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34話「聖剣エクスカリバーの汗臭い秘密」

現在急性アルコール中毒で入院中の、ミイラじじいの病室にお見舞いに行った、勇者ミナミン・女神アルテシア・魔王ピイチャン、そしてミナミンの母ちゃん。

魔界の悪いやつ、ショーベルキン・ハルーナ・エガオンたち悪魔伯爵を倒す秘策はあるのか?

ミイラじじいが言うには、「奴らを倒す方法は、聖剣エクスカリバーに聞けばいい」というのだが……?



女神「聖剣エクスカリバーに聞けとは、一体どういうことですか?ミイラじじいさん。狂ったんですか?(優しげな笑顔で聞く)」


勇者「(┘`口´;)┘  ジジイはアルコールに晒されて脳にキノコが生えたのだ!ヌカミソードに聞く以前の問題だ!こんな死に損ないのミイラに聞くこと自体が間違いだったのだ!」


魔王「そうっスねぇ…。せっかく病院なんで、このままお医者さんに相談して、認知症のテストを受けさせてみるっスよ。」


勇者「いいって、そこまでしなくても。お前の魔法とかで焼いちまおーぜ。どうせ最終的には火葬にするんだしさ。」


ミイラじじい「こらこらこらこら!!!!みんな、もうちょっと年寄りに優しくせんか!!ワシは狂ったわけでも、脳にキノコが生えたわけでもないわい!!……ん?勇者ミナミンよ、もしやおぬし、聖剣エクスカリバーと対話ができぬのか?」


勇者「(`∀´#)  モノ相手にできるか、そんなもん。」


女神「あら、私のお父様は盆栽と話が出来ますよ。毎日話しかけながら、水あげてますもん。」


魔王「ああ、話しかけると生長早いって、よくいうっスよね。嘘っぽいけど。」


ミイラじじい「寂しい年寄りの道楽と一緒にするでない!よいか、よく聞くのじゃ、皆の衆。(急に元気いっぱいになって、ベッドの上に颯爽と立ち上がる)聖剣エクスカリバーは、500年前の神魔大戦争の折、人間が技術の粋を結集させて作った、最高の魔法剣だというのは以前話をしたじゃろう。聖剣の刃を鍛え上げた鍛冶職人が、たいそうな名人でのう。魂を込めて打ち込むがあまり、職人の魂はついに肉体を離れ、その刃に乗り移ってしまったという話なのぢゃ。」


勇者「え?何?コレ、そんな汗臭い逸話のある剣だったの?てーか、その話、単に仕事に熱中しすぎた職人が、過労で倒れただけなんじゃないのか?」


女神「'`,、(T∀T)'`,、 汗くさい上に、さらにヌカミソに漬けて臭くしてしまいましたけどね……。」


魔王「扱い悪くて、剣の幽霊がスネちゃったんじゃないっスかね?」


ミイラじじい「(@益@.:;) お前らに話を要約させると、壮大な伝説がどんどんしょぼくなるわい!!」


母親「……いや。ミイラじじいさんの言うことは本当だよ。その話、私も聞いたことがある。」



病室のドアがパタンと開く。

そこには母ちゃんが立っていた。

ロビーの自動販売機までお茶を買いに行っていたのだが、ちょうど帰ってきたらしい。



母親「その剣は、代々勇者家に伝わる剣なんだが、亡くなったお舅さんが剣と話をしたと言っていたことがあるよ。」


勇者「ああ、俺様のじいちゃんね。そういや『ワシ、聖剣としゃべったことある(自慢げ)』って言ってた言ってた。死ぬ5年前ぐらいからアルツ入ってて、一日10回ぐらい『フミエさん、飯はまだかのう?』とも言ってたけどな。」


魔王「ああ……アルツハイマー病は進行すると、幻覚見るっていうっスからねぇ…。」


母親「いや、実は私も一度だけ剣の声を聞いたことがあるんだよ。」


女神「Σ(゜△゜;) ええっ?本当ですかっ?」


勇者「母ちゃんまでアルツにっ?俺様、介護すんのイヤなんだし!!……げふっ。(脳天に母ちゃんの鉄拳をくらう)」


母親「あれは確か、ミナミンがお腹の中に出来たばかりの頃だね。ふと夜中に目を覚ますと、枕元に見知らぬ男性が座っていたんだ。私も自分自身、まだ妊娠しているとは気付いていないぐらいの頃でさ。その男性が枕元で言うには、『今、お前さんのお腹の中にいる男の子が、新しい俺の主人になるんだぜィ。養生して元気な子を産んでくれィ。』って言うんだよ。そしてにっこりと微笑むと、そのまますうっと闇に消えちまったのさ。」


女神「(*'д'* ) へぇ~。何だか不思議な話ですねぇ。」


勇者「( ̄△ ̄|||) ……うっわぁ~。この母ちゃんに夜這いをかけるだなんて、何て豪気な幽霊なんだ……。げふっ。(母ちゃんの連続コンボをくらって、床にめりこむ)」


女神「やっぱり聖剣には何らかの魂が乗り移っているんじゃないですか?」


ミイラじじい「500年前の大戦争の時、聖剣を持っていた勇者は、その鍛冶職人の親友だったそうじゃ。」


女神「・:*:・(〃▽〃 )・:*:・ まあ……では、その職人さんは命をかけて聖剣を作り上げ、死して尚、親友と共に戦ったということですね。何て素晴らしい剣なのかしら!(すっかり感動)」


勇者「俺様、こんな幽霊憑きの剣イヤだぞ!!寝てたら、枕元に汗臭いオッサンが立ってたりとかすんだろ?しかも、まだうっすらとヌカミソ臭いし!!このヌカミソード、廃品回収に出してトイレットペーパーに換えていいっ?」


女神「(┘`口´;)┘ 世界を救う聖剣を、トイレットペーパーと交換しようとする勇者がどこにいるんですかッ!!」


勇者「トイレットペーパーだめ?じゃあ、ポケットティッシュにしとくわ。」


女神「ヽ(#゜Д゜)ノ┌┛ガッ∑(ノ`Д´)ノ   交換する紙の種類の問題じゃありませんッ!!」


ミイラじじい「で。紙から話を戻すぞい。500年経った今でも謎があるのじゃよ。鍛冶屋の親友だったという当時の勇者は、元々剣士ではなかったのじゃ。」


魔王「え?剣の腕前はド素人だったってのに、その勇者は俺の父さんを倒せたっちゅ~ことっスか?」


ミイラじじい「その通り!先代の大魔王アストロゼブブ様は、歴代魔王の中でも最強を誇る男であった。それを、剣自体は素晴らしいものだったとはいえ、いかような方法でド素人が倒すことが出来たのか、今もって謎なのじゃよ。誰も二人の戦いは目撃しておらぬしな。先代魔王様は今もご存命ではあるのだが、敗北の屈辱からか、当時のことは全く口に出さぬしのう。」


女神「つまり、この聖剣の中に住んでいる職人の幽霊さんとやらに当時の詳しいことを聞くことが出来れば、小便金魚さんたちを倒す方法も判るかも知れない、ということですねっ?」


ミイラじじい「その通りぢゃ。」


母親「剣を持つ剣士には実力がなくとも、剣の中に秘められた凄い魔力を開放する方法なんかがあるのかも知れないね。」


魔王「なるほど!これで勝てる見込みが出てきたっスね!」


勇者「……で?どうやって汗臭幽霊を、こっちから呼び出せばいいわけよ?ごく、たま~にしか出てこないんだろ、コイツ。」



……一同、沈黙……。

し~~~~ん……。




小便金魚たちを倒す方法に、なんとなく心当たりが出てきたぞ!

だが、新たなる課題に直面してしまった勇者御一行様。

勇者ミナミンは、果たして剣に宿る職人の幽霊とやらを呼び出すことはできるのであろうかっ?



続くっ。

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