると思うんスよね!様々なジャンルのエロ本を剣の前に置いて、『出てきてくれたら、このうちの一冊、どれでも好きな本をあげるっス』って言えば確実だと思うっス!」
勇者「なるほどな!一概にエロといっても、色々と趣味があるからな!熟女と女子高生、巨乳と貧乳、尻フェチ乳フェチ、死角なく広い範囲でエロ本を集めてこなければなるまい!!ぬっふおぉぉぉぉ~!(鼻息&体温上昇)俺様、急にヤル気が漲ってきたぜぇぇぇ~!!」
魔王「(;゜∀゜)=3 はいはいっ!先生、同人誌もエロ本に含まれますかっ?(バナナはおやつに含まれますか口調で)」
勇者「無論だッ!!(親指ぐっ)創作が現実を超える場合も多々ありうる……いや、夢が叶うという意味では、創作はむしろ、理想のエロを最も都合のいい形で具現化してくれていると言っても過言ではない!」
魔王「勇者さんッ!!(熱いまなざし)」
勇者「魔王よッ!!(こちらも熱いまなざしで応える)」
母親「何、よく判らない友情育んでいるんだい…。単に自分たちがエロ本を欲しいだけじゃないか。職人さんがゲイだったらどうするつもりなんだ。」
勇者「Σ( ̄ロ ̄lll) ゲイ…だ…と…?……そ……その発想はなかったッ!!!おのれ、聖剣ヌカミソードよ!!」
魔王「ガ━(゜Д゜;)━ ン !!! BLっスかっ?BLは夏コミ日付が違うから、本を持っていないっス!生粋ヲタを誇る俺でも、そこは未知の領域っス!」
女神「(メ≧皿≦)=3 ていうかね!!今は聖剣の性的嗜好を予測する会じゃありませんからッ!あなたたちにエロ話させておいたら、1話分それだけで終わってしまいますッ!エロ抜きの作戦はないんですかッ!」
勇者「ふははははは!!!そんなもの、あるわけがなかろう!!!!(どどーん)」
魔王「エロ抜きっスか~?ネタないな~。ぷしゅうううう。(急にヤル気をなくしてしぼむ)」
ミイラじじい「はてさて。どうしたもんだかのう。おお、そうじゃ。ワシに妙案があるぞい。」
ミイラじじい、隣のベッドでふがふがと寝ていた、ヨボヨボばーさんをゆする。
ミイラじじい「これこれ。おトメさん。起きてもらえんかのう。」
勇者「ジジイ、何してんの?ババアにストリップさせんの?」
魔王「えっ?剣の職人さん、熟女通り越して、老女好きっスか?」
女神「(-皿-#) だからエロから離れなさいというに!!」
ミイラじじい「今朝、入院してきてから知り合いになったのぢゃ。おトメさんは昔、イタコだったそうなんじゃよ。」
母親「イタコって、あの霊を呼び出すのが商売っていう人かい?」
魔王「怪しいっス……めっちゃ怪しいっス……。」
女神「'`,、(T∀T)'`,、 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~。エロ本だとか、イタコだとか、何かどんどん世界の平和だとか、王道ファンタヂィだとかの路線から遠ざかってゆくぅぅぅぅ~~。」
勇者「遠ざかる以前に、路線に乗ってすらおらぬわ!!乗る気もないしな!!ふはははははは…………はぐうっ。(アルに後頭部を殴打されて、床にめりこむ)」
ついにイタコまで呼び出すことになった、勇者ミナミン御一行。
イタコであるという、おトメばあさんはアテになるのか?
剣の中の職人さんは、ちゃんと出てきてくれるのかっ?
いつになったらこの話は、世界の平和を守るファンタジー路線に乗れるのかっ?
続くっ。