14話「勇者、生まれてはじめて凛々しく戦うッ!」
さっきまで仲良く酒を飲んでいたはずだったのだが、突然何かのスイッチが入ったらしく、勇者ミナミンと女神アルテシアに魔物の牙を剥いた、魔界の四大悪魔伯爵ライーミことミイラじじい!!
じじいの放った『魔界の悪魔・詰め合わせセット玉(黒)』のせいで、人間界に魔界の悪魔が溢れてしまうことになってしまった!
ミイラじじい「(メ≧皿≦)=3 勇者め、酒をおごってやった恩も忘れて、よくもワシの悪魔のしっぽを聖剣で斬りおとそうとしよったな!!」
勇者「ヾ(*`Д´*)ノ"彡☆ やかましいわい!!プラプラしやがって、目障りなんじゃ、そのしっぽ!!」
女神「ちょっとちょっとミナミン!!(女神、勇者を部屋の隅に引きずっていき、耳うちする。)」
勇者「何じゃい!!アル!邪魔すんな!!」
女神「ミナミン、あの悪魔のしっぽは、本当に魔族にとっての誇りなんですってば!神族における天使の羽ぐらいの価値があるものなんですよっ!」
勇者「Σ(-□-;)!! え゛?そーゆーモンなの?つまり悪魔のしっぽって、男におけるタマタマ様ぐらいの価値があるってこと?」
女神「(`×´;) 私は女だから、タマタマ様の価値は判りませんっ。ミナミン、下ネタ多すぎっ。」
勇者「いいか、タマタマというものはだな、タマタマというものはだなァ~!!」
女神「うるさい、酔っ払ってるでしょ!で、話を元に戻しますけど、しっぽは斬りおとされてしまうと、その悪魔は魔力を失ってしまいます。勿論、魔力の源であるしっぽは、そう簡単に斬りおとすことはできません。」
勇者「タマタマだって切り落とすと生殖能力が……」
女神「(無視)そこで作られたのが、聖剣エクスカリバーです。エクスカリバーは悪魔のしっぽを斬りおとすために必要な、聖なる力を持った魔法剣なのです。500年前に起こった神界と魔界の大戦争の時も、当時の魔王アストロゼブブ王のしっぽを、あなたのご先祖である勇者が、聖剣エクスカリバーを使って斬りおとしました。それで魔王アストロゼブブは力を失い、神界と人間界が勝利することが出来たのです。」
勇者「ああ、なるほど。先代魔王が聖剣で斬られたのに、どうして糖尿病患うまで長生きしてんのか不思議に思ってたんだけど、しっぽを斬り落とすところまでで止めてたってわけね。」
女神「そういうこと。今、突然ミイラじじいさんが怒り出したのも、あなたが聖剣で彼のしっぽを斬りおとしてやるなどと、言い出したからなのですよ!ミイラじじいさんに失礼じゃないですか。きちんと謝りなさい!!」
勇者「(`∀´#) フッ。やなこった!!」
女神「えっ?」
勇者はスクッと立ち上がると、ミイラじじいの方に向き直り、カッコ良くビシイッ人差し指をつきつける!
勇者「だいたいなぁ!勇者と女神が、敵である悪魔と仲良く酒飲んでる状況からしておかしいんだっつーの!このミイラじじいさえ倒しとけば、世の中平和になるってことだろうが!魔王ピイチャンは無能でヤル気がないんだから、放置プレイにしておいても別に構わんということだ!!」
女神「ああ、そうか、言われてみればそうですよね。(手をぽん)」
ミイラじじい「ぬぬぅ!!バレてしまったか!!流石は勇者と女神!!(油汗ダラダラ)」
勇者「相手はヨボヨボのミイラじじい一人、しかも弱点が判りきっていて、最強の武器も我が手にあるッ!確実に勝てる状況の戦いであれば、俺様は最高に強いぜッ!!(瞳がキラリーンと光る)」
女神「w( ̄△ ̄;)w いやまあ、誰でも普通はそうでしょうね。威張りながら宣言することではないと思いますが…。というか、そこまで恵まれた状況じゃないと戦わないんですね、ミナミン……。」
勇者「ふはははは!!!くらえ、ミイラじじい!!正義の怒りをなァァァァ!!」
早速勇者は手に持っていた、聖剣エクスカリバーを透明なビニールから取り出したのであった!!!
あのダメ勇者ミナミンが初のヤル気まんまん、マトモにカッコよさげ!?
むしろ何だかヤな予感!!
続くっ。