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17話「勇者、戦闘不能!!」

留置場の鉄格子の中にて、朝の平和(?)なひとときを味わっていた勇者&女神だったのだが、それを打ち崩すかのように、廊下の奥からこちらへと近づいてくる怪音!!



ズシーン……ズシーン……



勇者「ΣΣ┗(|||`□´|||;;)┛ ギャアアアア!!!間違いねぇぇぇぇ!!!奴の足音じゃあああああ!!!奴が!!奴が近づいてくるぅぅぅぅ!!俺様、殺されるぅぅぅ!!!(往生際悪く留置場の天窓にモガモガとよじ登って、逃げようと試みては、失敗してずり落ちる。)」


女神「Σ(´・ω・lll) ええっ?何をそんなに怯えているんですか、ミナミン!」



ズシーン……ズシーン……


……ズ・シーン。



鈍く響き渡っていた足音は、勇者&女神の牢屋のちょうどまん前で止まる。

果たして!!

鉄格子の向こうには、まるで山のフドウのようなエプロン姿の巨漢が、額に青筋を10個ぐらい浮かべて、すんごい形相でミナミンを見下ろしていた!!!!



勇者「Σ( ̄ロ ̄lll) ぎぃやああああああ!!!か……母ちゃんんんんんんんん!!!!」


母親「ミナミンンンンッッッ!!!あんた、何やってんだいぃぃぃぃ!!酒飲んで、居酒屋で暴れて警察にしょっぴかれるとは何ごとじゃああああああッ!!!(怒号が、警察署の建物全体を震度7級で揺らす。)」


女神「Σ(||゜Д゜) えええええっ?ミナミンの恐れていた最強の敵って、ミナミンのお母様っ?」


母親「身元引受人になってくれって、朝、警察からうちに電話が来た時、あたしゃ恥ずかしくて口から火を吹くところだったよ!」


勇者「恥ずかしくて顔から火が噴き出そうだったってんなら判るけど、口から火を吹くのは変だろっ!!キングギドラかよ!!」


母親「人の言葉尻つかまえて、ツッコミ入れられる立場だと思ってんのかぃぃぃぃ!!!!(怒りのあまり両目がギラッチョリーン★と光りだし、地獄の閻魔の如く、口から炎がベロベロと吹き出てくる。)」


勇者「比喩じゃなくて、本当に火を吹いてやがるよ!!キングギドラそのものだよ!!それでも人間か!!!(涙目になりながら、母親がヒト科のホモサピエンスであることに対して猛抗議。)」


母親「問・答・無・用――――!!!そこになおれぇぇぇい、ミナミン――――!!!!」



ミナミンの母ちゃんは、ポパイのような豪腕を鉄格子にかけると、フンヌッという掛け声とともに、左右に引く。

鋼鉄で出来ていたはずの棒は、まるで飴細工のようにぐんにゃりと、いともあっさりひん曲がってしまう!

ミナミンの母ちゃん、恐るべし!!!!



母親「くらえ!!息子矯正拳!(要するに息子におしおきするためだけに、自力で適当に拳法を開発。)超必殺奥義!!!!絶・天狼無双飛翔薔薇醤油転生憂鬱昇龍覇ァァァァァァァ――――!!!」



やたら画数が多くて読む気の失せるような漢字ばかりの必殺技名を叫ぶと、母ちゃんは拳をくりだした!!

衝撃波が留置場のコンクリートの床を爆音と共に破壊しながら突き進み、ミナミンを直撃!!

ミナミンは見事に壁にめりこみ、一撃でHPが0となって戦闘不能と化した!!!

女神アルテシアは、掃除機が怖くて部屋の隅っこまで追い詰められてしまった子猫ちゃんのようにプルプルと震え、硬直したままだ。


そこに、激しい轟音に驚いた警察官が、様子を見にすっ飛んできた。



警官「ちょっと!どうしたんですか……ううっ?何だ、この手榴弾が10発ぐらい炸裂したような有様わっ?もしかしてテロッ?」


母親「ああ、おまわりさん。すいません、うちの息子がご迷惑をおかけいたしまして……。(深々と頭を下げる)」


警官「いや……あの……息子さんはたいした迷惑ではないんですが、それよりも、この留置場の有様は一体……。」


母親「ああ、これですか?タオヤメ(漢字では『手弱女』と書く。)の私がちょっぴり★手をかけただけで、こんなふうになってしまったんです。建物や鉄格子が、老朽化していたんじゃいないでしょうか?(いけしゃあしゃあ)」


警官「あ゛…………そ…………そうなんですか…………。お……教えてくださって、感謝いたしま……す……。(怖いので反論できない)」


母親「いえいえ、警察に協力するのは、善良なる市民の努めですから。それでは、これにて失礼いたします。息子を連れて帰りますので、息子が持っていたはずの剣も返してください。」


警官「いえ……あれは凶器にあたりますから、お返しするわけには……」


母親「返していただけるんでっ・すっ・よっ・ねっ?(母ちゃんの背後のオーラがゴゴゴゴゴ……という音と共に、仁王の姿をかたどってゆく。)」


警官「あ……ハイ……勿論ですとも。おっ、お返しいたしますですッ!!(敬礼)」


母親「さーて。話も済んだところで、ホラ、さっさと帰るよ!ミナミン!!(壁に埋まったままのミナミンをえぐりだし、首ねっこを持ってひきずってゆく。)ほら、お隣のおじょうちゃんも、一緒においで。」


女神「(:.;゜;Д;゜;.:) ははははははははいぃぃぃぃぃぃ。(従属)」




こうしてミナミンの母ちゃんの功績(?)により、無事……いや……全然無事じゃないか……どうにかこうにか牢屋を脱出した、勇者ミナミンと女神アルテシア。

母ちゃんが無理強いした警察のご好意により、聖剣エクスカリバーも返却してもらえて、一件落着★


留置場を脱出した後、新たなる二人の旅は始まる……のか?

そもそもミナミンは生きているのか?

ある意味、魔王にやられるとかよりも、勇者&女神は大ピンチのような気がするぞ!!



続くっ。

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