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19話「勇者、ついにヤル気を出すハメになる!」

家へまんじゅうを取りに行った母ちゃんの隙をついて、母ちゃんの魔の手から逃げ出した勇者ミナミン!

ミナミンを追う、女神アルテシア。

二人はこの後、一体どうするつもりなのか?




勇者「ハアハアハア……ここまで逃げて来れば、母ちゃんも追ってこないだろう!」


女神「待ってください~ミ~ナミン~!はあはあ……やっと追いついたわ。まったくもう、ミナミンったら!急に走り出すんですもの!私、お母さん手作りのおまんじゅうを食べ損ねてしまったじゃないですかっ。(ぷんぷん)」


勇者「まんじゅうぐらい、俺様がそこらへんのコンビニで買ってやるわい!……う~む。母ちゃんのあまりの怖ろしさに、夢中で逃げてきてしまったが、ところでココはどこなのだ?(キョロキョロ)」


女神「さきほどいた場所とは別の公園のようですねぇ。」


勇者「ここは、でかい建物に隣接しているみたいだな。周囲を白い塀で囲まれているし、もしかしたら、ここは公園ではなく、あの建物の庭なのかも知れん。」


女神「他にも人はいらっしゃるようですし、出入りは自由みたいですね。芝生も手入れされているし、色々なお花も咲いているし、綺麗なところです。あの建物は何かの公共施設なのでしょうか?」


勇者「あまり来たことのない場所だからな。俺様もここいらへんの地理には詳しくないのでよくわからん。建物の正面入り口に回れば看板ぐらいあるだろう。後で行ってみよう。」


女神「あ、あそこにベンチがあるわ。一休みしましょうよ、ミナミン。」



ミナミンとアルテシアは、公園の真ん中にある、白いベンチに腰掛けた。

ふうやれやれと、一息つく二人。



女神「ところで、これから先、どうするのですか?ミナミン。ミイラじじいさんのところにも、お見舞いに行かなくちゃならないし。」


勇者「敵のお見舞いは行かんくていいのっ! う~む。これからどうするか、か。何か、しばらく実家には帰れない雰囲気だしな~。(腕組みして、しばらく考え込む)」


女神「考えるまでもないことです!あなたは勇者なんですから、魔王ピイチャンを聖剣エクスカリバーで倒して、世界を平和に導けばよいだけのこと。」


勇者「そうだな。魔王を倒しに行くとするか。」


女神「(`×´;) まったくもう!ミナミンったら、どうしてそんなにヤル気がないんですか。そんなだから貴方は、いつまでたっても……………………え゛?今、魔王を倒しに行くって言いました?」


勇者「おう。俺様、これから魔王を倒しに行くぜ。」


女神「Σ( ̄ロ ̄lll) どうしてっ?何かあったんですか、ミナミン!……はっ!もしや先ほどお母様にくらった拳の衝撃で、頭をぶつけてしまったのでわ…!!きゅ……救急車を呼ばないとっ!!熱測りましょう、熱!(ミナミンのおでこに手のひらを当てる)」


勇者「( ̄д ̄╬)  あのなぁ。熱なんかないっつーの。俺様、至ってマトモじゃい。魔王を倒せって言ったのはお前だろうが。」


女神「……いや、まあ、そうなんですけども。でも、ミナミン、どうしてそんな、いきなり勇者らしさに目覚めちゃったんですか?(うたぐり深い目)」


勇者「目覚めたわけじゃねぇよ。魔王を倒さないことには、このままだと俺様、家にも帰れねえだろうが。つーか、ミイラじじいの話から推測するに、魔王ピイチャンって、すんげぇ弱そうじゃね?だったら、俺様的にはサクッと魔王を倒して、とっとと最終回を迎えたいわけよ。」


女神「ははあ……なるほど。」


勇者「ところでさ。……アル。」


女神「はい。何でしょう?」


勇者「さっきから気になってたんだが、俺様たちの真正面にいる男、見えるか?(指をさす)安っぽい黒のジャージ上下を着て、髪がぼさぼさで、頭に角、ケツにしっぽの生えてる、いかにもヲタクっぽ~い、モテなさそうな奴がいるだろ。」


女神「ああ、あの白い壁際にいる方ですか?見えますよ。私、視力はとても良いのです。あの方、壁にでかでかと、スプレーで何か書いていらっしゃるみたいですね。何て書いてるのかしら?ええと……『夜露死苦 メカドック』ですって。」


勇者「……アル。」


女神「はい。何でしょう?」


勇者「俺様、その、『夜露死苦 メカドック』っていう単語に、著し~~~く聞き覚えがあるんだが、何話目に出てきたか覚えてるか?」


女神「ええと……確か、『11話 ぐうたら魔王』の回ですね。

 【 抜 粋 】

>勇者「アル、神界は何か魔王ピイチャンにテロられたわけ?」

>女神「はい。神の城の外壁に『夜露死苦メカドック』と、スプレーでデカデカと落書きをされました。」

>勇者「今更、誰も知らんぞ、『よろしくメカドック』なんて古い番組!!」

……ここの部分じゃないでしょうか?」


勇者「……アル。」


女神「はい。何でしょう?」


勇者「臭うぞ。しっかりと鼻つまんでろ。」


女神「了解しました。」



勇者は透明なビニール袋から、ジャキコーン!!!と、聖剣ヌカミソードを抜き放った!!!!



勇者「εε=====≡゛ヽ(#`Д´)/)) てんめぇぇぇぇぇぇ!!!!コラ、ピイチャン――――!!!!どのツラ下げて、ここで会ったが百・年・目ェェェ――――!!!!ブッ殺してやるあァァァァァァ!!!どぅぉりゃあああああああ!!!!!」


魔王「Σ( ̄ロ ̄lll) ギャアアアア!!その剣、もしかして聖剣エクスカリバーッ?ギャヒィィィィイ!!!勇者だああああああ!!!!(スプレー缶放り出して、逃げ出す)」


勇者「逃げてんじゃねぇぞ、ゴルァァァ!!!待ちやがれ、最・終・回――――!!!」




ギャグじゃないと出来ないような、いきなりの鬼展開(笑)により、魔王ピイチャンとあっさりエンカウントした勇者ミナミン!!!

魔王を倒して、任務を遂行し、勇者はおうちへ帰ることが出来るのかっ?

最終回は近いのかっ?

それとも何かの罠かっ?



続くっ。

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