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11話「ぐうたら魔王。」

女神「……で。おじいさん、どうして魔王さんに私たちが挑戦状を書く必要があるんでしょう?」


ミイラじじい「そのお話をする前に、我が魔界の王ピイチャンのお人柄と申しますか、悪魔柄についてご説明せねばなりませぬ。」


勇者「ヽ(@∀@)ノ 悪魔柄ってどんな柄~?しましま柄~?ぐるぐる柄~?アハハハハ、天井がぐるぐるしてる~ぅ。」


女神「(-"-;) ミナミン、貴方、タダ酒だと思って飲みすぎです!」


ミイラじじい「先代の魔王であるアストロゼブブ様は、持病の糖尿病が悪化してすっかり体調を崩されましてな。今から30年ほど前に、先代の魔王は一人息子であらせられたピイチャンに、王位を譲ったのでございまする。」


女神「まあ、糖尿病!それは大変ですわね。私の父である神界の王ゼースも高血圧とメタボで、先日お医者様に食べ過ぎ飲みすぎを注意されました。」


ミイラじじい「それはそれは。神王も魔王も、寄る年波には勝てませぬのう。」


勇者「ヾ(*`Д´*)ノ"彡☆ 糖尿病の魔王とか、メタボで高血圧の神王とか、聞いたことねぇっつーの!なんで生活習慣病丸出しなんだよ!せめて韓ドラっぽく、体裁のいい白血病あたりをチョイスせんかい!つか、先代の魔王って、伝説の勇者に聖剣で斬り殺されたんじゃないのっ?何で糖尿病になるような齢まで、長生きしていらっしゃるわけっ?」


ミイラじじい「はあ。先代の魔王様は、斬られはしたものの、命には別状のない所を斬られましたのでな。」


女神「(*´ω`*) まあ、それはご無事で良かったですねぇ。」


勇者「( ̄_ ̄|||)  元魔王の無事を女神が喜んでどうする。アル、お前、自分が魔王を倒しに行く側の立場だっつーの、忘れてるだろう…。」


ミイラじじい「で、ですな。話は戻りますが、このピイチャンがまた、子供の頃からヤル気のない方でしてのう…。何も悪いことをしようとしないのですじゃ。毎日部屋にひき篭っては、人間界のゲームをしたり、漫画を読んだり、だらだらしているばかり。」


勇者「ニートだな!間違いない!それはニートだな!(キラーン)」


女神「あなたのお友達ですね、ミナミン。(冷たぁい目でミナミンを睨む)」


勇者「(┘`口´;)┘ ヲタニートと俺様を一緒にするな! 俺は麻雀をしてたり、パチンコをしたり、外出して金を稼いでいる!『アウトドア嗜好のプータロー★』だ!」


女神「いずれにせよ、全うな社会人として成り立っておらず、親に生活全般を頼っている点では、ピイチャンと同類ですっ。だいたい貴方のそのポジティヴな思考の根拠はどこにあるんですかっ。」


ミイラじじい「で、見るに見かねたワシが、どうにか魔王ピイチャン様のケツを叩いて、神界に挑戦状やテロ予告などを出させて、実行させていたというわけですなのですが……」


勇者「アル、神界は何か魔王ピイチャンにテロられたわけ?」


女神「はい。神の城の外壁に『夜露死苦メカドック』と、スプレーでデカデカと落書きをされました。他にも、先ほど言いましたが、エロい画像を写メで送りつけてきたりとか。」


ミイラじじい「そのエロ画像にしても、ふんどし一丁でドヤ顔をしているピイチャン様自身のセクシーショットとか、ペットのスライムの交尾シーンとか、犬の肛門のどアップだとか、しわくちゃババアの入浴シーンの隠し撮りとかばかりなのです!」


勇者「どれもこれも、手近で無料ゲットできるエロレベルの低いものばかりではないか!!」



挿絵(By みてみん)



ミイラじじい「こんなことでは、立派な悪とは言えませぬ!!……くぅっ!(思わず溢れてきてしまった涙をぬぐう)」


勇者「(じじいと一緒に涙目になりながら)くぅっ!いらぬ!!そんなエロ画像はいらぬぅぅぅ!!ちゅーか、それエロ画像じゃないよ!!中2男子画像だよ!!しかもメカドックって!!今更メカドックって――――!!!誰も知らんぞ、『よ○しくメカドック』なんて古い番組!!」


女神「(両手をぱんっと合わせて)判りました!つまり、やる気の出ない魔王ピイチャンさんに、我々が挑戦状を出すことによって、ピイチャンの闘志に火をつけ、魔王として正しいヤル気を出してもらおうということですね!」


ミイラじじい「イエッス、その通りでございますぢゃ――――!!(万歳)」


女神「そういうことでしたら、お任せください!私、子供の頃から作文は得意ですの!これも人助け。困っている子羊を救うのは、女神としての勤めです。」


勇者「アル……お前、ひと良すぎ…。」


女神「(*´ω`*) まあ、そんな。誉めていただくことのことではございません。女神として当然のことですもの。」


勇者「いんや、これっぽっちも誉めちゃいねぇけどな。(呆)挑戦状を書いて、ピイチャンがやる気を出すと困るのは、俺様達の方だと思うんだが…。まあ、アルがそれでいいなら、俺様的にはどうでもいいけど。」


ミイラじじい「では、書いていただけるのですなっ!」


女神「勿論です!(どーん)」




こうして女神アルテシアと、勇者ミナミンは、魔王ピイチャンに挑戦状をしたためることになった。

二人は一体、魔王にどんな挑戦文を叩きつけるのであろうか?



続くっ。

【どうでもいい注釈】

「よろし○メカドック」

大昔、某海賊マークの週間少年誌に掲載されていた漫画。全12巻。

大雑把な内容としては、自分で整備した車が、頑張って走っている。以上。(大雑把すぎ)

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