12話「勇者と女神の挑戦状!」
魔王のヤル気を引き出すため、挑戦状を書くことになった勇者ミナミンと、女神アルテシア。
居酒屋の一室で、カリカリと一生懸命、何かを紙にしたためる二人。
勇者「\(゜□゜)/ よっしゃアアアア!!!でぇきたァァァァ!!」
女神「゜+.(・∀・)゜+.゜ 私も出来ましたっ★」
ミイラじじい「おお、有難うございます!どれどれ、まずは女神様のほうから、見せていただいてもよろしいですかな?」
勇者「お、俺様にも見せろ見せろ!」
女神「(*´ω`*) ええ、どうぞ~。」
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【女神アルテシアの挑戦状】
拝啓 魔王ピイチャン様
こんにちは、突然のお手紙、失礼いたします。
私は女神アルテシアという者です。
このたび、故あって勇者ミナミンと一緒に、魔王ピイチャンさんに会いにゆくこととなりました。
じきにそちらにお伺いすると思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
敬具
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勇者「…………あのさぁ…………アル…………。」
女神「(*^_^*) はい、何でしょう?」
勇者「何でしょーじゃねぇっつーの!!これのどこが挑戦状なわけっ?拝啓で始めて、敬具でシメてんじゃねぇよ!!丁寧すぎて、何ひとつムカつくところがねぇだろうが!!」
ミイラじじい「それ以前に、女神様が魔王ピイチャン様に会いにゆくことは判りますが、何をしにくるつもりなのかがさっぱり判りませんなぁ…。」
女神「ええっ?でも、私、魔王ピイチャンさんとは初対面ですし、ご不快にさせてはいけないかと思って…。」
勇者「不快にさせねぇでどうすんのよ!そもそも俺様たちは、魔王を倒しに行くんだぞ!!あのなぁ、挑戦状っていうのは、もっとこう、相手の神経を逆撫でするようなもんじゃないとダメなの!!見ろ、俺様の読んだ相手がムカつきMAXになることウケアイの、華麗なるお手紙を!!」
ミイラじじい「では、勇者様のお手紙も拝見させていただきますぞ。」
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【勇者ミナミンの挑戦状】
コンニチワ。ボク、ドラ○もん。
コボちゃんの妹は、コボパパの子ではない。
マスオの子だ。
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女神「Σщ(゜Д゜;щ)何ですか、これ――――!!!」
ミイラじじい「Σ( ̄ロ ̄lll) そうだったの――――!?間男マスオ、恐るべしぢゃあああ――――!!!」
勇者「フフフ。どうだ。実によくムカつく手紙だろう!!(得意げ)」
女神「何を威張ってるんですかっ!確かにムカつきはしますけど、ムカつく以外、挑戦状として何ひとつ目的を達していないじゃないですか!何故、ド○えもんが、コボちゃん宅にいらぬ疑惑の火種を撒き散らさなければならないんですかッ!そもそも『ボク、ドラえ○ん。』とか名乗っている時点で、魔王さんに貴方からの手紙だということが判らないでしょっ!」
ミイラじじい「何ですとぅ?コボママの浮気は捏造だったのでございまするかっ?謝れ――――!!○売新聞とコボちゃんに謝れ――――!!!」
勇者「チッ。芸術を理解しない連中は、これだから困る…。」
女神「アレのどこが何が芸術だというんですかっ。」
ミイラじじい「いやもう、時間が勿体ないですから、挑戦状の文面はワシが考えますぢゃ。お二方には、ワシの書いた文章に同意の署名だけお願いいたしますッ!」
勇者&女神「~( ̄△ ̄~)(~ ̄△ ̄)~ はぁ~~い。」
二人の挑戦状は、ミイラじじいの手によって、あえなくボツとなってしまった。
ミイラじじいが書いてもいいんなら、最初っからそーしてくれればいーのに~。
続くっ。